2016年デジタルの10大潮流No.9
ダイナミックプライシング―価格は躍動する
2016/02/16
前回に引き続き、電通イージス・ネットワークCaratの「TOP 10 TRENDS」から2016年の大潮流を紹介します。
小売りやEコマースの現場では、需要と供給などに合わせて価格を柔軟に変動させる「ダイナミックプライシング」が注目されている。すでに店舗やEコマースなどのプラットフォームで、競合の価格情報などをリアルタイムに把握しすぐさま自分たちの価格設定に反映するところが出てきている。
店舗では、レジでの支払い時に最適な価格を「マッチング」したり、どの商品をバーゲン価格にするかを顧客に選んでもらうことも可能になっている。オンラインでは、買い物客の購買履歴や位置情報、使用するOSなど多くの情報が入手可能で、そのデータは価格設定やプロモ―ションに生かされる。
Uberでは、設定価格を引き上げると街に繰り出すドライバーが増えるが、客は使用を控える。価格は、需要と供給が一致するよう、刻一刻と変更される。航空会社は従来さまざまな要素で価格を変動させてきたが、最近ではイベリア航空が航空券のオークションを試験的に試みている。
広告主はダイナミックプライシングが現実に浸透し始めていることを認識し、自分たちの戦略にも当てはめることができるか、検討するべきだ。
ダイナミックプライシングをビジネスに取り入れるためには、ビジネスに影響するカスタマーデータや外的要因を測定し、また、Eコマース・実店舗の双方とも、価格を柔軟に反映できるシステムを保有する必要がある。さらに、リアルタイムで変動する価格を反映させ、客足を増加させるモバイルのシステムも必要だ。