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“顧客体験”を軸に、DXは加速するNo.5

2021/08/18

部署ごとのDX進捗度と課題を明確化し、ドライブをかける~「DX診断 for インターナル」活用事例~

電通は、これまで培ってきた“人”基点のマーケティングの知見を生かし、クライアントの顧客接点に関する領域のDX(デジタルトランスフォーメーション)化 を、「マーケティングDX」と定義して支援しています。

2020年9月には、「Dentsu Digital Transformation診断」(以下、DX診断)をリリース。これは、下記の各領域において企業や事業のDXがどのくらい進んでいるか、その“現在地”を明確にするものです。

DX診断
診断項目の一部。クラアイントのDXを多角的に分析するため、三つの視点と四つの領域で合計32項目からなる質問を用意。クライアントの回答からDX課題を数値化、診断する。

さらに、2021年7月には、上記DX診断の「④組織・業務変革」にフォーカスした「Dentsu Digital Transformation診断 for Internal Divisions」(以下、DX診断 for インターナル)をリリース。こちらの診断は、企業内の各部門の課題を相対的に可視化して把握することで、全社のDX推進意識を向上させ、ドライブをかけていくことを目的としています。

本記事では、前回に引き続き、ロート製薬のDX戦略デザイン本部・小杉明子氏に、電通トランスフォーメーション・プロデュース局の三浦旭彦氏がインタビュー。「DX診断 for インターナル」の概要と、本診断を実施したロート製薬の事例を紹介しながら、診断のメリットを伝えます。

DX診断


 

各部門の“埋もれたDX課題”の可視化を求め、診断の実施を決めた

三浦:「DX診断 for インターナル」を開発した背景としては、これまでさまざまな企業にDX領域のご支援をさせていただく中で、「社内でどの部門のDXが進んでいて、どこが進んでいないのかが把握できていない」「各部門レベルでDXをどう進めていけばよいのかが分からない」「DX推進の専門部署に所属しているが、他部門のDX推進意識がなかなか高まらない」といった声をたびたびお聞きしていたことが挙げられます。

そこで、DXに関して社内の各組織に関わる課題をより深掘りし、分析できるような診断(ツール)を新しく作りたいと考えました。実は、数年前からそのような形の診断にも取り組んでいたので、そのノウハウをもって、より多くの企業に対応できる診断(ツール)を設計しました。貴社が「DX診断 for インターナル」を実施しようと 考えたのはなぜでしょうか?

小杉:いくつか理由がありますが、何と言っても、まず全社的な「DX診断」を受けてみて、予想通りではありましたが、自社のDXが進んでいないことが要素分解されて可視化されたからです。「ロート製薬のDXとは何か」という着地点や、人・パワー・費用をかけていかなくてはならないポイントなどが定義されていないのが大きな課題だと実感しました。

また、部門ごとのばらつきも感じていました。私が「DX戦略デザイン本部」での業務を進める中で、課題が可視化されている部門からは相談がきますし、私たちも施策が検討できます。しかし、相談がこない部門もある。そこには課題が埋もれているのではないか、と思いました。

そこで、部門単位でのDX診断を希望しました。貴社は先に受けた「DX診断」で、しっかりとしたアルゴリズムで分析結果を出すスキームを有していると感じていたこともあり、ご相談したところ、タイミングよく「DX診断 for インターナル」をリリースされるとお聞きしたので、実施させていただくことにしました。

三浦:ありがとうございます。「DX診断 for インターナル」では、電通のDXコンサルのノウハウをもとに設計した、4領域/35問の設問に対し、クライアントの部署ごとに回答していただきます。そして、DXに関して組織としての傾向や各部署の状況を分析。診断結果として全体総括のレポートと、部署別のレポートをお渡しします。

全体総括レポートイメージ
DX診断for インターナル
部門別レポートイメージ
DX診断for インターナル

診断を実施するにあたり、各部門に質問票へ回答していただく必要がありましたが、みなさまにはどのようにして回答していただいたのでしょうか。

小杉:基本的には、各部門長に代表者として回答してもらいました。ただし、回答を考える際の条件として、各部門のリーダー職またはマネージャー職以上の役職者で、「自部門のDXがどのような状態か」を話し合い、向き合ってもらうように徹底しました。DX推進に関しては、トップからの号令もかかっているタイミングでしたので、ほとんどの部門で積極的に取り組んでもらえましたね。

私自身が「DX診断」を受けたときに、自社のDXの状況に向き合って回答を考え、気付きを得た経験を、各部門のリーダー職以上の人たちにも共有してほしい。そういった思いからの方法でしたが、狙いどおり、各部門内にDX推進の意識が浸透したと感じます。

部門によっては、診断を受けたことをきっかけに、所属メンバー全員でDXに関するディスカッションを自発的に行うなど、各メンバーが「自部門にとってのDXとは何か?」を考える機会をつくってくれました。

