第5回「全広連日本宣伝賞」各賞決まる
2017/01/11
全日本広告連盟(全広連)は1月10日、第5回「全広連日本宣伝賞」受賞者を発表した。「松下賞」を江崎勝久氏(江崎グリコ社長)、「正力賞」を蓮見清一氏(宝島社社長)、「吉田賞」を森田清氏(日本ABC協会会長)、「山名賞」を佐藤卓氏(グラフィックデザイナー)に贈賞する。昨年12月19日の選考委員会で決定した。5月17日開催の第65回「全日本広告連盟神戸大会」(神戸市・ポートピアホール)式典内で贈呈する。各賞の受賞理由は次の通り。
第5回「全広連日本宣伝賞」各賞受賞者と贈賞理由
■松下賞
江崎勝久氏(江崎グリコ社長)
創業者の精神「創意工夫」を実践し、「広告は資産である」との理念を確立した。お客さまと商品との間に新しい絆を築き、ロングセラーブランドの価値向上に成功。また、道頓堀グリコサイン・グリコワゴンなど多様な媒体価値を最大限生かすことにも成果を出した。中でもグリコサインは、広告塔の機能に加え、大阪の観光価値向上にも貢献。広告主と制作者が徹底的に話し合って広告をつくるスタイルは関西企業の広告づくりの文化として先例となり、蓄積されている。1992~2006年、大阪広告協会理事長として協会活動に尽力した。
■正力賞
蓮見清一氏(宝島社社長)
1971年ジェー・アイ・シー・シー(現・宝島社)設立。雑誌の部数が減少する中、価格戦略や付録の開発、プロモーションなどマーケティングを重視した新しい手法で、自社出版物の販売部数を大幅に引き上げた。メディアとしての雑誌に付加価値を付け、広告媒体としての効果を継続的に高めてきた。また、「商品では伝えきれない、企業として社会に伝えたいメッセージを、企業広告を通じて伝えたい」との思いから、98年から企業広告を開始し、インパクトのあるメッセージとビジュアルで広告賞を多数受賞している。
■吉田賞
森田清氏(日本ABC協会会長)
第一三共会長、日本製薬団体連合会会長などを歴任。2011年旭日重光章受章。10年から日本ABC協会会長を務め、第三者機関として公正で透明性のある広告取引の推進に尽力。新聞、雑誌、フリーペーパーなどの紙メディアの広告取引において、信頼性の高いABC部数の活用を広く呼び掛け、会員社拡充にも力を入れてきた。発行社、広告主、広告会社による合理的な広告活動の実施に向けて、長年にわたり、広告界の健全化に取り組んだ。
■山名賞
佐藤卓氏(グラフィックデザイナー)
1984年佐藤卓デザイン事務所設立。グラフィックデザインを中心に商品開発、パッケージデザイン、プロダクトデザイン、テレビ番組のアートディレクションなどその活動は多岐にわたる。近年は「21-21DESIGN SIGHT」のディレクターとして、「WATER」展、「デザインあ」展、「テマヒマ」展、「デザインの解剖」展など、デザインの幅を広げる際立った活動に対して高い評価を受ける。主な受賞歴は、毎日デザイン賞、東京アートディレクターズクラブ会員賞、亀倉雄策賞、日本パッケージデザイン大賞金賞、Gマーク大賞など。
「全広連日本宣伝賞」について
全広連は、日本宣伝クラブが1950年代から行ってきた、「日本宣伝賞」の顕彰事業を2013度から継承。必要な再編成を行い、全広連の公益目的事業の一つとして育成、発展を行おうとするもので、広告主(「松下賞」)、媒体社その他のメディア関係会社およびイベントその他のコンテンツのプロデューサー(「正力賞」)、広告関連会社(「吉田賞」)、クリエーター(「山名賞」)それぞれの立場から、広告の社会的使命の促進に関わる広告界の向上・発展に寄与した個人を年1回顕彰。「特別賞」として、広告の社会的使命の促進に特別に功労があった、と認められた場合は、上記4賞に加えて個人又は団体を顕彰している。