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Pinterestのクリエイティブフレーム「4C」とは?

アンダーソン・ジョン

アンダーソン・ジョン

ピンタレスト・ジャパン合同株式会社

宮城 拓実

宮城 拓実

株式会社 電通デジタル

Pinterestは、単にビジュアルを楽しむための場ではありません。ユーザーが「これからやりたいこと」や「欲しいもの」を思い描きながら、自ら探し、保存し、行動につなげていく。そうした能動的な使われ方に、他のプラットフォームにはない特徴があります。

Pinterestで成果につながるクリエイティブはどのように設計すればいいのか。今回は、ピンタレスト・ジャパン 代理店パートナーシップ推進部長のアンダーソン・ジョン氏と、電通デジタルでPinterest向けクリエイティブ制作を手がける宮城拓実氏をゲストに迎えました。両氏が、Pinterest公式のクリエイティブフレーム「4C」と、過去の6年間で88%の的中率を誇るトレンド予測レポート「Pinterest Predicts™」を手がかりに、その実践のヒントをひもときます。

未来のアイデアを探索する。ビジュアルサーチのプラットフォーム

宮城:まずは自己紹介から。前職はインフルエンサーマーケティングの会社で企画やキャスティングに携わってきました。電通デジタル入社後はソーシャルメディアマーケティングなどを展開する部署に入り、SNSを起点にしたコミュニケーション企画やコピーライティングを担当しています。

Pinterestとの取り組みでは、ピンタレスト・ジャパンと電通デジタルの「クリエイティブサポートプログラム」の企画制作を担当しています。認知や興味喚起といった目的に応じて、Pinterestで配信する動画や静止画の企画・制作を行っています。

ジョン:ピンタレスト・ジャパンで、日本および海外の大手代理店との戦略的パートナーシップの構築と、共同での事業成長の推進を図っています。国内電通グループの皆さんがクライアントにPinterestを提案しやすくするための仕組みづくりを担当しています。

宮城:今回のテーマに入る前提として、まずはPinterestがどんな特徴を持つプラットフォームなのかを改めて教えてください。

ジョン:Pinterestは、ひと言でいうと「ビジュアル探索のプラットフォーム」です。ユーザーが何かをビジュアルで探し、気になるものを保存し、それをきっかけにまた探索する。そのループの中で自身の考えが少しずつ具体化し、最終的には購入や来店、イベントの企画といった行動につながっていきます。

宮城:ユーザーが受け身で情報を見るというより、自分から探しに来ているのが大きな特徴ですよね。

ジョン:まさにそうです。ほかのプラットフォームでは流れてくる情報を受け取る使い方が中心になりやすいですが、Pinterestでは「夏の旅行を考えたい」「冬のパーティのアイデアを探したい」といったように、これからやりたいことを能動的に探します。過去に起きたことや今起こっていることを探すというよりも、ちょっと先の未来のアイデアを探すために使われているプラットフォームなんです。

 

宮城:しかも、まだ言葉にはしきれないイメージを探していることも多いですよね。自分の部屋に合うものや、自分らしいスタイルを探索しながら少しずつ形にしていく場でもあると思います。

ジョン:そうですね。だからこそ広告もユーザーの行動を邪魔するものではなく、コンテンツの一つとして受け取られやすいんです。比較的ゆっくり見てもらえるメディアなので、広告で伝えられる情報量が多い。クリエイターにとっても広告主にとっても、表現の余地が大きいプラットフォームだと思います。

宮城:活用の多いジャンルでいうと、ファッション、美容、コスメ、旅行、家具、家電、エンタメあたりは親和性が高いですし、最近は通信、自動車、金融などの業界でも活用が広がってきています。そこで非常に重要になるのが、Pinterestという場に合ったクリエイティブのつくり方です。その考え方を整理したものが、今回ご紹介する「4C」です。

成果につながる表現はどう設計する?Pinterest「4C」をひもとく

宮城:Pinterestでは、効果的なクリエイティブを生み出すためのフレームとして「4C」(Context/Content/Craft/Color)を提唱しています。改めて「4C」を簡単に説明していただけますか?

