ジャパンブランド調査2018~「訪日者向けビジネス」へのサジェスチョン~No.1
日本のことを好きな国は?
2018/07/31
訪日観光客数は年々増加し、2017年には過去最高となりました。
さらに、2019年にはラグビーワールドカップ、2020年は東京オリンピック・パラリンピック、2021年はワールドマスターズゲームズ関西と「ゴールデン・スポーツイヤーズ」を迎えます。
この一大スポーツイベントをきっかけに訪日外国人がさらに増え、行政、自治体、各企業での取り組みもより活発になることが予想されます。そんな中、日本は世界からどう映っているのでしょうか。
どこの国や地域で、日本の何を目的に訪日意向が高まっているのか? また、“メード・イン・ジャパン”は、今どのような評価を得ているのか? 電通の「チーム・クールジャパン」は18年1~2月、世界20カ国・地域で「ジャパンブランド調査2018」を実施しました。
本連載では今後の訪日者向けビジネスのキーポイントとなる調査結果を紹介していきます。第1回は「日本への好感度」です。
Q 日本のことが好きですか?
A アジア圏の4カ国では97%の人が好きと回答。各国、伸びしろがあり、それぞれに合わせたアプローチができるかがカギ。
台湾は一昨年・昨年と連続してポイントを伸ばし、今年堂々の1位となりました。同率1位のタイ・フィリピン・ベトナムはここ数年高ポイントが続いています。
全体的にアジアを中心に日本の好感度は高く、特にASEANで高い傾向にあります。
ちなみに、ランク外で伸び率が高かったのはカナダで、66.7%の人が日本に好感を抱いていると回答。17年は62.5%だったのですが、今年は4.2%もアップしました。
日本政府観光局(JNTO)の「訪日外客数※」でもカナダは経年して人数が増えており、日本への好意度と訪日外客数は比例していることがうかがえます。
※日本を訪れた外国人旅行者の数のこと。
ひと言に好感度が高いといっても、各国、行ってみたい都道府県や地方で体験したいもの、購入したいものなどは異なります。
訪日外客数は年々増加傾向にあることから、それぞれに合ったアプローチをすることで、日本への好意度をさらに上げるだけでなく、訪日意向度へもつなげることができるのではないでしょうか。
ジャパンブランド調査2018の概要
●目的:日本の食や観光、日本産品など「ジャパンブランド」全般に関する海外消費者の意識と実態を把握し、企業のマーケティング活動を支援。
●対象エリア:20カ国・地域
中国(グループA=北京、上海、広州、グループB=深圳、天津、重慶、蘇州、武漢、成都、杭州、大連、西安、青島)、香港、台湾、韓国、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ(北東部・中西部・南部・西部)、カナダ、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア
※東アジア(中国、香港、台湾、韓国)
※ASEAN(シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン)
●調査手法:インターネット調査
●対象者条件:中間所得層以上の20~59歳男女
※「中間所得者層」の定義:OECD統計などによる各国平均所得額、および社会階層区分(SEC)をもとに各国ごとに条件を設定
●サンプル数:中国はA・B300人ずつ計600人、アメリカは600人、それ以外の地域は各300人合計6600人
●調査期間:2018年1月12日~2月16日
電通 チーム・クールジャパン
日本の文化や強みを生かした商品・サービスを海外市場に展開していく「クールジャパン関連事業」推進のために発足した電通の全社横断プロジェクトチーム。海外展開するクライアント企業の担当者やメディア・コンテンツ担当、海外の現地法人ネットワーク担当、プロデューサー、プランナーが集まり、魅力的な日本を世界に打ち出していく取り組みを行っています。