「ビジネスデザイン×空間デザイン」の両輪アプローチでインキュベーション施設を開発。慶應義塾大学に「CRIK信濃町」ができるまで(後編)
慶應義塾大学のインキュベーション施設「慶應義塾大学信濃町リサーチ&インキュベーションセンター(CRIK信濃町)」は、医療データを活用した共同研究拠点です。病院の中だからこそ、PoCから臨床試験、そして社会実装を目標にした多面的な研究・開発ができることが特徴です。
株式会社 電通では、新たに提供を開始した「KU-KAN TSU-KAN(クウカン ツウカン)」サービスで、この施設の企画構想からローンチまでを一気通貫で支援しました。
本記事では、電通 スタートアップグロースパートナーズに所属する統括プロデューサーの高井嘉朗氏をファシリテーターに、本プロジェクトについてのインタビューを実施。後編では、慶應義塾大学医学部 副医学部長(イノベーション担当)兼 慶應義塾大学医学部整形外科学 教授 中村雅也氏・慶應義塾大学 イノベーション推進本部 本部長 兼 スタートアップ部門長 新堂信昭氏と電通でビジネスデザインを担う志村彰洋氏・奥田涼氏に話を聞きました。
「慶應義塾大学ならでは」を大事にしたビジネスデザインサポート

これまでの実績に基づく濃密な打ち合わせで「施設価値」を最大化


慶應義塾大学で起業したい人たちの拠点に
病院という施設の特性を生かし、インキュベーション施設として独自のポジションを確立した「CRIK信濃町」。空間デザインとビジネスデザインを同時進行しながらサポートするという開発プロセスも、この施設の独自性を形作る要因だったことがご理解いただけたのではないでしょうか。
※医療データの活用は研究ごとに審議の上、患者さんの同意を得て行います。
※掲載されている情報は公開時のものです
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著者

中村 雅也
慶應義塾大学 / 慶應義塾大学病院
1987年、慶應義塾大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部整形外科学教室、米国ジョージタウン大学を経て、2000年、慶應義塾大学医学部助手。京都大学再生医科学研究所非常勤講師 、星薬科大学薬理学教室非常勤講師、慶應義塾大学医学部整形外科学教室准教授を経て、2015年より同教授(現在に至る)。日本整形外科学会・学会奨励賞、ベルツ賞、日本再生医療学会賞など受賞多数。

新堂 信昭
慶應義塾大学
アステラス製薬株式会社創薬研究部門にてオンコロジー領域を中心とした上市薬(XOSPATA)および複数の開発化合物品の創出に貢献。オープンイノベーション部門、CVC部門にて欧米でのアカデミアとの提携やスタートアップへの投資実行、ジョイントベンチャー設立等を推進。研究企画部にて産官学連携に関わるアライアンスの統括マネジメントを経て、2022年より慶應義塾大学イノベーション推進本部スタートアップ部門長に着任。保健学博士。NEDO SSAフェロー。慶應義塾大学 大学院 医学研究科 修了。

高井 嘉朗
株式会社 電通
電通入社後、メディア・マーケティング・ビジネスプロデュースを経験。スタートアップ「ファンズ」をアクセラレーションプログラムで優勝に導き、出向。 その後、電通のスタートアップ専門プロデューサー組織Startup Growth Partnersを立ち上げ、帰任。現在は主に、スタートアップの企業価値向上のためのグロース支援、スタートアップ×大手企業のイノベーション支援、大学発スタートアップの創出支援に従事。また、業務委託でユーザベースと電通のJVであるNewsPicks StudiosのCOOとして自ら経営支援も行い、事業成長に貢献。

志村 彰洋
株式会社電通
2006年電通入社以来、国策事業・スマートシティーのプロデュース、先進技術・システム開発のコンサルティングなどに従事。インテレクチュアルプロパティーデザインを専門として、新規事業開発や国際標準化活動も推進。その他、コンピューターサイエンスや数理モデルに関する国際会議、講演、審査員、論文掲載多数。IEC国際標準化策定エキスパート、IWRIS最優秀論文賞など受賞歴多数。

奥田 涼
株式会社 電通
Femtech and BEYOND.メンバー。カリフォルニア州立大学をコミュニケーションデザイン専攻・コンピュータサイエンス副専攻で卒業。2005〜2010年コンサルティング会社にてコンサルタントとして通信系企業や大手メーカーなどBtoC・BtoBにかかわらず、幅広い企業のコンサルティングを経験。2010年〜現在マーケティングコンサルティング、ブランディングコンサルティングの実績を積む。大手企業のコンサルティング経験を生かして、クライアント新規事業領域でのビジネスクリエイションプロジェクトに多く参画。




