loading...

ジャパンブランド調査2018~「訪日者向けビジネス」へのサジェスチョン~No.5

スポーツイベントとインバウンドの関係は?

2018/08/06

訪日観光客数は年々増加し、2017年には過去最高となりました。

さらに、2019年にはラグビーワールドカップ、2020年は東京オリンピック・パラリンピック、2021年はワールドマスターズゲームズ関西と「ゴールデン・スポーツイヤーズ」を迎えます。

この一大スポーツイベントをきっかけに訪日外国人がさらに増え、行政、自治体、各企業での取り組みもより活発になることが予想されます。そんな中、日本は世界からどう映っているのでしょうか。

どこの国や地域で、日本の何を目的に訪日意向が高まっているのか? また、“メード・イン・ジャパン”は、今どのような評価を得ているのか? 電通の「チーム・クールジャパン」は18年1~2月、世界20カ国・地域で「ジャパンブランド調査2018」を実施しました。

本連載では今後の訪日者向けビジネスのキーポイントとなる調査結果を紹介していきます。第5回は「スポーツイベントとインバウンドの関係」。各国・地域のスポーツへの嗜好やスポーツイベントによる訪日意欲を探っていきます。

Q 好きなスポーツは?






 

A 世界的に人気なのはサッカーに続き、水泳。アジアでは卓球、サイクリング、登山・トレッキングなども人気。

 

a上a下

アジア・欧州で1位のサッカーに続き、水泳はどの国・地域でも、上位5位に入るほどの人気。その他、バスケットボールやテニスも多くの国で上位にランクインしており、世界的に人気のあるスポーツだといえるでしょう。

エリアごとに見ると、アジアではサイクリングや卓球、欧州ではスキーやラグビーが他エリアと比較して上位に。北米では野球、アメリカンフットボールなど、アメリカ四大プロスポーツ※と呼ばれる種目がやはり人気です。

※アメリカンフットボール(NFL)、野球(MLB)、バスケットボール(NBA)、アイスホッケー(NHL)を指す。
 

続いて、来年からのゴールデン・スポーツイヤーズに関する一連の調査より、東京オリンピックにおける訪日意向のデータをご紹介します。

Q 東京オリンピックは日本で観戦したいですか?
 

 

A 全体で4割の人が観戦のために日本を訪れたいと回答。中でもベトナムは7割と意向が高い。

b

観戦のために日本を訪れたいと答えた人は、全体では4割ほど。最も意欲的なのはベトナムで、7割と非常に多くの人が東京オリンピックに関心を抱いているという結果になりました。

ベトナム以外にも、中国やタイなどアジア圏では全体に意向が強く、訪日経験がある人の割合が高い、もしくは日本への好意度が高い国は、オリンピック観戦意向が高い傾向にあります。

2021年開催のワールドマスターズについても聞いたところ、日本で開催されることを知っている人が4割弱、観戦したい人は3割ほどとなりました。

このように、スポーツ観戦やスポーツ大会への参加を目的とした訪日観光客も増加が見込めます。訪日観光客のスポーツの嗜好をとらえた取り組みや施策を積極的に行っていくことで、スポーツ振興による地域活性化が期待できそうです。


ジャパンブランド調査2018の概要
●目的:日本の食や観光、日本産品など「ジャパンブランド」全般に関する海外消費者の意識と実態を把握し、企業のマーケティング活動を支援。
●対象エリア:20カ国・地域
中国(グループA=北京、上海、広州、グループB=深圳、天津、重慶、蘇州、武漢、成都、杭州、大連、西安、青島)、香港、台湾、韓国、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ(北東部・中西部・南部・西部)、カナダ、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア
※東アジア(中国、香港、台湾、韓国)
※ASEAN(シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン)
●調査手法:インターネット調査
●対象者条件:中間所得層以上の20~59歳男女
※「中間所得者層」の定義:OECD統計などによる各国平均所得額、および社会階層区分(SEC)をもとに各国ごとに条件を設定
●サンプル数:中国はA・B300人ずつ計600人、アメリカは600人、それ以外の地域は各300人合計6600人
●調査期間:2018年1月12日~2月16日

電通 チーム・クールジャパン
日本の文化や強みを生かした商品・サービスを海外市場に展開していく「クールジャパン関連事業」推進のために発足した電通の全社横断プロジェクトチーム。海外展開するクライアント企業の担当者やメディア・コンテンツ担当、海外の現地法人ネットワーク担当、プロデューサー、プランナーが集まり、魅力的な日本を世界に打ち出していく取り組みを行っています。