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電通報ビジネスにもっとアイデアを。

ワカモンのすべてNo.51

「ただ働くだけじゃいや!」なイマドキワカモンたち
~TWDWに参加して見えてきたこと~

2015/12/23

 

働き方のフェス、TWDW

2013年から始まり、今年で3 年目を迎えるTOKYO WORK DESIGN WEEK(通称:TWDW)は、勤労感謝の日の前後1週間にわたり、渋谷ヒカリエを中心に開催されました。

野外のロックフェスで偶然いいバンドに出会えたりするように、「これからの新しい働き方や未来の会社について、アイデアやヒントを自由に交換できる場」というこのイベントに、なぜ20~30代の若者が集まるのか?
それを探るべく、TDWD2015当日の様子をレポートします。

ワークショップの前に、ヨガで体をほぐす参加者の様子

 

働き方の視点を浴びまくる一日

7日間毎日テーマが変わり、多様なプログラムが行われているTWDWですが、大きく3つのカテゴリーに分かれています。
1つは「展示」。誰でも無料で入れるスペースに、未来の働き方を提案する展示がされています。
「10年後のビジネスモデル展」では、未来の働き方に影響を与えるキーワードに対し、YESかNOか意見を付箋で貼ることができます。印象的だったのは、“前向き”な表明が多いこと。

例えば、「シェアリングエコノミーに関連するサービスを積極的に利用していきたいと思いますか?」という問いに対しては、「人生がより身軽になるね」「自分にできることが信頼関係になる新しい形」など、変化を受け入れ、プラスを見いだす姿勢がうかがえます。

参考となる書籍を手にしながら、付箋に意見を記入できる展示

 

他にも、「家の中の小屋展 ~暮らしと仕事の境界線~」では、仕事と家が交じり合うようなワークスペースの展示がされていました。

全面黒板になっている、コックピットのようなワークスペース

 

2つ目は「ワークショップ」。
社会がものすごいスピードで変化する中、新たなカタカナ言葉が出現する一方、変わらないままの言葉もあります。この日は、「いまどきの『ことば』を考えてみる会議」と題して、あらためてことばが何を意味しているか、考えるワークショップが行われました。

まず、今「好きな言葉」と「嫌いな言葉」を胸から下げるプラカードに記入します。それを参加者同士で、定義しながら説明し、その言葉が気に入ったら付箋にメモをします。そのお礼にハグをするという、私としては少し気恥ずかしい(笑)内容だったのですが、なんなく実践していく参加者たち。

付箋にたまった言葉をホワイトボードに集めてみると、「好きな言葉」は個人の座右の銘など、パーソナルな意思が強く現れるのに対し、嫌いな言葉は「男女平等」「絆」「ワークライフバランス」など、社会で語られがちな言葉たちが浮かび上がってきました。
「なんでも男女を並列にすることが、平等であるというのは違和感を感じる」「ワークとライフを切り分けようとするとつらくなるのではないか」など、当たり前に世の中に使われている言葉と、現実とのギャップに疑問を感じている人もいることが伺えます。

カードに書いた言葉を定義し、交換し合う参加者の様子
 

3つ目は「トーク」。
その中から「仕事は“会う”ことで変わる。~ライブ系スキルシェアの可能性~」をご紹介します。
新しい人と人の関わり方を創り出す、仕事旅行社の田中翼さん、KitchHikeの山本雅也さん、TimeTicketの山本大策さん、ファシリテーター河尻享一さんによりその仕事観やこれからの働き方の展望のパネルディスカッションが行われました。

仕事場を訪問するという“旅”を提供する仕事旅行社の田中さんは、「働くって楽しい」という普遍的な価値を広げたい。利益だけ求めていたらやめている。自分がやりたいと思う方向に進んでいく」と述べ、個人の知識や経験をシェアする時間を売るTimeTicketの山本さんは、「アイデアと技術と情熱が求められるが、情熱が一番大事。信念がないと続けられない」と仕事に求められることを話しました。
そして、世界中の旅行先で現地の家庭料理が食べられるサービスのKitchHike山本さんは、「もうかる・もうからないじゃない。世の中にこのサービスがあると楽しいと思えることをやっていきたい」と語っていました。

こんな働き方をしてみたいと思うか?という問いかけに、強くうなずいていた参加者たちはトーク終了後、登壇者に直接質問を投げかけ、名刺交換にも前のめり。理想の働き方をしている人たちに、直接会ってつながっていくTWDWは、一つのコミュニティーとして機能していました。

ホントは働くことで、生きがいも得たい若者

電通若者研究部(ワカモン)で実施した「若者×働く」調査では、18~29歳の男女は、“現在”は「安定した収入のため」働くという回答が約7割と高いものの、“理想”は「生きがいも得たい」という前向きなマインドがあることが分かっています。

TWDWはまさに、社会や働き方の変化を受け身ではなく、乗りこなしていきたいという気概や、自分の生きがいのために本当は働いていきたいという“まっすぐな前向きさ”を持つ若者たちの熱量が表出している場所でした。

こうした若者の働き方への強い意欲を知ることは、企業が新卒採用を行う際にはもちろん、強い会社をつくる人材育成、個人間での後輩指導にも必要な視点だといえます。これからもワカモンは、若者の新しい価値観が表出するリアルなイベントに注目をしていきます。


「電通若者研究部ワカモン」ロゴ

【ワカモンプロフィール】
電通若者研究部(通称:ワカモン)は、高校生・大学生を中心にした若者のリアルな実態・マインドと 向き合い、彼らの“今”から、半歩先の未来を明るく活性化するヒントを探るプランニングチームです。彼らのインサイトからこれからの未来を予見し、若者と 社会がよりよい関係を築けるような新ビジネスを実現しています。現在プロジェクトメンバーは、東京本社・関西支社・中部支社に計18人所属しています。ワカモンFacebookページでも情報発信中。