ジョン:先ほど述べたように、Pinterestには、ユーザーが能動的に探し、保存し、比較的ゆっくりコンテンツを見るという特徴があります。そうした使われ方を前提にすると、どんな見せ方が合うのか、どんな情報の置き方がよいのか、どんな色使いや表現が効果的なのかが見えてきます。それを整理したものが「4C」です。初めてPinterestを活用する広告主の方にも、設計のポイントが分かりやすいフレームだと思います。

 

宮城:それぞれのポイントを教えてください。まずはContextについて。

ジョン:Contextで大切なのは、広告をコンテンツの一部として捉えることです。Pinterestのフィードには複数のピン(他ユーザー、クリエイター、企業などが投稿したビジュアルイメージ)が並び、その中に広告も自然に入ってきます。ユーザーは新しいアイデアや発見を求めて使っているので、その文脈に沿った広告であれば受け入れられやすくなります。

 

宮城:私も、クリエイティブを考えるときはまずContextを強く意識しています。Pinterestも縦に画面をスクロールしていくSNSの一つなので、その中でどうやって指を止めてもらうかが重要です。例えば、普段の画面の流れをあえて崩すような表現をすることで、目に留まる瞬間をつくってから、伝えたいメッセージにつなげていく。そのような工夫を心がけるようにしています。実際に、そこを丁寧に設計したものは良い反応につながりやすかった印象があります。

ジョン:次のContentは、何をどう見せるかです。Pinterestでも最初の1〜2秒で伝えることは大切なので、ロゴや商品など認知に必要な要素は早い段階でしっかり見せたほうがいいです。さらに、Pinterestは何かを探し、発見するために使われる場なので、完成形を先に見せる方法も有効です。例えばレシピやインテリアなら、まず「こうなるんだ」が分かり、その後に過程やストーリーを見せていく手法とは相性がいいですね。

Craftは、表現のつくり込みです。ビジュアルサーチのプラットフォームなので画像や映像が中心ですが、コピーも重要です。メインビジュアルを邪魔しない位置に必要な言葉を添えることで、伝わり方が大きく変わります。

宮城:特に静止画やカルーセル画像では、コピーの役割が大きいですね。Pinterestのカルーセルは見せ始める位置を工夫できるので、どこに注目してほしいのか、この先に何があるのかを、キャッチコピーや構成で示していく必要があります。順番に読んでもらう道筋をつくるという意味でも、コピーやデザインの力は欠かせません。

ジョン:最後のColorですが、これは単純に明るい色がよい、暗い色がよいという話ではありません。大切なのは全体のバランスやコントラストです。ビジュアルと文字がきちんと見やすく、魅力的なコンテンツとして成立しているか。そこを丁寧に考える必要があります。ビジュアルの色とコピーの色、その組み合わせまで含めて設計できると、より完成度の高いクリエイティブになります。

宮城:4Cはどれか一つだけを見るものではなく、全部がつながっていますよね。Pinterestという場の文脈を理解することが、結果的に他の要素も生かすことにつながると思っています。


過去6年間でトレンド的中率は88%!「Pinterest Predicts™」が示す未来の兆し

宮城:ここまで、Pinterestで効くクリエイティブを生み出すフレームとして「4C」を紹介しました。一方で、クリエイティブを考える上では、今、世の中にどんな空気が生まれていて、これから何が広がっていくのかも気になりますよね。そうした発想のヒントになるのが、「Pinterest Predicts™」です。まず、これはどういったものなのかを教えてください。

ジョン:「Pinterest Predicts™」は、正式には「Pinterest Predicts™ - Pinterest トレンド予測」といい、Pinterestが毎年発表している「まだトレンドになっていないトレンド」をまとめたレポートです。数十億件に及ぶPinterestでの検索とPinterestユーザーが反応したビジュアルコンテンツを分析します。弊社のトレンドエキスパートが、機械学習を活用して、データインサイトと実際の観察結果を組み合わせて、パターンを見つけ出します。そして外部のパートナーと協力して、包括性が保たれているか、世界的に訴求力があるかを確認します。

