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JAAが2019年度事業説明会を開催 「働き方改善」「ダイバーシティ」などに意欲

2019/04/23

    日本アドバタイザーズ協会(JAA)は4月16日、事業説明会を東京・中央区のホテルモントレ銀座で開いた。理事長をはじめ各委員会の委員長が2019年度の方針と計画を示した。

    初めに、伊藤雅俊理事長(味の素会長)が「広告市場」「広告価値の向上」「広告業界の働き方改善」などについて説明した。

    広告市場については「日本の広告市場は7年連続堅調に推移している。広告主、広告会社、メディアが知恵を絞り、人口構造の変化や産業、生活のデジタルシフトに対応し、消費者のニーズを的確に捉える努力をしてきた結果だと考える。特にデジタル広告の成長は、広告主にとって大きな期待でもある。一方、負の側面がクローズアップされているのも事実で、信頼性の向上が大きな課題だ」と語った。

    広告価値の向上については「マス媒体各社の努力、取り組みを精力的にセミナーなどで紹介し、信頼できるメディアとして広めていく。テレビは電波価値向上を目指す。視聴データの充実を重点テーマとし、民放連との議論を深めていきたい。デジタル広告は、関係団体と共に、その基本課題に取り組んでいく」と述べた。

    働き方改善については、18年3月に広告関連4団体が策定した「広告制作取引『受発注』ガイドライン」の啓発活動を行ってきたとし、「国の働き方改革法案が4月に施行され、いよいよ取り組みは本番を迎えている。広告業界が持続可能な成長を果たすべく努力したい」との考えを示した。

    続いて、鈴木信二専務理事が、「関係者とのより顕密なコミュニケーションによる連携強化」「デジタル広告における課題の抽出と解決に向けた取り組み」「グローバル視点強化」「人材育成と知見の共有」の4項目からなる19年度活動方針を解説した。

    18年度から始動した働き方改善プロジェクトのリーダーを務める名久井貴信氏(味の素広告部兼グローバルコミュニケーション部理事クリエーティブ統括部長)は、「広告制作取引『受発注』ガイドライン」の他、9月に発刊した「新しい働き方のための『広告制作プロセスマネジメントハンドブック』」を紹介。「本年度はこの2点の利用状況を把握したく、各団体でアンケートを実施中だ。これによって今後の課題を抽出し、解決に向け取り組んでいきたい」と述べた。

    同じく18年度から始動した、ダイバーシティ委員長を務める幼方聡子氏(東レ宣伝部長)は、「『ダイバーシティ視点での広告表現の在り方』『広告業界全体に対するジェンダー視点からの働きやすい環境』をテーマとし、広く業界内で調査し実態を把握したい。また、広告表現についての事例研究など、専門家も交えた学術的観点からの講演、国内外におけるダイバーシティ関連トピックスを紹介するセミナーを開催したい」と抱負を語った。

    その他、各委員会の委員長が、新規事業や調査研究、人材育成、表彰・広報事業などについて報告し閉会した。