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Spotify主催のクリエイティブアワードが日本で初開催。日本KFCがグランプリ

2024/10/23

    世界最大の音楽ストリーミングサービスSpotifyはクリエイティブアワード「Spotify Hits」を日本で初めて開催。受賞作品の発表と授賞式が10月15日(火)に行われた。

    「Spotify Hits」は、Spotify広告の特性を生かしたクリエイティブなアプローチで人々の心を動かし、ビジネスの成長に貢献した企業やブランドのキャンペーンを表彰するアワード。グランプリ(Spotify Mic Drop)に加え、ベストオーディオキャンペーン(Future Sounds)とベストマルチフォーマットキャンペーン(Sound&Story)の2つの部門賞が表彰された。授賞式には審査員を務めた博報堂 執行役員の嶋浩一郎氏と電通 CXクリエーティブ・センター クリエーティブディレクターの田中寿氏も参加した。

    【受賞作品と評価ポイント】
    ●グランプリ(Spotify Mic Drop) 
    日本ケンタッキー・フライド・チキン/知られざる定番「和カツバーガー」 リローンチキャンペーン 「Yes!和カツ食いに行く」
    (企画・制作)博報堂、博報堂プロダクツ、博報堂DYメディアパートナーズ、えるマネージメント、ミューズ、メロディー・パンチimage
    博報堂関西支社 統合プランニング局 原田真由氏が登壇。「『和カツ』という新しい通称で商品の認知度を上げることを目的に行ったキャンペーンです。『高須……和カツ』『クリニック……食いに行く』ということで高須クリニックのCMソングの替え歌をオリジナルで作成。説明しすぎない“ツッコミどころ”をつくることで、SNSなど媒体を越えて広げることができました。高須院長はじめ、このために楽曲アレンジをしてくださったSOFFetさん、皆さまのご協力があって実現しました」と語った。

    評価のポイントとして「原曲にリスペクトをもちながら、細かいディテールまで突き詰めることで全く違う世界観になっている。Spotifyを中心に広く拡散したことも評価したい(嶋氏)」「一度聴いたら頭から離れない右脳に響くアプローチ。つくりこまれた楽曲で音楽を大切にしているSpotifyにフィットしている。実現にいたるチームワークも素晴らしい(田中氏)」という点が挙げられた。

    ベストオーディオキャンペーン(Future Sounds)
    アース製薬/アースノーマット 小島よしお音声広告

    (企画・制作)CHOCOLATE Inc.image   
    アース製薬 コミュニケーションデザイン部 小泉ユミ氏が登壇。「忙しい人にも“ながら聴取”してもらえること、音声広告は記憶に残りやすいこと、Spotifyならではの立体的な音の効果を期待して実施しました。結果、広告接触した方の好意度が大きくリフトし、認知度、興味喚起、狙っていたイメージも向上しました」と語った。制作を担当したCHOCOLATE Inc.の市川晴華氏は「Spotifyは多くの方がイヤホンで聴いているので、その環境から逆算して制作しました。蚊の羽音に徹底的にこだわっていて、実際に蚊を採取して羽の音をとったんです」と制作の裏側を語った。

    評価のポイントは「イヤホンで聴くと右から左へ蚊が飛んでいるような、音にインパクトがある。音楽、セリフ、羽音のバランスがすごい。とても難しいことをやっていると思う(嶋氏)」「Spotifyなので音をつかった広告が多いが、これは広告ではなく音楽になっている。『続きはウェブで』とすることで広告的説明が全くないことも効果的(田中)」という点が挙げられた。

    ベストマルチフォーマットキャンペーン(Sound & Story)
    エスエス製薬/「ドリエル20周年 世界の子守歌キャンペーン」

    (企画・制作)電通、電通デジタル、サムワンズガーデン、エムアイティギャザリング、ベルベットオフィス
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    電通 CXクリエーティブ・センター 川田琢磨氏が登壇。「子守歌は世界中にあって、その共通点は『あなたがよく眠れますように』というメッセージ。『世界の子守歌をドリエルが応援する』ことが、睡眠改善薬であるドリエルの思いを最も表現できるのではと考えました。Spotifyでのスペシャルサイトや世界の子守歌を実際に聴けるなど、立体的に展開を実現しました。子守歌とブランドのフィロソフィが合致していたので、多様な展開でも世界観を統一することができました」と語った。

    評価のポイントは「どんなシチュエーションでどう聴かれるのか、という体験設計がすごく考えられている。全てが優しいトンマナで統一されていて、ブランド広告の域になっている(嶋氏)」「思わず寝落ちしそうになるほど優しい広告。音楽を通して企業のミッションを体感させている。Spotifyのプラットフォーム機能をフル活用している点も評価したい(田中氏)」という点が挙げられた。

    【審査員トークセッション】
    続いて行われた嶋氏と田中氏によるトークセッションでは、Spotifyの特長である3つのキーワード「Fandom (ファンダム)」「Rhythm (リズム)」「Personalization (パーソナライゼーション)」に触れながら、Spotifyのマーケティング側面からみた価値について語られた。

    「『Fandom』の要素は大きい。音声広告は“ながら聴き”されることがひとつの特長ですが、Spotifyは好きな音楽を聴くので少し前のめりに聴かれている。ミュージシャンと音楽をリスペクトし、その世界観をお借りする、お邪魔するという気持ちで広告がつくれると、他の音声広告より期待感が高いところに広告をもっていける(嶋氏)」「音声広告の良さは“余白”だと思う。例えば『初恋の人を思い浮かべてください』と言われたら、人それぞれの頭の中に思い浮かべることができる。これは究極の『Personalization』になる(田中氏)」など語られた。 
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    最後に、Spotify Japan 上級執行役員の立石ジョー氏が登壇。授賞式と受賞作品を振り返るとともに「Spotifyは今、進化の最中にあります。クリエイティビティを解き放ち、オーディエンスとポジティブな環境を築いていただける取り組みを、皆さんと一緒に進めていけたらと思います」と意気込みを語り、幕を閉じた。image

    Spotify Hits、受賞作品の詳細はこちら