最後に、予測分析と Pinterest のエンゲージメントシグナルを組み合わせて、トレンドの成長力を評価します。レポートの公開後、トレンドをモニタリングして、成長を持続する力を持ったトレンドを特定できたかを検証します。Pinterestのトレンド予測は過去6年間、88%的中しています(※)。

※Pinterest内部の検索データ。Pinterest Predicts™ 2025関連の全世界の検索数。2024年8月~2025年7月と2023年8月~2024年7月を比較。2024年8月~2025年7月の検索数を標準化し、2023年8月~2024年7月の数量と比較して変化率を算出。
 

宮城:かなり高い精度ですよね。予測の対象になるのは、どういったジャンルが多いのでしょうか。

ジョン:旅行、ファッション、インテリア、ビューティ、デザイン、食など、Pinterestで日常的に探索されているテーマが中心です。翌年にはやる色の予測もありますね。検索数だけでなく、実際にどれだけ保存されているか、自分のアイデアとしてストックされているかまで見ています。そこを機械学習と人の視点の両方で読み解くことで、精度の高い予測につながっているのだと思います。

また、先ほども申し上げたように、Pinterestではユーザーが過去や今よりも、“これからのこと”を検索する傾向にあります。来月行きたい場所や、これから欲しいものを探している。未来の行動を前提に使われているからこそ、トレンドの兆しが早い段階で見えてくるんです。

宮城:Pinterest Predicts™の2026年版、私もかなり面白く読ませてもらいました。特に「Poetcore(詩人スタイル)」の項目は印象的でした。ファッション業界ではストリートからクラシックへの回帰が注目されていますが、ファッション感度の高い人からリスペクトを集めるラグジュアリーブランドの最近の方向性によく似ていて、そうした空気感がトレンドとして見えているのが興味深かったですね。

ジョン:ファッションのように、世の中の変化の兆しがいち早く表れるジャンルとは特に相性が良いと思います。

「Pinterest Predicts™」2026年版を紹介したボード。トレンドとして、グミタッチ、ネイチャームード、カーキ・コード、詩人スタイル、キャベツブームなどがある。詳しいレポートはこちら

 

宮城:そうですね。あとは「アシメ・ビューティ」のように、クラシカルと装飾性が混在しているような雰囲気も今っぽいと感じました。Pinterestには感度の高いユーザーが多く、その変化が早めに表れているのだと思います。

アシメ・ビューティ:完璧じゃない美しさが、2026年の主流に。Z世代とミレニアル世代は、アシメネイルやツートーンのリップやアイメイクなど、あえて「ずらす」ことで、個性を輝かせると予測。

 

ジョン:「Pinterest Predicts™」はグローバルのデータをもとにしているので、そのまま日本のトレンドに当てはまるとは限りませんが、今はまだ日本で顕在化していなくても、海外でこういう兆しが出ているのなら、これから波及してくるかもしれません。グローバルのトレンドからインスピレーションを得る使い方は十分できると思います。実際に当社では「Pinterest Predicts™」のトレンドを活用したスポンサーシップのパッケージも用意しており、さまざまな企業にご活用いただいています。

宮城:企業の活用という意味では、「Pinterest Predicts™」を見て「このトレンドが来るからこの表現にしよう」と使うというより、もう少し大きな時代の空気をつかむヒントとして見るのがよさそうですね。トレンドを表面的に追うだけではなく、その背景にある感情や価値観まで読む。そこまで捉えられると、広告表現の考え方も変わってくると思います。今の生活者がどんな空気の中にいて、どんなものに引かれているのか。その感覚をつかむための入り口としてPinterest Predicts™は有効だと思います。

ジョン:そうですね。自社商品と明確に相性のいいトレンドがあれば、プロモーションに直接活用することもできます。自分たちにとってどの視点が使えるのかを見極めることが大事だと思います。Pinterestというプラットフォームの文脈と組み合わせれば、より相性のよい使い方が見えてくると思います。

Pinterest


まだ正解が決まっていないから面白い。Pinterest表現のこれから

宮城:最後に、「Pinterestで効くクリエイティブとは何か」というテーマでお話しできればと思います。

ジョン:やはり一番大事なのは、Contextの理解です。ユーザーがどんなマインドセットで、どんなタイミングに、どんな用途でPinterestを使っているのか。そこを理解することが、「効くクリエイティブ」の出発点になります。

