「広告価値向上に取り組む」佐治JAA理事長が会見で表明
2014/03/03
日本アドバタイザーズ協会(JAA)は2月26日、第57回定時総会を開催し、2013年度の事業と収支報告、14年度の事業計画と予算案、役員選任などを審議、承認した。27日には、記者会見を東京・中央区の同協会会議室で開き、理事長をはじめ各委員会の委員長が14年度の活動方針、計画を説明した。
会見では初めに、佐治信忠理事長(サントリーホールディングス会長兼社長)が「昨年は、JAA3カ年計画に従い、広告効果測定指標の充実、有事のテレビCMの対応など、広告界の皆さまと協力して、広告の価値向上と広告活動の発展に取り組んできた。会員数も増え、協会活動基盤の強化も進んでいる。本年も、広告界、会員社の皆さまとの対話を深め、広告活動を盛り上げていきたい」とあいさつ。続いて、各委員長が活動方針を述べた。
新聞委員会の上川内利博委員長(パナソニックブランドコミュニケーション本部宣伝・スポンサーシップグループアドメディアセンター所長)は、効果測定環境のさらなる充実、新聞広告を効果的に活用するための事例研究と情報提供、新聞電子版の広告に関する研究、日本新聞協会との共催セミナーの開催などを表明した。電波委員会の髙橋健三郎委員長(味の素理事広告部長)は、テレビメディアのより効率的な使い方の研究を進めるとし、エルダー層の出現など新しい切り口でのBSデジタル放送やラジオの勉強会、テレビメディアの使い方に関する知見の共有、CM素材オンライン送稿、字幕CMなどの取り組みに意欲を示した。また、ラジオの魅力、聴取者の分析などをアドバタイザー間で共有する勉強会の実施などにも言及した。
SP広告委員会の久保田和昌委員長(サントリービジネスエキスパート常務取締役宣伝・デザイン本部長兼宣伝部長)は、交通、屋外広告に焦点を当て、交通広告のデータの一元化、共通指標確立に向けた検討に注力する考えを示した。屋外広告については、データ整備に向けた調査研究、広告媒体として拡大が進むデジタルサイネージやプロジェクションマッピングの勉強会の実施などの計画を説明した。
また、法務・著作権委員会の松田清委員長(東芝営業統括部広告部部長)は、CM著作権の帰属に関する研究、広告法規順守に関する啓発活動、音楽著作物の使用料に関する協議をポイントとして挙げた。また、消費者委員会の吉田勝彦委員長(第一三共ヘルスケア取締役常務執行役員経営企画部長)は、広告コミュニケーションの環境変化を背景に、表彰事業「消費者のためになった広告コンクール」の実施を14年度は見送り、委員会内にワーキンググループを設置して事業を見直すと報告した。
藤川達夫専務理事は、雑誌委員会、デジタルメディア委員会の活動を報告。雑誌委員会は「雑誌とアドバタイザーの距離を縮めよう」をテーマに掲げた雑誌社の編集長や広告会社クリエーターらを招いたセミナーなどの実施、効果測定手法の研究、オンライン送稿など雑誌広告業務の効率化に向けた取り組みを説明。デジタルメディア委員会は、モバイルを活用した広告手段の研究やビッグデータの活用などに取り組むとした。
最後に、委員会共通の方針として、JAA3カ年計画(①デジタル、ソーシャルの対応②広告活動の説明力向上③人材の育成、知見の共有④リーダーシップの発揮)の2年目に当たり、会員の声を基に課題解決、知見共有、活動基盤の強化に取り組む姿勢を強調した。