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紙面を温めると、陸地が消える!?

読売がユニークなタブロイド折り込み実施

2014/12/11

     

    読売新聞大阪本社と電通関西支社は12月11日、読売新聞の創刊140周年特別企画として、新聞業界では初となる「温めると消えるインク」(示温インク)を使ったプロジェクトを実施した(協賛=パナソニック)。

    示温インクは、特定の温度帯で発色、消色を繰り返す特殊インクだ。その性質を利用し、地球温暖化による海面上昇が体感できるカラー4ページのタブロイド伴を製作。東京23区エリアで11日付朝刊に折り込んだ。部数は約80万部 。

    1997年のこの日、京都市で開かれた第3回「気候変動枠組条約締約国会議」(COP3)で、加盟している各国に温室効果ガスの排出削減を義務付けた「京都議定書」が採択されたことから同日をプロジェクトの実施日とした。また12月1~12日、南米ペルーの首都リマでCOP20が開催されている。

    1面のタイトルは「京都議定書採択から今日で17年」。いまだに止まらない地球温暖化に警鐘を鳴らす記事で構成した。

     

    2~3面の見開きスペースは、東京を中心にした国土の衛星写真で、紙面を温めることで示温インクの部分が消える。温暖化が進み海面が約7メートル上昇したケースを表し、湾岸部や河川流域の陸地が浸食されることが体感できる。今回使用したインクは、33度以上の温度で温めると消色するもの(24度で発色)。

     

    終面は企画に協賛したパナソニックの広告を掲載。キャッチコピーは「食品を冷やすことが地球をあたためることであってはいけない。」と、同社のノンフロン冷凍機システムを紹介している。

    プロジェクトリーダーの電通関西支社・伊藤翔氏(新聞・統合M局 新聞中央部)は「“今までにないものを作ろう”という思いでスタートしたプロジェクト。手に取った人が驚き、そして面白さだけでなく、環境問題を考えるきっかけになればうれしい。読売新聞社をはじめ関係者に感謝したい」と述べた。

    今後示温インクは、さまざまな企画やクリエーティブに活用されそうだ。

    特設サイト:www.yomiuri-osaka.com/sealevel/