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2017年デジタルの10大潮流No.7

IDと認証技術でターゲティングが加速する

2017/02/13

前回に引き続き、電通イージス・ネットワーク、カラの「TOP 10 TRENDS」から2017年の大潮流を紹介します。

No.1

IDと認証技術でターゲティングが加速する

見知らぬ誰かではなく、すでに誰だか分かっている相手へのコミュニケーションが、広告の主流となる時代が到来している。

オンライン・オフラインにかかわらず、異なるプラットフォーム上のある複数のユーザーが同一人物であろうと仮定する「確率論的なID (Probabilistic ID)」から、ある複数のユーザーが同一人物だと認識できる「決定論的ID (Deterministic ID)」へと移行している。

1人の人間がさまざまなデバイスでインターネットにアクセスするクロスデバイス時代の今、パブリッシャーや広告主は、ユーザーとどこで対話しようと、そのIDを識別できるよう、オンライン・オフラインにかかわらず、さまざまなデバイスやプラットフォームに共通する単一IDの作成を進めている。

顧客の身元が判明していれば、販売やマーケティングははるかにシームレスになる。以下はその一例だ。

サブスクリプションコマース(定期購入)

ユニリーバは設立5年のスタートアップ、Dollar Shave Clubを買収した。同社はオンラインで申し込んだ顧客にシェーバーの替え刃を毎月届けるサービスを提供している。このリレーションシップ・マーケティングのノウハウを、ユニリーバの他のブランドに拡大するのが目的だ。

No2.Shaver
 

• Amazon Dash Button

クリックするだけでAmazon Primeの特定の日用品を購入することができる。
ユーザーにとって便利なのはもちろんだが、Amazonにとっては購買履歴データが獲得できる。

No.3DashButton

 

• Amazon Go

Amazonが提唱する新たなAIを活用したリアル店舗構想。買い物客は入店時にチェックインし、好きな品を選んで、ただ店を出るだけだ。会計はAIにより自動的にネット上で課金される。Amazonはその人のリアル店舗での購買データを獲得できる。

No.4AmazonGo

 

各サービスは、オーディエンスからできるだけ多くの本人情報を求めるようになるだろう。

Uberアプリの最新バージョンは、ユーザーのカレンダーなどにアクセスし、その人がどの時刻にどこにいるかなどの情報を得て、いつ車で移動する可能性があるかを予想する。

支払いには常に本人確認が伴う。注文手続きの煩雑さや不便さは消費者がオンラインショッピングから離脱する原因の一つだ。それを解決するイノベーションには、顔認識などの生体認証技術を使って支払いの確認を行うMasterCardの「Pay by Selfie」(セルフィーでお支払い)などがある。

No.5Selfie

マーケティングにおける課題

マーケティングは、すでに知っている人をターゲットにするケースが増える。その結果、対象に合わせた、個人的なメッセージングが可能になる。データの利用が不可欠であると同時に、プライバシー保護は最大限配慮すべき課題だ。ブランドが行うあらゆる行動は、明らかに消費者を利するものでなければならない。

ブランドは、データを安全に管理するとともに、それを最大限に活用できるシステムを構築する必要がある。新興企業であればあるほど、機敏かつ強力なシステムを保有している可能性が高い。