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ソーシャルデザインの時代を生きるNo.1

ソーシャルデザインの文化を創りたい

2013/05/30

近年にわかに注目されるようになった、ソーシャルデザインという言葉。これは、もしかしたら新しい時代の文化であり、生き方なのかもしれません。このコラ ムでは、ソーシャルデザイン実現の場を、仕事を通じて見いだしてきた福井が、書籍『希望をつくる仕事 ソーシャルデザイン』に込めた想いとメッセージを綴っていきます。

ソーシャルメディアの流行と相まって、ソーシャルという言葉が注目を集めるようになりました。社会起業家やソーシャル・ファイナンスなど、ソーシャルなビジネスを紹介する本も多く出版されるようになり、広告業界では、カンヌライオンズなど、世界の主な広告賞の受賞作の多くがソーシャルなテーマを扱ったものとなっています。また、新入社員の半数以上がソーシャルな領域の仕事に関わりたいと答えるなど、ソーシャルという言葉は、「社会に貢献するためのボランティア活動」といった意味合いを超えて、大きな広がりをみせています。

私は、ソーシャルデザインという文化が生まれる可能性を強く感じています。けれども一方で、この言葉の理解は人によってさまざまで、実際にソーシャルデザインに関わろうとしても、その方法論をまとめたものはどこにも存在していませんでした。そこで私たちは、これまで電通ソーシャル・デザイン・エンジンで培ったノウハウを集結し、誰にでも手軽に手にしていただける、ソーシャルデザインの入門書にあたる本をつくりたいと考えました。


私たちは、書籍『希望をつくる仕事ソーシャルデザイン』の中で、ソーシャルデザインを「個人の気づきを、社会をよくすることと結びつけること」と定義づけました。ソーシャルデザインとは一部のすごい人たちだけのものではなく、アイデアと行動力があれば、誰にでもできることだと考えたからです。そこでこの本では、国内外の代表的な事例ばかりではなく、中学生や主婦の方など、さまざまな取り組みを紹介し、ソーシャルプロジェクトが生まれる基本ステップやソーシャルデザインの歴史、ソーシャル・イシュー・ヒントマップなど、網羅的に理解できるように、情報をわかりやすく整理してまとめました。

深刻な重たい話としてではなく、私たちはソーシャルデザインを「希望をつくる仕事」と捉え、本を通じて前向きなメッセージを伝えていきたいと思っています。書籍の発行にあたり、広告業界の情報発信の中心的存在である宣伝会議さんと連携し「ソーシャルデザイン会議実行委員会」を立ち上げました。今後は書籍の発行だけではなく、講座の開催や情報発信など、さまざまなプロジェクトを展開したいと考えています。