2016年デジタルの10大潮流No.10
テレパシーは「コミュニケーションの未来」
2016/02/17
前回に引き続き、電通イージス・ネットワークCaratの「TOP 10 TRENDS」から2016年の大潮流を紹介します。
「コミュニケーションの未来はテレパシーだ」とマーク・ザッカーバーグ氏は語った。今、キーボードや音声を使わずに 、コミュニケーションが図れるサービスが現れ始めている。
ユニクロはシドニーで、店舗を訪れた顧客の脳波を測定し、ぴったりのTシャツをお薦めするサービスを実施した。アップルウォッチの出会い系アプリTinderでは画面に現れた人を気に入ったら右に、パスするには左にスワイプするが、米広告会社はそれを進化させ画像を見たときの心臓の鼓動を測定し、自動的に左右にスワイプしてくれる“ハンズフリー”のTinderを開発した。
スペインの通信大手テレフォニカのリサーチャーは、スマホのアプリを開く頻度や使用状況から、今ユーザーが退屈しているか、ストレスを感じているかなどを分析する。
脳波や脈拍、心臓の鼓動などのデータは、すでにスマートウォッチのようなウエアラブルデバイスによって日々収集されており、いずれこれらのデータを解析しユーザーとの双方向インタラクションを可能にするサービスが出現するだろう。
このような「テレパシー」の事例は、今、花開きつつあるセンサー技術をはじめ、さまざまなサービスやデバイスの協調が、大きなインパクトをもたらすことを示している。
すでに述べたように視覚的イメージや感情認識技術に加えて、ダイナミックプライシングが進化し、人間がわざわざ意識的に何かを指示する必要はなくなり、人工知能によるテクノロジーと人間の融合は進んでいく。直感的でパーソナルなサービス提供がますます増えていくだろう。