インサイトメモNo.20
イマドキ主婦のスマートデバイス接触
~グループインタビュー結果より~
2012/08/15
〈 掲載日:2012.08.15 〉
日常の消費活動、購買活動の主役である主婦層。厚生労働省「平成22年版 働く女性の実情」調査によると、今や25 歳~64歳の既婚女性のうち50%以上が就業しているという時代になりました。では、主婦の生活スタイルを大きく左右するこの「仕事の有無」と、もう一つ の影響要因である「子供の有無」は、彼女たちのメディア接触にどのような影響を及ぼしているのでしょうか?
本号では、平成24年5月にメディアイノベーション研究部が実施した主婦グループインタビューの中から、特に近年普及しているタブレット・スマートフォンへの接触についての特徴的な発言を、仕事・子供の有無別に4タイプに分けてピックアップしたいと思います。
≪調査対象者の条件≫
20代後半~30代半ば、情報感度・ITリテラシーが比較的高めの主婦。「タブレットを利用している(+携帯電話)主婦」、および「スマートフォンのみを 所有している主婦」半数ずつを、専業主婦(子供あり・なし、共に半数)、有職主婦(子供あり)、有職主婦(子供なし)に分け、インタビューを行いました。 なお、子供の年齢は、末子が小学生以下としています。
■ 仕事あり
仕事あり主婦は、通勤時や昼休みなどにも頻繁にスマートデバイス接触がありました。「会社の昼休みに料理レシピをPCに 保存し、家でタブレットへ移し、それを見て料理をする」という発言からは、複数ツールを使用して、調理時間の効率化を図っている様子が伺えます。「朝、ス マホでリーダーのアプリからニュースを入れておき、通勤中に地下鉄の中(オフライン)で読む」という発言からは、スマートフォンのリーダーアプリを上手に 利用し、一度保存するというひと手間で、通勤中のオフラインの環境下でも情報摂取をしようという、仕事を持つ忙しい主婦ならではの工夫が見られます。
■ 仕事なし
仕事なし主婦では、「ネットはPCにはつながず、タブレットからのみ見て、通信費の節約と節電をしている」など、節約・ 節電の意識が強いことが特徴として挙げられます。また「午前中と夜は、友人5人と無料通話アプリを通じてグループ内でずっとチャット状態」という発言か ら、無料通話アプリは、可処分時間は多いが出費は抑えたいという主婦にとって絶好のコミュニケーションツールになっているようです。
■ 子供あり
子供あり主婦は、タブレットで「子供と足し算の練習をするアプリを使用」や「薬を検索できるアプリを使用し、子供の健康 を管理」といった発言のように、子供に特化した利用方法が多く見られました。スマートフォンで「撮った子供の写真を、すぐソーシャルメディアへ投稿」する という主婦は、写真をデジタルカメラからPCに取り込むという手間が省け、より簡潔で便利になったと語りました。
■ 子供なし
子供なし主婦は、自由な時間が多い中、タブレットでは「基礎体温を管理するアプリ等を有料で使用」、スマートフォンでは 「朝は毎日夫のために、ソーシャルメディアで電車の遅延情報を確認する」など、労を惜しまず、地道に自身の健康管理や配偶者のために情報収集する様子が伺 えます。また、家の中での移動が多い主婦ならではの「家事」+「スマホでラジオ」という「ながら接触」行動も見られました。
主婦層にもスマートデバイスが普及する中、様々な生活スタイルに応じて利用方法の工夫がされているのが分かります。