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「デジ単」デジタルマーケティングの単語帳No.2

2020/05/27

『デジ単』重版出来記念!デジタル用語が分かりづらい理由を、1冊の本をつくりながら考えた

※書籍「『デジ単』デジタルマーケティングの単語帳 イメージでつかむ重要ワード365」(発行:翔泳社)の重版出来を記念して、 翔泳社の編集者・秦和宏さんに本書ができあがる裏側のお話をおまとめいただきました 。


「デジタルマーケティングの用語は分かりにくい!」

マーケティング・広告・ウェブ業界で仕事をしている方なら、誰もが感じたことがあるのではないでしょうか。

そんな悩みを解決するべく、1冊の書籍をつくりました。今回はそれを紹介しながら、デジタル用語が難解な原因と、その対策を探っていきたいと思います。

言葉を覚えるなら「単語帳」

紹介するのは『デジタルマーケティングの単語帳「デジ単」』という本です。英単語帳のデジタルマーケ版、と考えていただくと分かりやすいかと思います。

左側のページに単語とその意味が書いてあり、右側のページは単語に対応したイラスト図解になっています。イラストはすべて、「ポンタ」「ナナナ」「キメゾー」などの有名キャラクターを手がけた糸乘健太郎さん(電通デジタル)に描き下ろしていただきました。

デジ単

英単語帳も同じですが、単語帳の良さは「シンプル」「分かりやすい」「使える」といった点で、効率的・反復的な学習に向いています。後述しますが、パラパラめくっているだけでも、きっと仕事に役立つはずです。

新人もベテランも悩むデジタル時代の「言葉の壁」

この本は実は、まったく別の企画会議から生まれたものです。当初は「デジタル広告の教科書をつくりたい」と、著者の村山亮太さん(VOYAGE GROUP)や企画協力の高田了さん(電通デジタル)にオファーしていました。

その打ち合わせの際、「デジタル広告で分かりにくいのは、なんといっても単語だ」という話題になりました。

「単語は新しいものが次々出てくるし、アルファベット3文字の略語やカタカナの似たような言葉が多くて、今でも混乱する」

そんなご本人たちの苦労話から、「単語帳にまとめたら新人にもベテランにも便利だろう」という企画がぽんと浮かんできたのです。

このとき、「業界の中心で長く活躍しているこの二人が困っているなら、単語で困らない人なんてこの世にいないんじゃないか」と思ったのを覚えています。

デジタルマーケティング用語がやっかいな二つの原因

多くの人が抱える課題を解決するために、「どうすれば理解しやすい『単語帳』ができるか」ということを、内容面や、書籍表現の面で考えていきました。

デジタルマーケティング用語がやっかいな理由は、主に二つあると思います。

  1. 略語やカタカナ語ばかりで、パッと見てイメージがつかみにくい
  2. ただでさえ分かりにくいのに、相互に関係して絡み合っている

例えば、下の単語を見てください。

デジ単

もう「クローリング」はおなじみかもしれませんが、私は初めて聞いたとき、さっぱり意味が分かりませんでした。仕事の会話で何度か聞いているうちに、なんとなくイメージがつかめてきて、なんとなく自分でも使い始めるという調子で、おそらく多くの人が似たような経験をしているのではないでしょうか。

では、次のイラストを見てみてください。

デジ単

何をしているのか一目瞭然です。

イメージが頭に浮かぶか否かが理解度に与える影響というのは、書籍づくりをしていると身に染みて感じます。また、次々新しい言葉が出てくるデジタルマーケティングの世界では、目で見て「パッと」=「すぐ」理解することも重要です。一つ一つの単語を丁寧に咀嚼している時間は、ほとんどの人にはありません。

そしてもう一つやっかいなのが、それぞれの単語が絡み合っている点です。「CVとCVR」「KPIとKGI」などはまだ関係性が分かりやすいですが、さらに媒体用語やSEO用語、マーケティング理論などの違うステージにあるような言葉まで俯瞰して、つなげて理解するのは難しい。

デジタル化がマーケティングの世界にもたらした大きな変化として、マーケティング・オートメーションなどのツールで顧客行動を一連の流れに落とし込めるようになり、カスタマージャーニーといった考え方も広まりました。しかし、リード獲得から受注までの間が一つの部署で完結することはあまりないでしょう。

流れでいえば「マーケティング部門から営業部門へ」という順番ですが、そこにウェブ制作部門、広告部門、外注先、媒体が絡みます。そして、顧客の行動や態度変容などの考え方が一連の流れの根底にあります。

つまり、ある単語のイメージが浮かぶだけでなく、さらに「全体像」としてのイメージもとらえないと、自身の仕事への理解が深まらないということです。

デジ単

この図では、概念的なファネルから実務的なマーケティングツールまで、一つの視界に収められます。

著者の村山さんとイラストレーターの糸乘さんには、最後の最後まで、内容と表現を磨いていただきました(単語の掲載順や、イラストの色の付け方も)。その結果、絡み合ったデジタル用語が解きほぐされて、広い視野で見られるようにまとまったと感じています。

「言葉のひとり歩き」をさせない共通言語づくり

ビジネス現場の用語は、「なんとなく」理解しているケースが非常に多いと感じています。打ち合わせの場で繰り返し出てくる言葉の意味を文脈から想像して、同じような場面で自分でも使ってみる、という習得の仕方です。

言語の習得法としては実地的でまっとうですが、これでは少しずつ認識のズレが出てきてもおかしくありません。

しかも、これまでになかったようなコラボレーションや共創が会社や業界をまたいで実現する時代。最近はチャットによるコミュニケーションも増えてニュアンスが欠落しやすく、「なんとなく」では済まないシーンが増えてきているのではないでしょうか。

そこで、「デジ単」をプロジェクトメンバー全員で買って認識を揃えよう!…とまでは言いませんが、困ったときに参照できるものがあると、それをテコに「この場ではこの意味」という共通言語の形成ができます。「言葉」というコミュニケーションの土台にあるものだからこそ、さまざまな使い方ができる懐の深さがあると思っています。

このように、1冊の中に著者やイラストレーターのこだわりが詰まった本になっています。おかげさまで、発売1カ月で重版も決まりました。書店で見かけた方はパラパラとめくってみていただけると嬉しいです(電子書籍版もあります)。

【本書のポイント】
・デジタルマーケティングの頻出単語をシンプルに解説
・イラストを見るだけでもイメージがつかめる
・似た単語の意味の違いや、使い分け方もフォロー
・索引つきで単語や同義語を探しやすい
・英語表記もあるので、海外サイトを読むときや出張にも便利