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電通グループが「スタートアップフレンドリースコアリング」で2位を獲得。
経団連主催のサミットにて登壇

2024/06/19

    電通グループは、日本経済団体連合会(経団連)が主催する「第2回 スタートアップフレンドリースコアリング」において2位にランキングされた。同スコアリングは、スタートアップエコシステムの発展に取り組む優れた企業を選出するもので、国内大企業約150社が参加した。

    経団連は2022年3月の提言「スタートアップ躍進ビジョン」において、27年までに、スタートアップを量・質ともに10倍にする「10X10X」を掲げ、ここで掲げた目標および施策は、政府の「スタートアップ育成5か年計画」などにも反映されており、官民挙げて「10X10X」のための施策が集中的に展開されている現状にある。

    このような中で、とりわけ大企業においては、スタートアップエコシステムの重要な一員としてスタートアップの成長に貢献し、その活力を取り込んで共に成長していくことが求められている。スタートアップエコシステムの成長に向けた大企業の行動変容を図るという目的のもと、大企業ごとの取り組みの現在値を評価し、各社ごとの取り組みを改善していくために、各社がスタートアップにどれだけフレンドリーか、あるいはエコシステムにおいてどれだけ重要な役割を果たしているかを可視化する仕組みとして、同スコアリングが22年度より開始された。

    今回、初参加となる電通グループは、「スタートアップへのリソース提供」「スタートアップの取り込みによる次世代の本業作り」「事業・人材の輩出によるスタートアップエコシステムへの貢献」の3つの評価軸のうち、特に「スタートアップへのリソース提供」の領域における「スタートアップとの業務提携」「人材の提供」に関する取り組みが高く評価され、第2位となった。

    <2023年度ランキング>
    1 KDDI
    2 電通グループ
    3 DeNA
    4 BIPROGY
    5 三菱地所
    6 TOPPAN
    7 MUFG
    8 日本生命
    9 東京海上
    10 ANA

    この結果は、5月27日開催の「経団連Startup Summit 2024」で公表された。本サミットでは、第2回のスコアリング結果のほかに、経団連のスタートアップ施策の効果と課題を振り返る「レビューブック」の説明や、参加者によるネットワーキング、大企業×スタートアップによるスコアリングに関するプレゼンテーションなどが行われた。

    はじめに、第2回スコアリング結果のふり返りについて、早稲田大学大学院経営管理研究科から入山章栄教授と、経団連スタートアップ委員長を務めるKDDI髙橋誠社長が登壇。入山教授からは、ヨーロッパにおける大手企業とスタートアップとの取り組みの紹介とともに、アメリカモデルだけではなく、ヨーロッパモデルを参考とした取り組みの重要性が説かれた。高橋スタートアップ委員長からは、本スコアリング結果や他社の事例を参考にしながら、自社の取り組みを強化していくことの重要性が述べられた。

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    (左から)早稲田大学大学院 入山章栄教授、KDDI髙橋誠社長(経団連スタートアップ委員長)
    写真提供:経団連

    スタートアップ政策のレビューと今後の課題の説明では、経済産業省 岩田 和親副大臣と、経団連スタートアップ委員長を務めるDeNA南場 智子会長が登壇し、スタートアップ政策に関する進捗レビューの発表と、今後の課題についての意見交換がおこなわれた。

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    (左から)DeNA南場 智子会長、経済産業省 岩田 和親副大臣 
    写真提供:経団連

    大企業×スタートアップによるプレゼンテーションでは、塩野義製薬×ピクシーダストテクノロジーズ、三菱UFJ銀行×SkyDriveなどの大企業とスタートアップがそれぞれ登壇した。電通からは、スタートアップグロースパートナーズ 局長の山本初直氏が登壇し、ユーザベース Co-CEO/共同創業者 の稲垣裕介氏、NewsPicks Studios CEOの金泉 俊輔氏、とともに、電通グループとスタートアップとの連携事例を紹介した。 

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    (左から)電通 山本氏、NewsPicks Studios 金泉氏、ユーザベース 稲垣氏
     
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    2015年に電通グループは、国内外のスタートアップへの出資・支援を行うコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)である電通ベンチャーズを設立。前身のファンドを含めるとこれまでに組成したファンド総額は300億円を超える。CVCだけでなく、事業成長にも貢献するために発足された組織についても紹介された。
    写真提供:経団連

    山本氏からは、電通グループのCVCである電通ベンチャーズと並び、スタートアップ対応する専門組織「スタートアップグロースパートナーズ(SGP)」についても紹介がされた。SGPは、2022年に電通の事業部門に発足されたもので、これまでのCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)からの投資だけでなく、グロースパートナーとして、広告マーケティング領域支援だけでなく、大企業とのオープンイノベーション支援、IRコミュニケーション支援、採用ブランディング支援など、CXOの課題解決のため、統合的なソリューションを提供していることを説明。「SGP発足により、電通グループは投資×グロース一体型でスタートアップの成長に伴走することを目指している」とした。

    先行事例となるスタートアップとの取り組みとしてNewsPicks Studiosが紹介された。ユーザベースと電通の出資で設立されたジョイントベンチャーで、電通からもクリエイターやビジネスプロデューサーが在籍。コンテンツ企画や大企業アライアンス領域を電通と推進している。稲垣氏は、「スタートアップの成長のためには大企業との連携が重要。スタートアップの新規性と大企業の信頼性を組み合わせることで、提供価値が広がり、売り上げ成長につながる」とし、「スタートアップの皆さんにとって、一つのロールモデルとなることができたなと思っております」と締めくくった。

    22年度より開始された同スコアリングでは、グローバル水準で時価総額・スタートアップとの連携がトップレベルの企業を総合評価Aと定め、継続的な大手企業全体の取り組みのレベルアップを促すことを目的とされており、電通グループは、今後もスタートアップとグループ各社の連携をさらに強化し、両者の事業成長を通して、日本のスタートアップエコシステムの発展に貢献を目指すとしている。


    【電通グループ内スタートアップ出資・連携組織】
    ・電通 スタートアップグロースパートナーズ
    スタートアップの中長期的な成長への伴走を専門とする(株)電通社内組織
    https://dentsu-sgp.com/

    ・電通ベンチャーズ
    スタートアップへの出資・ハンズオン支援を実施する電通グループのコーポレート・ベンチャー・キャピタル
    https://dentsu-v.com/

    ・電通イノベーションイニシアティブ(電通グループ内)
    スタートアップとの共創により未来の事業基盤の創造に取り組む電通グループのR&D組織
    https://innovation.dentsu.com/

    ・起業準備室(電通コーポレートワン内)
    様々なパートナーと連携し、イノベーティブな事業・サービスを生み出すべく連続起業を支援・推進するdentsu Japanの組織

    【その他】
    ・NewsPicks Studios
    動画を中心としたポストテキストコンテンツの企画制作・プロデュースを目的に、当時ニューズピックス社(現ユーザベース社)と電通で2018年6月に設立した合弁会社。
    https://studios.newspicks.com/

    ・ NewsPicks
    NewsPicks編集部が作成するオリジナル記事など国内外100以上のメディアのニュースを配信するソーシャル経済メディア
    https://newspicks.com/about/

    経団連のスタートアップ振興の取り組みについてはこちら
    https://www.keidanren.or.jp/policy/StartUp.html