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“顧客体験”を軸に、DXは加速するNo.6

成果の出るDXに不可欠なマーケティング×システムの視点とは

2021/11/12

電通、電通国際情報サービス(ISID)、電通デジタルの3社は、2021年6月に理想の顧客体験を実現するためのマーケティングシステム実装を推進するソリューション「DX診断forシステム」(リリースはこちら)の提供を開始しました。

DX診断forシステム3社鼎談_図表1

これは、以下のような企業を対象として、自社DXの“現在地”を明らかにし、次の一歩につなげていく方法をマーケティング戦略とシステムの両面から診断、提示していくものです。

  • BtoC型のビジネスモデルで、顧客向けのデジタル施策や顧客データの活用に課題を感じている
  • 顧客接点となるチャネルはECサイト、アプリ、メール、コールセンター、店舗など
  • ある程度のシステム投資をしているが、システムの個別最適化が進んで全体像が不明確になっている

第3回記事では、本サービスが生まれた背景と内容についてお伝えしましたが、今回は開発を手掛けた電通の倉岡正和氏、ISIDの宗宮大輔氏、電通デジタルの齊藤寛樹氏が鼎談。DX推進にあたり、マーケティングとシステムを掛け合わせる重要性について語り合いました。

DX診断forシステム3社鼎談_リード下画像

電通:数多くの企業と事業戦略やマーケ戦略、ブランド戦略までを俯瞰したプロジェクトに取り組み、マーケティングに精通するだけでなく、クライアントのビジネスについても幅広い知見を持つ。

ISID:金融、製造、企業経営など幅広い領域で専門特化した業務のシステム構築実績を持つIT企業。マーケティング領域においても、電通グループならではの知見を強みとした、サービス/ソリューションを開発し提供している。

電通デジタル:デジタル広告とCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)を融合したサービスから始まり、現在では「人とデータ」を基点とした、企業のビジネスモデル変革や最適なマーケティングシステム・データ環境の提案など、デジタルが関わる全領域でサービスを提供。マーケティングの構想力と運用力、そして領域をまたいだ統合力を強みに、企業のDXをワンストップ体制で支援している。

目次
マーケティングとシステム、両方を知る3社が交ざり合って開発
DX加速で「まずツール導入」の罠。個別最適化が進むシステムの橋渡しができる診断に
スモールスタートからの段階的な改善が、マーケティングシステム構築のポイント
“企業ビジネス理解”ד豊富なシステム知見”のワンチーム対応が支えに! ファイターズスポーツ&エンターテイメント事例
改正個人情報保護法への対応やシステム未導入企業にも柔軟に対応したい

 

マーケティングとシステム、両方を知る3社が交ざり合って開発

──「DX診断 for システム」の開発における各社の役割を教えてください。

倉岡:電通は、クライアントがどんな事業・マーケティング戦略を持ち、そのために必要なシステムはどんなものかを、ビジネス寄りの視点で考える役割でした。日ごろからお取引があり、当社が事業やマーケティング戦略を理解できているクライアントであれば、社内のクライアント担当チームと連携しながら診断できることも強みです。

宗宮:ISIDは、プロジェクトマネージメントを含めてシステムの構築ができ、マーケティングソリューションにも精通している部分に評価をいただいています。トータルで関われるところがアドバンテージではありますが、今回の「DX診断 for システム」開発においては、マーケティングDXを実践するうえでのシステムデザインが主な役割でした。

齊藤:電通デジタルは、マーケティング施策のプランニングやAI・機械学習を用いたデータマネージメント領域 がメインの担当です。マーケティングシステムは作ったら終わりではなく、導入後に“always on”で運用していくことが非常に大切。アジャイル思考で、現状システムの状況を踏まえ、事業をいかに成長させていくのかの提案も含めて総合的に対応できるところが、当社の強みの一つでもあります。

宗宮:今回電通グループ3社で組んでいるメリットの一つは、各社が相互理解をしながら交ざり合って取り組める点です。この3社ですと、例えば齊藤さんはシステム・マーケティングの両方に精通しているし、倉岡さんはビジネス視点を軸としながらシステムにも詳しい。完全な分業ではなく、各自が診断に必要な知見を両方備えていて、分かり合えることがプラスに働いていると感じます。

DX診断forシステム3社鼎談_図表2

DX加速で「まずツール導入」の罠。個別最適化が進むシステムの橋渡しができる診断に

──開発にあたり、特に大事にした視点はどんなところですか?

