「東京2020参画プログラム」がいよいよ本格始動!
2017/06/23
全国みんなで参加して、オールジャパンで盛り上げよう
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、さまざまな地域・団体が参加できる「東京2020参画プログラム」。 7月からの本格展開を前に、プログラムの内容や意義を大会組織委員会アクション&レガシー部長の石川貴規氏に聞いた。
全国の団体が東京2020大会を盛り上げる
──東京2020参画プログラムとは、どのようなものでしょうか。
全国の自治体・団体が対象となる、大会への参加型プログラムです。地域・団体が行うアクション(イベント・事業)に対し、一定のガイドラインに基づいてマークを付与し、その旗印の下、オールジャパンで盛り上げて大会のレガシーを創出していくものです。
──どのような団体が参加できるのでしょうか。
プログラムには「公認プログラム」と「応援プログラム」の2種類があり、公認プログラムは国や開催都市、会場関連自治体、パートナー企業などが対象。一方の応援プログラムは、会場関連以外の全国自治体、さらには広く非営利の団体が参加できます。それらの方々からアクションを募り、認証後に二つのプログラムそれぞれのマークが使用可能になります。
──認証するアクションは、スポーツ関連が中心でしょうか。
決してスポーツに限りません。八つのテーマ(スポーツ・健康、街づくり、持続可能性、文化、教育、経済・テクノロジー、復興、オールジャパン・世界への発信)に該当するアクションが対象です。地域の方が参加できたり、大会後も続いたりする取り組みが理想ですね。
──現在、どのくらいのアクションが認証されているのですか。
昨年秋から公認プログラムと一部の団体の応援プログラムを先行で受け付けており、9000件以上が認証されています。夏からは、ウェブサイトなどを通じて応援プログラムの受け付けを本格化します。
参加団体や地域の“つながり”も
──参加する地域や団体にとっては、どんな意義があるでしょうか。
世界的なイベントですから、一人でも多くの方が関わって、さまざまな“つながり”を生む機会になればと思っています。東京2020大会とのつながりでは、組織委員会公式ウェブサイトでの紹介や、大会直前にも参画プログラムの関連イベントを実施する予定です。また、参加団体同士のつながり、地域の参加者とのつながりも生まれるでしょう。そして、これを契機に2020年以降もアクションが続くことで、未来へのつながりにもなると考えています。
──すでに参加している団体からはどんな成果、感想が出ているのでしょうか。
今回の取り組みは、まだこれから各団体のフィードバックが上がってくる段階です。ただ、ロンドン2012大会でも同様のプログラムが行われ、多くのパートナー企業や団体が参加しました。その際、プログラムによって自分たちの社会的活動を広く発信できることにもメリットを感じていたようです。
──その点でもうまく活用してもらいたい、ということですね。
そうですね。とはいえ、やはり根本は「皆さんでつながって一緒に盛り上がりたい」という思いです。56年ぶりに行われる大イベント。パートナー企業各社をはじめ多くの団体が、文化・教育・スポーツなど、それぞれの強みを生かしたプログラムで参画いただき、2020年に向けた盛り上げと、その後のレガシーを一丸となってつくっていきたい。
東京2020参画プログラムマーク
2種類のマーク。認証を受けたアクションで、ポスターやサイト、横断幕などに使用できる。
すでに行われているアクション事例をテーマごとに紹介!
〈スポーツ・健康〉
レスリング・マット運動体験教室
東京都板橋区が主催となり、区内の小学校で開催。レスリング競技特有のマット運動により柔軟性、瞬発力を高めながら体を動かす楽しさを知ってもらうとともに、レスリング体験を行うことで、小学生年代へレスリング競技の普及啓発を狙う取り組みだ。また、トップアスリートと触れ合う機会を提供することで、東京2020大会に向けた機運醸成を図る。
〈街づくり〉
三井不動産スポーツアカデミー
「スポーツの力」を活用した街づくりを実践するため、三井不動産が開校したスポーツアカデミー。一流アスリートを講師に迎え、子どもたちがオリンピック・パラリンピックの競技を体験する。各地域の小中学校や商業施設で行われており、そこで生まれた子どもたちのつながりを基に地域コミュニティーの形成を目指す。さらにそのコミュニティーを街づくりのレガシーとして未来に継承する取り組み。
〈持続可能性〉
みんなのメダルプロジェクト
東京2020大会で使われる約5000個の金・銀・銅メダルを、全国各地から集めたリサイクル金属でつくるプロジェクト。携帯電話やパソコンなどのリサイクル可能な小型家電を対象に、参加する自治体の回収ボックスや各種イベント、認定事業者の宅配便などで随時回収する。メダルの原材料を確保した時点でプロジェクトは終了予定だが、これをきっかけに持続可能な社会の仕組みをつくっていく。
〈文化〉〈教育〉
パフォーマンスキッズ・トーキョー
アーツカウンシル東京(東京都歴史文化財団)とNPO法人「芸術家と子どもたち」が行う。都内の小中学校やホール・文化施設に、ダンスや演劇、音楽などの分野で活躍するプロの現代アーティストを派遣。10日間ほどのワークショップを行い、子どもたちが主役のオリジナル舞台作品を制作する。最後には作品の発表公演を開催。保護者や地域の人々を招いて、ワークショップの成果を発信する。
〈経済・テクノロジー〉
東京2020アイディアソン
東京2020大会の準備や運営におけるさまざまな課題について、学生同士がアイデアを出して競い合うイベント。16年11月27日に第1回が開催され、「パラリンピックをテクノロジーで盛り上げよう」をテーマに全国から33人の学生が集まった。参加者はチームに分かれ、車椅子バスケットボールの観戦を楽しむためのアイデアを発表。今後も同様のイベントを開き、次世代の技術につなげていく。
〈復興〉
ふくしまからはじめよう。「地域のたから」民俗芸能承継事業
福島県と「ふるさとの祭り実行委員会」が主催となり、民俗芸能の承継・発展を図る。民俗芸能の担い手の意欲を高めるため、発表の機会となる「ふるさとの祭り」を開催し“ふくしまの民俗芸能”を披露する。また、活動継続が困難な芸能保存団体をサポート。担い手の育成研修や専門家を派遣しての地域説明会など、各保存団体への総合的な支援を行う。