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「HAPTIC FIELD(触覚のフィールド)」がグッドデザイン賞を受賞

2021/11/12

    電通が参加するPARA - SPORTS LAB.(パラスポーツラボ)が開発した視覚障がい者向けスポーツ観戦デバイス「HAPTIC FIELD(ハプティックフィールド)」が日本デザイン振興会主催の「2021年度グッドデザイン賞」を受賞した。

    HAPTIC FIELDは、視覚障がい者スポーツであるブラインドサッカー®を、視覚障がい者の方が手の触覚を通してリアルタイムに観戦できるようにするデバイス。試合に合わせてリアルタイムにボールの位置が突起し移動する。ブラインドサッカー®以外のスポーツにも応用が可能で、視覚障がい者の方たちのスポーツ観戦体験をアップデートしていくことを目指して開発された。
    また川崎フロンターレと協同してサッカーに応用し、2020年10月18日開催のJ1リーグの試合で試用し、好評を博した。

    視覚障がい者向けスポーツ観戦デバイス「HAPTIC FIELD」(全体)

    【開発背景】
    ブラインドサッカー®はサッカーを基にした視覚障がい者スポーツであるのに、視覚障がい者の方がブラインドサッカー®の観戦を楽しむ手段がない。これは社会的な大きな損失である。この問題を解決するには、視覚以外での観戦体験が必要とされる。聴覚での情報伝達だと、聞き手の判断・想像に依存してしまうので、戦況の理解にどうしてもばらつきが出てしまうが、触覚であれば、より正確に、より分かりやすく、さまざまな人により等しく、戦況を伝えることが可能であることに着目した。

    【デザインのポイント】
    1.観戦に集中しやすい実用性を可能な限り上げるためこだわった小型・軽量化
    2.ストレスなく戦況を把握できるように何度も検証した突起のサイズ・出っ張り具合、生地の素材感
    3.ユニバーサルなデバイスコンセプトを体現したスマートなパッケージデザイン

    ■HAPTIC FIELDの詳細はこちら 

    視覚障がい者向けスポーツ観戦デバイス「HAPTIC FIELD」(部分)

    【審査委員の評価】
    ボールの位置が突起し、試合に合わせてリアルタイムに移動する。シンプルな構造でありながら、視覚を頼らずに試合を体験できる。実際に触れてみると想像以上に臨場感が感じられ、視覚障がい者の方も正確に試合の状況を把握することが可能であろう。このような特殊なシステムは、使用する機材類が大掛かりになってしまいがちだが、簡易的なカメラと小型デバイスでシステムが構成されているため実用性があり、今後の量産の可能性が高い点も評価された。パラリンピックでより注目されたパラスポーツ。多様な鑑賞方法の一つとして、更なる発展が期待される。

    【受賞コメント】
    目を使わずにサッカーする。一度も競技を見たことないのにプレイしている方もいる。視覚イメージに頼らず、競技を理解し、プレイできているのが本当に信じられませんでした。ただ、そういう人たちはほんの一握り。見えるか見えないかでスポーツを楽しめるか選別されるような現状を変えたい。その思いでこのプロダクト開発にあたりました。より多くの人がスポーツの魅力を味わえる社会の実現に、今回の栄誉ある受賞が、少しでも貢献してくれることを願っています。

     (電通 藤田卓也)

    ■スタッフリスト
    プロデューサー:電通 藍耕平 三浦僚/電通クリエーティブX 宮下研也
    ディレクター:電通 藤田卓也 大山徹 蓬田智樹
    デザイナー:電通 樋口裕二 村上晋太郎/タスコ 木村匡孝/ポノール・エクスぺリメンツ 堀尾寛太/コンセプト 南部俊輔