倉岡:先ほど齊藤さんのお話にもあったように、マーケティングシステムは本来、導入後にブラッシュアップを重ねていくことが大切です。クライアントにとって本当にプラスになるのは、ビジネスにおいて成果が出るシステムですから。

そう考えると、マーケティング視点を抜きにしてシステムを診断しても、よい結果や提案にはつながりません。そこで、「DX診断 for システム」はクライアントの事業・マーケティング戦略を踏まえ、システムのPDCAを回していくことを前提として開発しました。

齊藤:もう一つの課題として、現在DXへの取り組みが加速する中で、まずはツールを導入することが目的になってしまっている企業が増えていることが挙げられます。そして各部署がそれぞれにツールを導入していった結果、個別最適化が発生し、分断が起こっている。A部署とB部署で同じ機能を持つ別々のシステムが導入され、後でデータの共有や、システム連携をしようとしても、ツールや仕様が異なるからできないといった状態ですね。その結果、顧客体験の提供に影響が及ぶことがあります。

宗宮:そこで、クライアントのマーケティング部門とシステム部門の双方が、診断を通してきちんと自社システムの状況を理解でき、納得できることが大事だと考えました。この2部門は、DXの重要性が増すにつれてそれぞれの専門性が高まる一方で、DXの推進・加速にあたっては組織の垣根が非常にあいまいになっている。診断を通して、部門間の橋渡しができるようなソリューションになることも大事にしました。

スモールスタートからの段階的な改善が、マーケティングシステム構築のポイント

──「DX診断 for システム」自体の強み・ポイントも開発の視点と同じところにあると考えてよいでしょうか。

倉岡:マーケティングとシステムの2つをバランスよく見て、顧客ごとの具体的な施策を提示できるところが優位性だと考えています。例えばこのソリューションでは、診断結果のアウトプットの一つとしてカスタマージャーニーを提示しています。

齊藤:カスタマージャーニー提示の目的としては、企業ごとの「顧客」つまり一般コンシューマーの目線に合わせ、彼らと最適なコミュニケーションを取れるシステムにしていくことがあります。そのために、クライアントの中で自社の「顧客」が何者かを共通化できる診断になっていることが大切だと考えました。
またPDCAを回していくという意味では、アジャイル型の思考を用いて、診断結果から次の施策の実行までを早急化する視点で考え、提示していることもポイントです。

宗宮:診断後のシステム開発面のアウトプットとして、スケジュール仮説を用意しているのですが、そこでもアジャイル思考の段階的な成長ステップを提案していますね。

DX診断forシステム3社鼎談_図表3DX診断forシステム3社鼎談_図表4

齊藤:マーケティング領域では次々と新しいツールが登場していますし、そもそも3年かけて計画を立て、やっと開発に着手するような基幹システムとは違います。進化するテクノロジーをどんどん取り込んで開発や改善を考える必要がありますから。

宗宮:そうですね。マーケティングシステムは、スモールスタートで顧客体験を作っていきながら、効果が出る部分を優先的に改善していくようなアプローチで効果があがっていきます。開発シナリオ上も、そういった“成長性”のようなものを大切にし、診断結果を出しています。

“企業ビジネス理解”ד豊富なシステム知見”のワンチーム対応が支えに! ファイターズスポーツ&エンターテイメント事例

──すでにファイターズスポーツ&エンターテイメントが同診断を受けられたと聞いています。その際の反応やフィードバックはいかがでしたか?

