神戸で全広連大会「いざ出航、広告の未来へ」
2017/05/19
全日本広告連盟(全広連)は5月17日、第65回「全日本広告連盟神戸大会」(主催=同組織委員会、全広連)を神戸市の神戸ポートピアホテルで開催した。
同市での開催は、神戸ポートアイランド博覧会が行われた1981年以来36年ぶり。
テーマは「いざ出航、広告の未来へ!~次世代につなぐ、『絆』とともに~」。全国から広告関係者約1500人が参加し、鈴木三郎助大賞や全広連日本宣伝賞の贈呈、記念講演などが行われた。
式典では、同大会実行委員長を務める高士薫氏(神戸広告協会理事長、神戸新聞社社長)が開会宣言。続いて、家次恒同大会会長(神戸広告協会会長、神戸商工会議所会頭)が「神戸港開港150年の記念すべき年に大会を開催でき光栄だ。大会テーマには、私たちが総力を結集して、震災から得た教訓を次の世代に継承していくとともに、広告を通じて新しい時代を創造していこうとする願いを込めた。開港150年、震災と絆、広告の未来の三つの柱で多彩なプログラムを構成した。港を起点に独自の進化を遂げた『神戸』のポテンシャルを内外に広く発信してほしい」とあいさつをした。
全広連の大平明理事長は「阪神・淡路大震災を見事乗り越えた神戸だからこそ発信できるメッセージを共有し、破壊から創造へ、混迷から調和へ向けて広告に何ができるかを考え語り合う場としたい」と述べ、来賓の井戸敏三兵庫県知事と久元喜造神戸市長が祝辞を贈った。
次に、第11回「全広連鈴木三郎助地域キャンペーン大賞」と同「全広連鈴木三郎助地域クリエイティブ大賞」の贈賞が行われた。地域キャンペーン大賞は、「京都のDNA―受け継ぎつたえるもの―」(京都広告協会)が受賞。選考委員会特別賞として、「がっこうの森プロジェクト」(新潟日報社、新潟テレビ21)が表彰された。
また、地域クリエイティブ大賞の最優秀賞は、新聞広告「まるごとえひめ 地産ding」(愛媛県内20市町)が獲得。優秀賞は、テレビCM・企業「大切な人が待つ場所へ。大切な想いを乗せて。」(名古屋鉄道)が受賞した。
続いて、広告界の向上・発展に尽くした個人を年1回顕彰する第5回「全広連日本宣伝賞」を贈賞した。広告主に贈られる「松下賞」は江崎勝久氏(江崎グリコ社長)、媒体社を対象とした「正力賞」は蓮見清一氏(宝島社社長)、広告関連会社などから選ぶ「吉田賞」に森田清氏(日本ABC協会会長)、クリエーター対象の「山名賞」は佐藤卓氏(グラフィックデザイナー)がそれぞれ受賞した。
各賞はウェブで閲覧できる。
「記念リレープレゼンテーション」には、モデレーターとして、電通の北原利行氏が登壇。博報堂の鷹觜愛郎氏らが参加し、「神戸開港150年」「震災と絆」「広告の未来」などのテーマでプレゼンテーションやトークセッションを繰り広げた。
テーマ・震災と絆では、兵庫県内の学生らと神戸新聞社による「117KOBEぼうさい委員会」が、ひまわりを復興の象徴として始めたプロジェクトについて報告。ひまわりの種からできた「食用ひまわり油」を販売した収益と協賛金の一部は、寄付金として熊本広告協会に贈られた。
式典後、作家の玉岡かおる氏が、記念講演「港からはじまる物語~地、終わり 未来が拓ける神戸から~」を行った。また、阪神・淡路大震災をテーマにした劇団山本屋の演劇「午前5時47分の時計台」が上演された。
大会開催に合わせ、神戸新聞社は、「避難所もっとより良くプロジェクト」(別刷り、16ページ)をはじめ多彩な特集を展開。会場で参加者に配布された。