顧客起点のマーケティングDXを加速させる、「DX診断 for システム」
2021/07/13
企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を効率的に進めるためには、まずフォーカスするポイントを見定めて、自社のDXの現在地を知ることが重要です。
企業やブランドにとって、競争力の源泉となるのは「顧客に提供する、独自の一貫したコト体験」。この顧客体験の提供を可能にするためには、製品やサービスに対する顧客の反応をデータでトラッキングし、施策を実行するためのシステムが必要です。
そこで、電通、電通国際情報サービス(ISID)、電通デジタルの3社は、クライアントのマーケティングシステム変革を支援する「DX診断 for システム」の提供を開始。今回は、本サービスが生まれた背景と内容についてお伝えします。
「DX診断 for システム」
マーケティング戦略とシステムの両側面から企業のDXの課題を明らかにし、理想の顧客体験を実現するためのマーケティングシステムの実装を推進(リリースはこちら)。
<目次>
▼開発のきっかけはDX診断を通して聞こえてきた顧客の声
▼マーケティングシステムの課題を可視化し、システム構成の将来像と実現方法を提示
開発のきっかけはDX診断を通して聞こえてきた顧客の声
電通は、これまで培ってきた“人”基点のマーケティングの知見を生かし、クライアントの顧客接点に関する領域のDX化を「マーケティングDX」と定義して、集中的に支援しています。
2020年9月には、「Dentsu Digital Transformation診断」(以下、DX診断)をリリース。これは、下記の各領域において企業や事業のDXがどのくらい進んでいるか、その“現在地”を明確にするものです。
これまで20社を超えるさまざまな業種のクライアントにDX診断を提供。その中で、システム変革に関するニーズが急速に高まっていることが分かってきました。
- 部署やチャネルごとに個別に最適化が進んでいて、システムの全体像が把握できていない……
- DX専門組織の立ち上げで新しい方針が打ち出された。現在地をあらためて整理したい
- マーケティング戦略とそれを実現するためのシステムの間にブリッジがかけられていない……
これらは実際にクライアントから頂いた声の一部です。
また同時に、システム変革にあたっては、システムだけに着目するのではなく、顧客体験を起点に変革をリードすることが求められていることも見えてきました。
システム変革に関するさまざまなニーズに応えるために、電通、ISID、電通デジタルの3社が開発したのが「DX診断 for システム」です。これは、上図の「DX診断」の領域の中の、「②システム変革」を深掘りして、課題と変革の方向性を明らかにするものです。
マーケティングシステムの課題を可視化し、システム構成の将来像と実現方法を提示
「DX診断 for システム」の診断対象となるのは、顧客に最適な顧客体験を提供するためのマーケティングシステムです。例えば、マーケティングオートメーションのような各種チャネルの施策実行基盤や、顧客データの収集・管理基盤のようなものが対象となります。
対象となるのは主に下記のような企業です。
- BtoC型のビジネスモデルで、顧客向けのデジタル施策や顧客データの活用に課題を感じている
- 顧客接点となるチャネルはECサイト、アプリ、店舗など
- ある程度のシステム投資をしているが、システムの個別最適化が進んで全体像が不明確になっている
私たちは、このような企業のマーケティング戦略とシステムの両面からシステム変革課題を明らかにし、統合的かつ実効性のあるソリューションを提案。理想の顧客体験実現のためのマーケティングシステムの実装を推進します。
推進にあたっては、電通、電通デジタルのマーケティング支援力と、システムインテグレーション領域で2500社に及ぶクライアントのシステム課題を解決してきたISIDのシステム構築力が下支えとなっています。クライアントによる自社のシステム領域における評価をもとに、電通グループのメンバーが詳しいヒアリングをして、課題を分析。さらに「6種類の診断結果」を提示し、変革の方向性についてクライアントとディスカッションします。
課題分析では、診断シートをベースに、クライアントのマーケティングシステムを、3つの視点でひもといていきます。
診断シートへの記入にあたってはマーケティング視点、システム視点の両方が必要になることから、マーケティング業務や関連するシステムを把握している担当者に記入してもらいます。
セッションの最終回で提示する「6種類の診断結果」は、下記のようになります。
「DX診断 forシステム」の一番の強みは、マーケティング知見とシステム知見のある人材がワンチームでクライアントに伴走しながら、マーケティング戦略とシステム構築の両方の視点で統合的に診断結果を提示できることです。
例えば、他社のDX診断サービスでは、診断結果だけを提示するものも多いですが、システム開発部分を切り離して別のベンダーに任せると、希望したシステムにならない可能性もあります。そうならないよう、電通グループでは必要に応じてシステム開発から実装、運用までワンストップで対応できる体制や人員がそろっています。
理想の顧客体験を提供するためのマーケティング戦略。そのシステム構築の第一歩として、「DX診断 for システム」を役立てていただけると幸いです。
【お問い合わせ先】
DX診断 for システムチーム dx.for.system@dentsu.co.jp