2017年デジタルの10大潮流No.6
チャットボットがマーケティングを拡大する
2017/02/10
前回に引き続き、電通イージス・ネットワーク、カラの「TOP 10 TRENDS」から2017年の大潮流を紹介します。
チャットボットがマーケティングを拡大する
チャットボットは、文字通り、チャット(会話)するロボットだ。メッセージアプリ内の自動応対プログラムであり、人工知能によって人間の一般的な問い掛けに答えるよう設定されている。チャットボットは、iPhoneのSiri、マイクロソフトのCortana、GoogleのAllo、そしてAmazon Echoに搭載されているAlexaのような対話型インターフェースと組み合わせることで、人間の具体的な質問に答え、お天気ボット、ニュースボット、スケジューリングボットなど、目的を絞ったやりとりを通じコンテンツを配信することができる。
2016年4月、Facebook Messengerでチャットボットが利用できるようになり、以来、すでに3万個以上のチャットボットが開発された。
スターバックスのパンプキン・スパイス・ラテが注文できるボット。ドミノ・ピザが注文ができるボット、チャットをすれば近所のお店で無料カクテルを飲めるキャンペーンコードが手に入るウオッカブランド「アブソルート」のボットまで、実にさまざまなものがある。
米国の若者に人気のメッセージアプリKikのプラットフォーム上には、2015年からボットが存在し、これまでに20億件以上のメッセージがブランドボットによって送信されてきた。
Googleの新たなメッセージングアプリであるAlloには、質問を検索キーワードに変換し、答えを提供することのできる検索ボットが組み込まれている。
Facebook MessengerのチャットボットはすでにPayPal経由の決済を受け付けており、特に既存の顧客に対しては、販売プロセスのひとつとして利用できるかもしれない。
すでに中国ではWeChatがずっと以前から決済サービスを提供しており、今や中国でビジネスを行う際の必須機能となっている。
ではブランドがチャットボットをマーケティングに取り入れる際の注意点はなんだろう。
チャットボットは実に数多くの仕事をこなす。顧客からの質問への回答はもちろん、注文を受け付けたり、ブランドの個性を楽しく表現することまでできるのだ。ブランドは自社のコンテンツをチャットボットでどこに出現させるのかを考えなくてはならない。
新しい対話型インターフェースを利用したいと思っているブランドは、自社のデータが「チャットボット対応」、すなわちFacebook Messenger、Siri、Alexaといったさまざまな異なるインターフェースで適切に読み取れ、ユーザーに案内できる形式であることを確認する必要がある。