第11回「日本マーケティング大賞」
表彰式 グランプリは「ポカリスエット」
2019/06/27
日本マーケティング協会(JMA)は6月21日、第11回「日本マーケティング大賞」(後援=経済産業省)の表彰式を東京・港区の赤坂インターシティコンファレンス the AIRで開催した。
日本マーケティング大賞は、企業・自治体・団体などの新しいマーケティングやコミュニケーションの手法、ビジネスモデルの開発を積極的に促すことで、消費者の生活の向上と経済・社会の活性化を目指すもので、JMA創立50周年を記念して2009年にスタート。11回目となる今回は、これまでの「大賞」を「グランプリ」と改称し、さらに「準グランプリ」を新設した。
冒頭、JMA会長の藤重貞慶氏(ライオン相談役)は、「151件のノミネートがあり、選考委員会での活発な議論を経て、グランプリ1件、準グランプリ1件、奨励賞5件、地域賞3件を決定した」と説明。選考委員会の髙田覚委員長(朝日新聞社取締役)は「単なる商品・サービスの人気ランク付けではなく、しっかりとしたマーケティング戦略に裏付けられた、歴史的な評価に耐え得る取り組みであるかが評価ポイントとなった」と明かした。
その後、各受賞作の紹介VTRが上映され、全10プロジェクトに各賞が贈呈された。
グランプリは大塚製薬の「ポカリスエット」に贈られた。
ターゲットユーザー(中高生)が毎年入れ替わる難しい商品でありながら、総合的なマーケティングでターゲット層から共感・共鳴を得ることに成功し、「若者を応援するブランド」としてイメージを形成、市場を拡大し続けていることが授賞理由となった。
来年で40周年を迎えるポカリスエットは、「潜在能力を引き出せ。」「自分は、きっと想像以上だ。」というキャンペーンコピーの下、新聞広告、屋外広告、テレビCM、SNS、ユーチューブなどでマーケティング活動を展開。大勢の若者が一糸乱れずダンスをするCMにより、若者の躍動感とチームワークの素晴らしさを同世代に伝え、「自分たちに寄り添い応援してくれる」ポカリスエット、というブランドイメージを形成した。
猛暑となった2018年には、10代の購入率で前年対比7.6%増、購入者当たりの購入金額で9.4%増を記録している。また、水分補給の大切さや熱中症対策の啓発活動により、幅広い世代の共感も獲得した。
同社の井上眞副社長は「世界の人々の健康に貢献する革新的な製品を製造する」という企業理念を紹介し、医学的見地でのエビデンスに裏付けられた製品の開発を行ってきたと説明。その上で、2015年から始めたポカリスエットのリブランディングについて「若々しく前向きな姿と製品イメージを重ね合わせると、ターゲットを若者にする考えは難しいことではなかった。今後も、若者にとって意味のある製品づくりを続けたい」と述べた。
各賞の受賞作は以下の通り。詳細は日本マーケティング協会の公式サイトで閲覧できる。
■グランプリ
中高校生に寄り添うブランドを目指す「ポカリスエット」のマーケティング
大塚製薬
■準グランプリ(新設)
『漫画 君たちはどう生きるか』のマーケティング
マガジンハウス
■奨励賞
耳で聴かない音楽会
日本フィルハーモニー交響楽団
「お絵かき爽ハッピー」
ロッテ
COGY あきらめない人の車いす
TESS
「神戸タータン」による地域連携マーケティングプラットフォーム構築
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■地域賞
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