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“顧客体験”を軸に、DXは加速するNo.2

自社のDXの現在地は?足りないものは?DX診断で気づくこと

2021/02/03

電通は、企業のデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)課題をスコアリングして、市場・業界内でのポジションを把握し、課題に沿ったソリューションを提供する「Dentsu Digital Transformation診断」(以下、DX診断)のサービス提供を開始しました。
「Dentsu Digital Transformation診断」
顧客接点に関する領域を「マーケティングDX」と捉え、電通が独自に行った調査結果を元に、DX進捗度を偏差値によって測る診断ソリューション(リリースはこちら)。

今回は、DX診断の内容をご紹介。併せて、実際に診断を行った企業がどのような気づきを得たのかをお伝えします。

<目次>
診断を通して自社のマーケティングDXの現在地が把握できる
どのように診断する?具体的に何が分かるの?
診断を受けて気づいたこと
診断結果を踏まえて、マーケティングDXの実行をサポート

 

診断を通して自社のマーケティングDXの現在地が把握できる

コロナ禍の影響もあり、企業のDXが加速しています。しかし、DXといってもその範囲は広いため、どこにフォーカスしてDXを推進すればよいかを考えることが、効率的な推進のカギとなります。

電通は、これまで培ってきた“人”基点のマーケティングの知見を生かし、クライアントの顧客接点に関する領域を「マーケティングDX」と定義して、集中的に支援しています。

これからの企業やブランドにとって、競争力の源泉となるのは「顧客に提供する、独自の一貫したコト体験」です。この顧客体験の提供を可能にするためには、製品やサービスに対する顧客の反応をデータでトラッキングし施策を実行するためのシステムが必要です。そしてトラッキングしたデータを施策に落とし込める人材と、その施策を実行できる組織・業務設計が必要だと考えています。

そのためには次の四つの変革が必要です。
① 顧客体験変革:一貫した顧客体験(価値観)の設計
②システム変革:「コト」体験から得られる反応データの取得とマネジメント
③データと人材変革:反応データから顧客の状況察知とニーズ把握
④組織・業務変革:顧客体験への高速なフィードバック実行と検証の反復

DX診断

「顧客に提供する、独自の一貫したコト体験」による競争力強化を目指し、この四つの変革をバランス良く推進していくためには、まず、自社のマーケティングDXの現在地を把握することが欠かせません。そのために役立つのが、DX診断です。

どのように診断する?具体的に何が分かるの?

DX診断では、次のような項目を診断します。

①顧客体験変革
・顧客の生活の中で寄り沿う、新たな体験価値を提供できているか?
・顧客自らがデータを提供するような信頼関係を築けているか?

②システム変革
・顧客の生活の中で生成されるデータを取得する仕組みはあるか?
・提供する一貫した顧客体験に対する顧客満足度を取得する仕組みはあるか?

③データと人材変革
・データから顧客の状況察知やニーズ把握ができる仕組みと人材が確保されているか?
・データから得られた示唆から意思決定ができる文化が形成されているか?

④組織と業務変革
・示唆を施策に転換し、高速に実行と検証を反復する業務プロセスができているか?
・企業のバリューチェーンの幅広い組織にフィードバックできているか?

診断はアンケート形式で、上記の診断項目に、全体概要を聞く項目を加えた、計32個の質問を用意。自社の現状について選択式で回答していただきます。

Dentsu Digital Transformation診断
診断項目の一部。クラアイントのDXを多角的に分析するため、三つの視点と四つの領域で合計32項目からなる質問を用意。クライアントの回答からDX課題を数値化、診断する。

回答するためには、自社を俯瞰した目線が必要となるため、回答は、企業の役職者・責任者にお願いしています。

そして、電通オリジナルのロジックと独自のデータベースに基づき、回答いただいた企業が、市場や業界に比べて、どれくらい変革が進んでいるのか、あるいは、遅れているのかを
・ビジョン視点
・顧客志向性
・DX進捗度
という三つの視点から類型化。企業のDX診断タイプを導出するとともに、下図のような診断結果を提出します。

Dentsu Digital Transformation診断

診断表では、ビジョン性向、顧客志向性、DX進捗度に加え、システム変革、人材変革、業務変革についてもそれぞれ偏差値でお伝えします。この診断結果から、市場や業界における自社のマーケティングDXの進捗の度合いがわかることに加え、顧客志向性、システム、人材、業務といった四つの変革のうち、自社の中で相対的にどこが進んでいて、どこが遅れているのかも一目で把握できます。

診断を受けて気づいたこと

DX診断は、すでに多くの企業が利用しています。診断を通して、どんな気づきがあったのか少し紹介しましょう。

Case1:「自分たちの現在地が把握できた」
こちらは最もオーソドックスなケースですが、診断を受けたことで、
・自分たちの現在位置はどこか?
・どこが進んでいて、どこが進んでいないのか?
が明らかになったという声を頂いています。

ある金融会社からは、「顧客志向性が足りないと思っていたが、可視化されて確信を持てた」「DXに取り組んだつもりになっていたが、結果にはまだ表れていないということを、スコアを通して改めて認識した」という声を頂きました。

Case2:「部門間ギャップが把握できた」
複数部門を対象に、部門ごとに診断を受けた企業もありました。この企業は、診断によって、部門間のギャップが明らかになったとのこと。

ある食品メーカーでは、CEO、CMOを含むボードメンバーに診断を受けていただきましたが、「経営部門はDXの号令をかけ、実行できていたつもりが、事業部門ではそこまでの意識に達していなかった」「広告部門ではDXが推進できていなかった」というような声がありました。

Case3:「DX推進の軌道修正が必要だと分かった」
診断を受けたことにより、自社で推進しているマーケティングDXを軌道修正した企業もありました。

あるスポーツ用品メーカーは、診断結果から、顧客体験をおろそかかにしたまま施策を推進していたと自省され、その施策を含む領域全体の戦略レイヤーからわれわれと一緒に考えていくことになりました。

Case4:「軌道修正に向けた具体策を知ることができた」  
診断を受けた企業に対し、電通グループのサービスラインやソリューションも提案可能です。

顧客の継続率に悩む教育系企業がDX診断を行ったところ、顧客体験変革の領域に課題があり、適切な顧客体験の提供やロイヤルティー管理に改善の余地があると明らかになりました。電通のCRM領域のケイパビリティ ーをご紹介したところ、「来期のDX推進活動の提案をお願いします」との依頼を頂き、具体的な提案を行うことになりました。  

診断結果を踏まえて、マーケティングDXの実行をサポート   

診断を通して自社のマーケティングDXの現在地が把握できたら、改善すべき点や注力すべき点について、次のアクションを起こしていくことが大事です。電通グループの培ってきたアイデア、エグゼキューション、ネットワークは、マーケティング領域のあらゆる課題に対応しています。

・企画開発から運用までをワンストップでプロデュース
・CX(顧客体験)をデザインし、顧客との新しいコミュニケーションを提案
・オンラインとオフラインを統合した、マーケティングソリューションや広告最適化
・DXの変革に必要なソフトウエアの開発
・事業KGIから各KPIを構造的に設計・取得した上での分析実行
・AIなどテクノロジーを活用した、IoTプロダクトやサービスモデルの設計・デザイン  
・組織内のマネージメントサポート

診断結果を受けて、今後どのようにマーケティングDXを推進していくべきか。その具体的な提案も行い、企業をサポートしていきます。