東日本大震災から10年、ビデオリサーチがメディア環境・生活者の価値観の変化を調査
2021/03/11
東日本大震災から10年。ビデオリサーチは、メディア環境・生活者の価値観の変化とライフスタイルへの影響、生活者の“信頼”と“安心”を広げるメディアの役割について発表した。有事において「テレビ」は信頼性、「ネット」は即時性の高さを発揮、メディア環境は10年間で「広く」届き「深く」個人に寄り添うようパーソナライズ化されたとまとめている。
<今回発表されたポイント>
◎10 年前の発災時「信頼できる情報源」はテレビ。SNS は安否確認での有用性が明らかに。
◎2011 年以降、スマホ所有が急速に増加、情報選択・収集の自由度拡大で生活者の価値観は「細分化」。
◎情報社会の中で本質重視に意識がシフト、自分にとって“外さない”効率的な低燃費志向が浸透中。
◎コロナ禍で見えた「テレビの信頼」と「ネットの役割」、メディアは生活者の安心・快適を牽引。
【1.メディア環境編】
■10 年前の発災時「信頼できる情報源」はテレビ、SNS は安否確認での有用性が明らかに
<世帯視聴率・LINE 利用者推移>
・東日本大震災が起きた11年3月11日14 時46 分、地上波テレビは一斉に地震速報を報道。総世帯視聴率(HUT)は15 時台で38.8%(前週平日平均に比べプラス8pt)になった。また、24 時台以降は平常時の2 倍以上になるなど、時間を問わず少しでも情報を得ようとテレビ報道に対する注目の高さと、視聴時間帯の推移から深夜に帰宅した帰宅難民の状況が思い出される。(図表1)
・発災後、Twitter やFacebook で情報を受発信するなど、SNSが安否確認ツールとして着目された。震災をきっかけに11年6月に「LINE」が誕生。サービス開始3 年後の利用は34%、5 年後は49%、2020 年では約7 割の生活者が日々のコミュニケーションとして活用している。(図表2)
■2011 年以降スマホ所有が急速に増加、情報選択・収集の自由度拡大で生活者の価値観は「細分化」
<スマホ所有率・インターネット意識・買物意識>
・11年以降、インターネット環境の整備が急速に進み、格安スマホが登場した14年には「スマートフォン所有」は60%。「インターネットで情報収集をする」は8 割を超え、2 人に1 人が自分にとって必要な情報をすぐに収集できる、即時性の高い環境となる。(図表3)
・買物意識に対しても影響をもたらし、「自分なりの考えでものを選ぶ」意識が13 年の50%から14 年は68%と18pt 増加、価値観が細分化している傾向がみられる。(図表4)
【2.価値観編】
■情報社会の中で本質重視に意識がシフト、自分にとって“外さない”効率的な低燃費志向が浸透中
<商品に対する意識の変化・男女別の意識>
・商品に対する意識では「実用的なものを選ぶ」考えが、20年(74%)は11年とくらべ6pt増加。「一度好きになったブランドは長い間好き」についても20年(63%)は11年より8pt増加と、外さない効率的な意識が緩やかに浸透している様子がうかがえる。(図表5)
・最新データで男女別に価値観をみると、男性は「着るもの」に「気をつかう(51%)」一方で「お金をかける(17%)」意識が低く、また女性においては「メイクアップ(38%)」より「スキンケア(61%)」が高いなど、お金をかけて着飾ったりするよりは自然体でモノを大切にすることを重視している様子がうかがえる。(図表5)
【3.現在のメディアの役割】
■コロナ禍で見えた「テレビの信頼」と「ネットの役割」、メディアは生活者の安心・快適を牽引
<「コロナ情報」におけるメディアの位置づけ・テレビ/ネット利用状況・インターネット利用ジャンル>
・社会的混乱となった「新型コロナウイルス感染」について、“信頼度”が突出して高かったのは「テレビ(65%)」。一方、“積極的に収集する”意識では、「テレビ(64%)」のみならず「インターネット・ニュース(47%)」も5割程度となっており、テレビとインターネットが身近なメディアであることがわかる。(図表6)
・20年のインターネット利用状況では、1週間のリーチは8割以上、利用が増加しているジャンルでは「動画・音楽系(83%)」「SNS(86%)」「ショッピング系(70%)」といった個人の満足度を高めるメディアである傾向が高まっている。(図表7・8)
■ビデオリサーチ リリースページ
<東日本大震災から10年> 有事に「テレビ」は信頼性、「ネット」は即時性の高さを発揮 「広く」届き「深く」個人に寄り添うメディア環境とパーソナライズ化の10年間
https://www.videor.co.jp/press/2021/210309.html