倉岡:ファイターズスポーツ&エンターテイメントさんの場合も、マーケティングの部門と情報システムの部門に診断を受けていただきました。診断を受けるきっかけになった課題感として、次のようなコメントを頂いています。

球団にとってファンクラブ、チケット販売、グッズ販売はビジネスにおいて重要な要素。それらを下支えするDMP(データマネージメントプラットフォーム)、BI(※1)ツールを5年前に導入しました。複数のデータベースにそれぞれデータを蓄積しながら、DMPに集約してきたものの、スピーディにPDCAを回すことを前提としたデータ管理、分析体系になっていないことに課題を感じていました。

具体的には、メール配信や分析をする際に、都度ローカルでデータをつなぎ合わせるといった運用をしていたことで、オペレーションが複雑化。人的なデータ加工作業リスクの発生、外部ベンダーへのデータ抽出依頼が発生し、非効率な状態に陥っていました(ファイターズスポーツ&エンターテイメントご担当者様)

「DX診断 for システム」を受けたことにより、2部門がこのシステムの客観的評価や“現在地”を知るきっかけにしていただけたようです。また、診断を通して得られた発見についてお聞きしたところ、次のようなプラスの評価を頂けました。

課題を抱えていたDMPによるデータ管理を中心にデータ活用状況についての客観的な評価を頂き、マーケティングシステムにおける当社の現在地を改めて認識することができました。
6つの診断結果を通して具体的なシステム改善案、開発ステップ仮説やおおまかな予算感、球団の将来を見据えたシステム構成像を頂いたことも今後の推進計画策定に役立ちました。球団、球団周辺のビジネスを理解している電通とシステム知見豊富なISIDがワンチームで対応してくれたので、助かりました。(ファイターズスポーツ&エンターテイメントご担当者様)

──電通が同社のビジネス戦略を理解していることについても言及されていますが、そのほかにこの事例でプラスになったと感じたことはありますか。

倉岡:システムを使ってお客さまにどんな顧客体験を提供するかが要ですから、そこはやはり診断を受けた両部門で詰めていく必要があります。先ほど話題に上がったカスタマージャーニーを併せて提示したことで、診断結果を双方により理解いただけたように感じています。

宗宮:システムの改修でも、途中で目的を見失い「リニューアルすることが大事」となるケースが多くあります。今回、診断結果の説明などを担当しましたが、「こういう顧客体験のためにする」という起点をぶらさずに進められたのがよかったのではないでしょうか。

※1 BI(ビジネスインテリジェンス)
ビジネス分析やデータツール、ベストプラクティスなどを組み合わせて、組織がよりデータに基づいた経営上の意思決定などをできるよう支援する手法や技術のこと。
 

改正個人情報保護法への対応やシステム未導入企業にも柔軟に対応したい

──今後の展望についてお聞かせください。

齊藤:グループとしては、Cookieフリー(※2)の流れを受けて、将来的に広告側のメガプラットフォーマーとの接続(データクリーンルーム※3)も踏まえたうえで診断を進めていけるようにしたいと考えています。そこをうまく組み合わせてマーケティングを考えられると、データの価値をさらに高め、クライアントにとっても有用なシステムにつながると思います。

倉岡:「DX診断 for システム」の診断対象に業界のくくりはありません。
最近はナショナル企業にもDX推進の専門組織が立ち上がっています。そういった組織のメンバーが自社のマーケティング基盤状況が分からないときや、2022年の4月に予定されている改正個人情報保護法の施行に伴いマーケティングシステムへの影響や制約に悩んでいる企業、またはこれからシステムを構築・導入したい、RFP(※4)作りをサポートしてほしいというケースももちろん受けられます。ぜひお気軽に相談ください。

※2 Cookieフリー
個人情報保護の観点から、ブラウザにWebサイトの閲覧履歴を保存する「クッキー(Cookie)」での情報の取得や利用が制限される動きのこと。
 
※3 データクリーンルーム
プライバシーを保護しながら、マーケティングの継続的なPDCAを実現させるデータ基盤。生活者個人を特定することなく、企業がデータの統合や分析のためにアクセスできる。
 
※4 RFP(Request for Proposal)
システム検討や導入の際、発注側がシステムベンダーや開発者に対して、システムの概要、必要な技術的要件やそのシステムで実現したい業務、納期などを示す「提案依頼書」のこと。
 
【お問い合わせ先】
DX診断 for システムチーム dx.for.system@dentsu.co.jp

 

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