Pinterestのユーザーは、受動的に眺めているというより、自分が欲しいものや、なりたい自分、これからやりたいことを能動的に探しに来ています。しかも、Pinterestでは検索というより「探索」に近い行動も多い。最初から明確な答えを求めるのではなく、いろいろ見ながら、自分に合うものを見つけていく。その文脈を踏まえてクリエイティブをつくることが大切です。

宮城:Pinterestでは、一定の横幅で画像が並ぶ中で生まれるユーザーの“見慣れたサイズ感”を、あえて少し崩すことが、効くクリエイティブにつながりやすいと感じています。Pinterestは2列でさまざまなサイズの画像が並び、その中に広告が入ってきます。この見え方自体が他のSNSとは少し違うので、その特徴をうまく生かせると、自然とPinterestならではの静止画や動画になっていくんです。結果として、見たことのない表現になるし、それが面白さにも、効果にもつながっていく。そんな手応えがあります。

実際、ある広告を制作したときは、国内で歴代トップクラスのエンゲージメントにつながったと伺っています。従来の広告枠を少し崩すような見せ方や、カルーセルでどうスワイプしたくなるかといった動線を意識してつくったものでした。

 

ジョン:フォーマットをただ使うのではなく、その中でどうやって新しい体験を設計するかが重要だったわけですね。

宮城:そうですね。特に印象に残っているのは、キャラクターが広告の中に転がり込んでくるような見せ方をしたところ、Xでもスクリーンショット付きで拡散されて、「かわいい」といった反応が広がりました。広告でありながら、ユーザーが自発的に反応して広げてくれたことがうれしかったです。

ジョン:それはまさに、広告がコンテンツとして受け入れられている状態ですよね。

宮城:特に感度の高いユーザーに向けては、いかにもマーケティングですという見せ方をすると離れられてしまう一方で、ちゃんとつくれば楽しんでもらえるし、よい表現として受け止めてもらえる。その距離感がすごく面白いなと思っています。

ジョン:今後の可能性という意味でも、ファッション、インテリア、旅行だけではなく、もっといろいろな業種に広がっていく余地はありますよね。まだ活用していない商品・サービスにもフィットする場面は多いと思います。

宮城:そうですね。まだ大規模なプラットフォームではないからこそ、独自の空気感が育っている面もあると思いますし、その中でスマホの中でも少しリッチな体験をつくれる。そこはクリエイティブの立場から見てもかなり魅力的です。まだ見つけきれていないやり方もたくさんあるはずなので、これからも新しい表現を探っていけたらと思っています。

ジョン:Pinterestとしても、ポジティブなスペースであり続けることを大事にしながら成長していきたいと思っています。その中で広告も、ユーザーにとって価値のある発見の一部になっていけばうれしいですね。

宮城:広告を届ける場であると同時に、発見を生む場でもある。Pinterestのクリエイティブは、その両方を成立させられる可能性があると思います。これからの広がりにも期待しています!

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アンダーソン・ジョン

アンダーソン・ジョン

ピンタレスト・ジャパン合同株式会社

代理店パートナーシップ推進部長

2025年にピンタレスト・ジャパンへ入社し、日本および海外の大手代理店との戦略的パートナーシップの構築と、共同での事業成長の推進を担う。前職のTwitch Japanではプラットフォーマーとして営業組織の統括や、LinkedInでクライアントソリューションの責任者として従事。米国では、デジタル広告の営業、動画・ゲーム・ウェブサイトのブランデッドコンテンツ制作でプロデュース業務を行った。

宮城 拓実

宮城 拓実

株式会社 電通デジタル

ソーシャルエンゲージメントデザイン部門

プランナー/コピーライター

インフルエンサーマーケティングの専業代理店にて、キャスティングおよびプランニングに従事。その後、電通デジタルに入社し、現職。SNSファーストのコミュニケーションプランニングやコピーライティングを得意とする。収入の多くを洋服に費やしがち。

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