診断結果が出る前に、ネクストステップへの自走を始める部門も

三浦:質問票は、各部門の状況をより詳しく分析できるよう、フリーアンサーの設問も入れて設計しましたが、今回、多くの部門から詳しい回答をいただき、私も貴社内でのDX推進意識が非常に高まっていることを感じました。

小杉: 44もの部門に回答をお願いしたので、全部門が期限までに戻してくれるか不安な面もありましたが、結果的に全部門が期限までにきちんと答えてくれたことが、DX推進を担当するメンバーとして大変うれしかったですね。

「自部門のDXについてしっかり考えられてよかった」「質問票は一度回答をお戻ししますが、これから自部門のDXの状況を別途整理していこうと考えています」など、ポジティブな声も届いています。質問票に回答して終わりではなく、各部門がネクストステップを考えるきっかけになった手ごたえを強く感じました。

三浦:この診断は一つのきっかけづくりといいますか、スタート部分の後押しをするものだと考えています。まず重要なのは、自社のDXについてそれぞれの部門に考えていただくこと。それがまさに、「DX推進意識が全社的に根付いていない」といった課題を解決するためのきっかけになるアクションです。そういう意味で、診断を受けた後、各部門が自走して考え、動いてくださっているのは理想的な状況ですね。

小杉:実は、もう一つ副次的な効果がありました。質問票に「顧客体験」に関わる設問が出てきますが、部門によっては、その“顧客”が誰かをイメージしづらい場合があります。マーケティング部門であれば、業務の中で常にお客さまのことを考えていますが、経理や人事、総務など社内のサポート部門の“顧客”は、直接的には自社の社員となるわけです。

今回の診断を実施することで、日ごろ、自分たちの顧客は誰か、ということをあまり考える機会がなかった部門も、あらためて考えるきっかけになった、ともいえます。サポート部門は、社員に対してどういう価値提供ができるのかを考え、それは最終的に必ずお客さまへのいい影響につながります。当初はそこまでの影響を想像していなかったので、大きな収穫になりました。

三浦:DX推進にあたり、貴社では「お客さまをきちんと見る」ことをしっかりと掲げられていましたよね。今回の「DX診断for インターナル」を実施するにあたっても、全部門において例外はなし、という強い姿勢を感じました。だからこそ、診断の質問票でお客さまについて聞いていたことから、DX推進に向けてドライブがかかったのではないでしょうか。

小杉:DX推進のためのアクションとしては、今期は工場のライン業務に従事している社員も含めて全社員に、DXリテラシー講座を受講してもらいました。DXを進めるうえで、社員間の共通の言語とマインドセットをつくりながら、次のアクションにつなげていきたいと考えています。

自社のDXの課題や傾向に関わる因子が明確化、部門間の“競争意識”も後押しに

三浦:「DX診断 for インターナル」では、全体総括レポートの方は、全部門での領域別の取り組み状況や傾向を可視化し、DX推進・成果に影響がある取り組みを特定、課題領域の傾向を把握できるようにします。部署別レポートの方は、自部門・自部署の相対的なポジションの把握と、自部門・自部署が進んでいる、または遅れているDX領域が何か、を偏差値および評価スコア(S~C)で把握することが可能です。また、各部署のDX進捗度を全体順位と各部門内順位で算出し、DX意識醸成につなげます。今回の診断結果を見られたうえでの感想やご意見を、ぜひお聞かせください。

小杉:まず、領域ごとの結果を見たら、予想外の状況になっていて驚きました。DX化が進んでいると思っていた領域が平均値で、そこまで進められていないと思っていたところがずば抜けている。結果として受け止めつつ、診断のベースになるのが「自己評価」ということも考慮し、回答者がどのように判断をしたのかというところも含めて、考える材料をたくさんいただけたと考えています。

また、個別の結果もさることながら、全体の状況がきちんと可視化されたことが重要でした。当社のDXにおける大きな傾向として、いくつか特定の設問との相関関係があることも分かりました。その設問から、今後DXにドライブをかけるにあたっての必要最低限の条件が見えてきたので、部門ごとに「どこを進めるとよいか」が推測できるようになったのは良かったです。

三浦:ありがとうございます。目標に向けて力を入れるポイントや部門別の課題を可視化すること、部門ごとの現在地を明確にすることで、競争意識が芽生える点も、DX推進の一つのドライブになるのではないでしょうか。

われわれは、多くのお問い合わせにお応えして、電通のDX診断ソリューションをシリーズ化して強化しております。前回ご紹介させていただいた「DX診断」は、広く企業のDX課題を可視化するツールです。さらに、今回ご紹介させていただいた社内組織や業務に特化した、「DX診断 for インターナル」、システム領域に特化した「DX診断 for システム」も今年リリースしました。ご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

【お問い合わせ先】
マーケティングDX診断チーム info.dx@dentsu.co.jp

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