JAAが活動方針など発表、「社会との永遠の対話が重要」と伊藤理事長
2016/04/08
日本アドバタイザーズ協会(JAA)は4月7日、活動方針や事業活動計画を伝える「記者発表会」を東京・中央区のJAA会議室で開いた。理事長をはじめ各委員会の委員長が2016年度の方針と計画を説明した。
初めに、2月26日の第59回定時総会で第9代理事長に就任した伊藤雅俊氏(味の素会長)が「広告は社会を映し、社会を創る力になる。だからこそ、広告活動は社会との『永遠の対話』が必要だ。デジタル化がコミュニケーションの在り方や媒体の概念を変える。直面している課題、そして未来へ続くテーマを同期させて、より良い広告活動に向かっていきたい」とあいさつ。デジタルメディアへの取り組みでは「16年度下期に『デジタルメディア委員会』を新設する」と表明した。
続いて、鈴木信二専務理事(元味の素執行役員ウェルネス事業部長)は、伊藤理事長のあいさつを受け運営の方針として、「幅広い関係者との対話を深める」「デジタルメディアへの取り組み」「グローバル視点強化」「広告効果測定とその普及」「人材育成と知見の共有」の5項目を掲げた。
さらに、各委員長が具体的活動について説明した。
消費者委員会の小泉達矢委員長(第一三共ヘルスケア執行役員経営企画部長)は、JAA広告賞受賞者によるセミナーの実施、第55回JAA広告賞の募集や企画運営などについて語った。
新聞委員会の細川浩二委員長(パナソニックブランドコミュニケーション本部宣伝部長)は、J-MONITORなど効果測定指標の活用事例共有、電子版などデジタル時代の新聞広告に関する研究、日本新聞協会との共催セミナーの開催などを表明した。
雑誌委員会の小出誠委員長(資生堂ジャパンコミュニケーション統括部長)は、雑誌コンテンツ力のさらなる活用に向け、効果測定指標M-VALUEの活用事例やデジタル送稿の研究などを行うと語った。
電波委員会の土橋代幸委員長(トヨタマーケティングジャパン取締役)は、災害発生などの有事対応、特にCM中止やAC差し替えからの復帰を速やかに実施できる定義策定、テレビCMのオンライン送稿、字幕付きCM制作に関するスケジュール短縮やコスト削減などに言及した。
SP委員会の山田眞二委員長(サントリービジネスエキスパート常務取締役宣伝・デザイン本部長)は、交通広告共通指標策定に向けた取り組み、拡大が進むデジタルサイネージや車両チャンネルの活用事例研究・見学会の実施などを説明した。
調査委員会の天羽賢次委員長(味の素理事広告部長)は、昨年の同委員会設立時に表明した「JAA広告データリサーチハンドブック」の制作進行状況について、間もなく会員社に配布できる予定だと述べた。
Web広告研究会(WAB)の田中滋子代表幹事(日本電気CRM本部シニアエキスパート)は、実務に役立つ最新情報を会員向けの各種セミナーやフォーラムを通じて発信していると語り、「デジタルの変化に対応できないマーケターは淘汰される」とした2016年WAB宣言にも言及した。