「ふるさと名品オブ・ザ・イヤー」実行委員会と内閣官房が「第1回地域商社協議会」を開催
2016/07/14
地域に眠る名品とその市場開拓を応援する「ふるさと名品オブ・ザ・イヤー」実行委員会と内閣官房、農林水産省、経済産業省が主催する「第1回地域商社協議会」が7月11日、東京・千代田区の経済産業省で行われた。市場開拓の司令塔となる「地域商社」の設立と普及を目指し、今後定期的にセミナーを開催する。同日の初会合では、地域商社の事例の他、地域ブランディングや域外市場開拓などについてのパネルディスカッション、参加企業によるショートプレゼンテーションなどが行われた。
「ふるさと名品オブ・ザ・イヤー」とは、地域の魅力づくりを支援する民間企業が、各地域に眠る名品とそれを支えるストーリーや取り組みを発掘し、表彰する制度だ。内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局も、特産品や観光資源などの市場開拓の司令塔となる「地域商社」の事業展開を進めており、いずれも共通する取り組みであることから、「地域商社協議会」と称し2カ月に1回のペースで定期的にセミナーを開催する。政府施策の有効な活用と地域間、官民間、異分野間などの連携促進や新しいビジネスモデルの開拓に向け、知見を高めていく。
冒頭、内閣府大臣政務官の牧島かれん氏は「皆さんがそれぞれの地元の魅力を売り込む担い手となっていくことを期待している。積極的に議論に参加し、成功事例を参考にすることで、地方創生を実現していきたい」とあいさつした。
続いて登壇したふるさと名品オブ・ザ・イヤー実行委員長の古田秘馬氏は、「メディアや旅行会社、広告会社などさまざまな会社や組織が手を組み、ただ地域の商品を売るだけでなく、本当にいいものを発信する仕組みをつくった」と制度について紹介した。内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局参事官の村上敬亮氏は「どうやっていい商材を利益につなげるように伸ばしていくかを学んでほしい。そして縦に突き抜けたいい事例を、今度は地域間で横につなげていくためのネットワーキングをしていきたい」と述べた。
「農業と食、地域資源を結ぶ総合プロデュース」をテーマとするファーマーズ・フォレスト代表の松本謙氏による基調講演では、ファームパークを拠点とした地域プロデュースの展開例や、利用されていない資源を活用した地域再活性化の取り組み、後世への環境を守り育てる取り組みなどを紹介。「地域商社によって内外販路の選択肢を増やす仕組みが構築されても、生産側の参画意欲や考え方自体の進化も重要」など、地域商社の課題についても語られた。
その後、ファーマーズ・フォレストの事例を参考としたパネルディスカッションや参加企業によるプレゼンテーション、テーマ別のグループディスカッション、さらに参加企業による詳細説明や個別相談などのプログラムも設けられ、参加者は互いに交流を深めながらさまざまな情報交換を行った。