モバイル領域で世界最大級の展示会「モバイル・ワールド・コングレス」(MWC)が2月27日~3月2日、スペイン・バルセロナで開催された。この連載では、私が本展示会で得た五つの示唆について解説してきた。
最終回は、ビデオコンテンツがモバイルの新しい領域として注目されているということだ。
MWCで無視できない話題はコンテンツ、特にビデオコンテンツだった。Netflix最高経営責任者リード・ヘイスティングス氏が、初日の締めくくりのキーノートスピーカーだという事実は、この新しいコンテンツマーケティングの時代が、モバイル業界といかに密接に関連するかを示すものだ。もちろん低品質のコンテンツは論外だ。15秒のソーシャルビデオであれ、10分間のモバイルエピソードやNetflixのエピックシリーズであれ、ユーザーが見たいと思う高品質なコンテンツが重要だ。そのアプローチは、プレミアム・エンタテイメントコンテンツの制作・配信を行うDANのThe StoryLabの活動と同じものだ。
必ずしも “新しい”ニュースではないが、この話題がカンファレンスで議論されていることは新鮮だった。放送からパーソナルな経験への移行は明らかに重要なメッセージだったが、ニューヨーク・タイムズ紙のインタラクティブニュース編集者、マーク・ラバレー氏は、さらに進んだコメントをした。それは、「もしあなたがFacebook、Google、Snapchatのような巨大テック企業でないなら、あなたの活路はニッチでターゲットを絞った広告ビジネスだ(If you’re not Facebook, Google or Snapchat, You’re a niche advertising business)」というもの。
Content&Mediaのグローバル・イノベーションパネルセッションでの ニューヨーク・タイムズのラバレー氏(写真右から4人目)