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「この商品のターゲットは健康意識が低めな人」とか、「●●さんは健康(美容)意識が高い」とか、仕事でもプライベートでも、その人の健康・美容に向き合う態度の高低を表現することがあると思います。ざっくりと人物像を把握するにはとても便利なのですが、具体的に事業戦略やコミュニケーション戦略を考える場合、どう健康意識が高いのか低いのか、もっと詳細に把握したい場合も多いのではないでしょうか。

そんな健康意識の機微をつかむため、電通ヘルスケアチームでは大規模定量調査「ウェルネス1万人調査」を定期的に実施しています(調査概要はこちら)。2025年の最新の調査では、初めて70代も含む1万人に対象を広げました。今回は、対象を広げることでより明確になった年代別の視点から、「健康意識の“高い” or “低い”における細かな違い」をご紹介したいと思います。

健康への投資額が最も高い70代、最新のヘルステックを取り入れたい20代

ざっくりと「健康意識が高い」と言われると、皆さんはどんな人を思い浮かべるでしょうか。若者よりも高齢者の方が健康意識が高そう、とか、ジムでちゃんと運動している人、とかでしょうか。

年代別に見てみると、確かに「身体や健康に気を配る、丁寧な生活がしたい」という全般的で一般的な健康意識は70代(76.9%)が最も高く、最も低い20代(52.1%)との差は24.8ptに上ります。

健康のためにかける金額(月額)も、70代が最も高く(2434円)、最も低い20代(1194円)とは1240円の差があります。なんとなく、一般的に高齢の方が健康意識が高いという結果は納得感があるかもしれません。では逆に20代の方が高い「健康意識」はあるのでしょうか。

例えば、20代は“同じ健康の悩みを持つ人と一緒に健康に取り組みたい”という意向が最も高いという結果が出ています。

これは、世代特性として、健康に限らず、「周囲の人と仲良く高めあうこと」に若い世代の方が価値を見出している、慣れているということの影響かもしれません。また、近年のテクノロジー進化によりバーチャルに他の人とつながることが容易になり、例えば、ランニングをより楽しむために、アプリなどのサービスを使って距離や頻度を共有したり競ったりするソーシャル要素を活用することが、若者の中で一般的になってきたことも影響していると推察します。

テクノロジーの利活用の視点では、「最新の研究やテクノロジーを取り入れた商品・サービスを活用して健康に向き合いたい」という意識も20代(36.0%)が最も高く、60代(21.0%)や70代(22.0%)に向け、低くなっていきます。

これも、一般的に“最新テクノロジー”を生活に取り入れるのは若者ほど早い、という点からも合点が行きやすい結果かなと思います。

スマートウォッチを活用しているのは20代と70代!?意識と実態にキャップ

上記までの意識傾向をまとめると、“高齢な人ほど一般的な健康意識は高いが、テクノロジーを活用したトレンドっぽい健康意識は若者の方が高い”、と大まかに表現することができるかもしれません。

ただ、実はテクノロジーを活用した“具体的な商品”の利用状況や利用意向をみていくと、また違った傾向が見えてくるのです。

例えば、いわゆるスマートウォッチのような「心拍数や歩数、睡眠の質などを測定できる腕時計型やリング系のデバイス」の現在利用率は20代男性(17.6%)が最も高いのですが、次に高いのは70代男性(15.2%)だったのです。今後の利用意向も、以下のグラフにあるように、決して右肩下がりではなく、20代(33.1%)の次に70代(31.9%)が高いのです。

近年話題の「リカバリーウェア」の利用意向についても似た傾向で、60代・70代ではやや意向が下がるものの、2割以上の人が「使ってみたい」と答えていて、前段でご紹介した最新のテクノロジーに対する“意識”ほど他の年代との差分は大きくないのです。

これは、「最新の研究やテクノロジーを使っている!」と本人が意識したり背伸びしたりすることなく、該当する商品やサービスが自然に意識や生活に溶け込んできていることの表れかもしれません。実態をみると、一概に「最新のヘルステックは若者から。高齢者に使ってもらうのはハードルが高い」とは限らないんですね。

今回の記事では、70代を含めて調査設計を一新したことを契機に年代別で深堀りをしてみました。まずざっくりと仮説や方針を立てるために「健康意識が高い、低い」と表現するのは便利なのですが、いったい何をもって高い、低いというのか?の深堀りは面白いし、複雑である、ということの一部をご紹介できたかと思います。

年代や性別という視点からだけではない分析視点を持つと、もっと面白く複雑な傾向を発見できるかもしれません。ということで、次回は最新の調査結果を基に一新した「8つのヘルスケア・クラスター」の視点から、健康意識や行動の最新トレンドをご紹介します。


【調査概要】
調査名:「第19回ウェルネス1万人調査2025」
実施時期:2025年6月
調査手法:インターネット調査
調査対象:全国20~70代の男女(10000サンプル)
調査会社:電通マクロミルインサイト

※掲載されている情報は公開時のものです

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