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インド発★ 電通がマーケティングプログラム「d-IMPACT」を実施

2013/12/09

    インドの農村で、日本発の衛生用品や栄養食品はどう受け入れられるか――。電通が10月にインド北部で行ったマーケティングプログラム「d-IMPACT」に日系企業が参加し、投入を検討する製品に対する現地消費者の生の声を聞いた。アジアの経済情報を配信するNNAがリポートした。

    同プログラムは、開発途上国の社会課題と企業の商品をマッチングさせることで、現地への市場参入を目指す企業のマーケティング活動を支援するもの。啓発活動などに用いられる、エンターテインメントと教育を融合した手法「エンターテインメント・エデュケーション」を取り入れているのが特徴だ。都市に近接した農村部に移動映画館を開設し、地域住民を集客した上で、日本映画などのコンテンツと共に、保健衛生・健康知識と商品を関連付けた教育コンテンツを上映する。

    今回会場としたのは、デリーから車で3時間の場所にあるウッタルプラデシュ州マチュラ。同州では保健衛生に関する教育が十分に行き届いておらず、栄養不足も深刻な社会問題になっている。仮設映画館には「Theater for Good」と書かれた看板を掲げ、250席ほどを設けたが、立ち見が出るほどの盛況ぶり。年齢層も子どもからお年寄りまでさまざまだった。
    対象とした商品は消毒液、芳香消臭剤、栄養強化食品など。商品の必要性や特長を伝える映画を上映した後、来場者に商品を体験してもらった。同プログラムに参加した企業からは「会場での反応を参考にしつつ、商品の発売に向けて準備を進めていく」との声が聞かれた。

    電通は7月にも同様のイベントを開催したが、電通ソーシャル・ソリューション局の赤羽誠部長によると、今回はさらに双方向で舞台と客席が一体になるコミュニケーションを意識したという。また、映画製作に当たった同局の並河進部長は「インドの消費者にとって、権威ある人が商品の効用や意義を語ることや、身近な人が品物を使った感想を語ることが効果的なPRになる。イベントは、これに娯楽の要素を加えて仕立てた」と説明した。
    電通では、7月と今回のイベントをプレイベントと位置付け、来年1~3月をめどに本格的に活動を開始する予定だ。