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1300年を超えて「朱雀門ひろば」が復元
平城宮跡歴史公園がオープン

2018/03/28

    朱雀門前で行われた開園式

    “奈良時代を今に感じる”空間として、国と奈良県が整備を進めている「平城宮跡歴史公園」が3月24日、奈良市の平城宮跡にオープンした。今回完成したのは、全体計画約130ヘクタールのうち「朱雀門ひろば」など約35ヘクタール。映像や展示を通して平城宮を体感できる「平城宮いざない館」、飲食・交流スペースの「天平うまし館」などの他、レンタサイクルやシャワー施設、観光施設、土産店が新たに設置。2010年の平成遷都1300年祭で展示された船長30メートルの「復原遣唐使船」も移設された。

    天平うまし館館内
    多くの人でにぎわう遣唐使船前のステージ

    24日の開園式では、奈良県の荒井正吾知事と国土交通省の簗和生政務官が主催者を代表してあいさつ。「万葉小楽師」によるイメージソングの披露に続いてテープカットが行われた。初日の朱雀門ひろばは1万1千人の来場者でにぎわった。

    24、25の両日には、開園記念イベントとして、3人の遣唐使(阿倍仲麻呂、吉備真備、粟田真人)が主役の音楽劇・散楽 SUPER天平楽「奈良時代・天平文化の幕開け」が開催された他、ウオーキングイベントや三輪自転車によるガイド、天平衣装の体験やまが玉つくりなど、平城京や奈良時代を知るさまざまなイベントが行われた。

    約1300年前、現在の奈良市につくられた平城京は、律令国家が完成するとともに、天平文化が栄えた都。朱雀門と東院庭園の復元が完成した1998年に、平城宮跡を含む「古都奈良の文化財」がユネスコの世界遺産に登録され、2010年の第一次大極殿の復元完成時には平成遷都1300年祭が行われた。今後も、大極殿を取り囲む「築地回廊」「南門」などで復元工事は進み、19年には「南門」の復元工事が公開される予定となっている。