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2018年デジタルの10大潮流No.3

強まる中国ブランドの影響力

2018/02/19

前回に引き続き、電通イージス・ネットワークのカラが発表した「TOP 10 TRENDS」から、2018年のデジタルの10大潮流を紹介する。

中国ブランドは投資と買収を通じて、また彼らの画期的なアイデアを欧米企業が採用することによって、欧米諸国に大きな影響を及ぼし始めている。

欧米諸国の人々がよく話題にするのはGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)やFANG(フェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグル)だが、中国で注目すべきなのはBAT=バイドゥ、アリババ、テンセントの3社。テンセントは先日スナップチャットの株式12%を買収し、今後アプリ開発に介入していく可能性がある。また、すでにスポティファイやテスラの株も所有している。

中国のタクシーアプリ「Didi Chuxing(ディディシューシン)」は、欧州各地で使用されているウーバーに対抗する新アプリ「Taxify(タクシファイ)」に多額を出資。中国のアプリが世界的に拡大するきっかけとなったアプリの一つ「Musical.ly(ミュジカリー)」は、17年11月に8億ドル余りで買収された。

しかし最も重要なのは、欧米企業が「独身の日」や旧正月の祭事など、中国の画期的なアイデアを観察し、そこから学んでいるということだ。

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フェイスブックはビデオ通話、送金、ウーバーのアプリ統合など、「WeChat(ウィーチャット)」の多くの要素を、メッセンジャーに組み込んでいる(中国では何年も前からWeChatでタクシーを呼ぶことができる)。

議論の余地はあるものの、欧米版アプリのヒントになるかもしれないアイデアの一つが、「社会的信用」。これは社会的なつながりや消費行動などをもとにユーザーの信用スコアを算出するシステムで、現在テンセントとアリババの2社が試験的に実施している。

BATの行動を観察し、新しいアイデアやトレンドを発見すること。そして中国に限らず、世界中にさまざまなパートナーシップを求めていくことがこれからの鍵となるだろう。