富山で全広連大会開く
テーマは「広告の富を、次代に」
2019/05/20
全日本広告連盟(全広連)は5月16日、第67回「全日本広告連盟富山大会」(主催=同組織委員会、全広連)を富山市芸術文化ホール(オーバード・ホール)で開催した。同市での開催は30年ぶりで、テーマは「広告の富を、次代に~『先用後利』の地から」。全国から広告関係者が参集し、全広連鈴木三郎助大賞や全広連日本宣伝賞の贈呈、パネル討議などを行った。
式典では、大会実行委員長を務める忠田憲美氏(北日本新聞社社長)が開会宣言。続いて、大会会長の高木繁雄氏(富山県商工会議所連合会会長)が「さまざまな出来事や社会情勢の変化の都度、広告は重要な役割を担ってきた。平成を振り返り、令和の時代はどうなるかという意識を皆さんと共有できたらと思う」とあいさつした。
全広連の大平明理事長は「江戸中期から始まった富山の売薬は『先用後利』の革新的なビジネスモデルを発明しただけでなく、情報の少ない地方の重要なメディアとなった。また、販促方法やおまけは娯楽の少ない地方における貴重なエンターテインメントの役割を果たした。このような、メディアとマーケティングの発祥の地である富山で、広告の未来を語り、取るべき行動を皆さんと一緒に考えていきたい」と述べ、来賓の石井隆一富山県知事と森雅志富山市長が祝辞を述べた。
次に、第13回全広連鈴木三郎助「地域キャンペーン大賞」と「地域クリエイティブ大賞」の贈賞が行われた。地域キャンペーン大賞は、「明治150年~富山気質(かたぎ)を継ぐ」(北日本新聞社/富山広告協会)が受賞。また、地域クリエイティブ大賞の最優秀賞は、テレビCM「南都家の一族」(南都銀行/大阪広告協会)が獲得。優秀賞は、テレビCM「あしたを、あかるく、あったかく。」(日本ガス/鹿児島広告協会)が受賞した。
パネルディスカッションには、パナソニックの竹安聡執行役員、日本テレビ放送網の小山章司執行役員、Twitter Japanの笹本裕代表取締役、電通のクリエーティブディレクター・佐藤雄介氏が登壇。事業構想大学院大学長で宣伝会議取締役の田中里沙氏がコーディネーターを務め「広告が直面する課題と広告の未来~広告界が『サステナブル』であるために~」をめぐり意見を交わした。
午後の部では、広告界の向上・発展に尽くした個人を年1回顕彰する第7回「全広連日本宣伝賞」を贈賞した。広告主に贈られる「松下賞」は唐池恒二氏(九州旅客鉄道会長)、媒体社やコンテンツのプロデューサーなどを対象とした「正力賞」は髙田明氏(ジャパネットたかた創業者、V・ファーレン長崎社長)、広告関連会社などから選ぶ「吉田賞」に戸田裕一氏(博報堂DYホールディングス社長、博報堂会長)、クリエーター対象の「山名賞」は西村佳也氏(コピーライター)がそれぞれ受賞した。また、今回は「特別賞」も設けられ、岸志津江氏(東京経済大学副学長)が受賞した。
式典後、同県出身の立川志の輔氏(落語家)が、記念公演として落語を披露。最後に、福島広告協会が次年度の大会開催地となる福島市を紹介した。