ジャパンブランド調査2018~「訪日者向けビジネス」へのサジェスチョン~No.6
日本製品で買いたいものは? また、その理由は?
2018/08/07
訪日観光客数は年々増加し、2017年には過去最高となりました。
さらに、2019年にはラグビーワールドカップ、2020年は東京オリンピック・パラリンピック、2021年はワールドマスターズゲームズ関西と「ゴールデン・スポーツイヤーズ」を迎えます。
この一大スポーツイベントをきっかけに訪日外国人がさらに増え、行政、自治体、各企業での取り組みもより活発になることが予想されます。そんな中、日本は世界からどう映っているのでしょうか。
どこの国や地域で、日本の何を目的に訪日意向が高まっているのか? また、“メード・イン・ジャパン”は、今どのような評価を得ているのか? 電通の「チーム・クールジャパン」は18年1~2月、世界20カ国・地域で「ジャパンブランド調査2018」を実施しました。
本連載では今後の訪日者向けビジネスのキーポイントとなる調査結果を紹介していきます。第6回は「日本製品のイメージ」。海外の人たちがどのような日本製品を求めているのかを分析していきます。
Q メード・イン・ジャパン(日本製品)のイメージは?
A 「ハイテク」 「信頼できる」 「高性能」など、機能を中心に品質が高いイメージを抱いている。
「ハイテク」「信頼できる」など機能や品質に関するイメージが上位になりました。これらの項目は、近隣国の韓国や中国と比較しても、日本製が特に高い評価を獲得しています。
日本のキャラクターや文化なども、アジアを中心に知名度が上がっていますが、まだまだ「日本製」は家電や車、AV機器など機械製品のイメージが根強いのかもしれません。
Q物を購入する際に、何を重視しますか?
A 「品質が良い」は全カテゴリ共通でほぼトップ。
家電類は「壊れにくい」「実用的」「色やデザイン」、食品・日用品は「値段が安い」「環境や社会への考慮」が上位に。
メード・イン・ジャパン(日本製品)のイメージでも評価の高かった「品質が良い」が、全カテゴリーで上位に。日本製の強みが発揮できそうです。
他方で、サニタリー、トイレタリー製品は値段に次いで「環境や社会に考慮して開発されている」という課題視点がトップ3に、食品や飲料でも4位にランクイン。CSR(企業の社会的責任)的な観点だけでなく、マーケティングや企業・自治体の取り組みとしても、環境や社会への配慮は必要になってくるのではないでしょうか。
ジャパンブランド調査2018の概要
●目的:日本の食や観光、日本産品など「ジャパンブランド」全般に関する海外消費者の意識と実態を把握し、企業のマーケティング活動を支援。
●対象エリア:20カ国・地域
中国(グループA=北京、上海、広州、グループB=深圳、天津、重慶、蘇州、武漢、成都、杭州、大連、西安、青島)、香港、台湾、韓国、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ(北東部・中西部・南部・西部)、カナダ、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア
※東アジア(中国、香港、台湾、韓国)
※ASEAN(シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン)
●調査手法:インターネット調査
●対象者条件:中間所得層以上の20~59歳男女
※「中間所得者層」の定義:OECD統計などによる各国平均所得額、および社会階層区分(SEC)をもとに各国ごとに条件を設定
●サンプル数:中国はA・B300人ずつ計600人、アメリカは600人、それ以外の地域は各300人合計6600人
●調査期間:2018年1月12日~2月16日
電通 チーム・クールジャパン
日本の文化や強みを生かした商品・サービスを海外市場に展開していく「クールジャパン関連事業」推進のために発足した電通の全社横断プロジェクトチーム。海外展開するクライアント企業の担当者やメディア・コンテンツ担当、海外の現地法人ネットワーク担当、プロデューサー、プランナーが集まり、魅力的な日本を世界に打ち出していく取り組みを行っています。