「新聞離れ」を食い止める、地方紙発のチャレンジ!
新聞を楽しく学べる「おもしろしんぶん館」が大人気
2014/11/04
新潟日報社が黒埼本社(新潟市西区)に開設した印刷工場見学施設「おもしろしんぶん館」が好調だ。完全予約制にもかかわらず、入場者は9月24日のオープンから1カ月で当初想定の1500人を突破。小学校高学年の社会科見学などに加え高齢者層の見学者が相次ぎ、今後の予約も順調に推移しているという。
新潟日報社は、デジタルメディア隆盛を背景とする新聞の購読者数減少の打開策として、“未来読者”の小学生をメーンターゲットに「新聞価値」を伝える拠点づくりを企画。おもしろしんぶん館は、文科省指導要綱に準拠し、子どものうちから新聞に親しみを持つ機会を積極的につくり出すことを目的に、既存の新聞印刷工場の中に整備した。
館内は、新聞印刷に使う4色(シアン、イエロー、マゼンタ、クロ)に分かれた四つのフロアで構成。トリックアートやプロジェクションマッピングのコーナーなども設けている。見学の所要は約1時間。一筆書きのような動線のコースを歩くことで、新聞のさまざまな側面に触れ、体験ができる仕組みになっている。
エントランスでは、まるで新聞の中に入ったかのような空間が出迎える。見学コース最初のシアンのフロアのテーマは「新聞づくりのひみつ」。新聞が家庭に届くまでのポイントをパネルで説明し、記者が実際にニュース現場で書いた取材メモも公開している。続くイエローの「新潟日報のひみつ」フロアでは、展覧会やキャンペーンなど新聞づくり以外の新潟日報の多岐にわたる活動をアピール。「どきどき!しんぶんシアター」では対話型ではプロジェクションマッピングで新聞のひみつを楽しく学べる。マゼンタでは「印刷のひみつ」フロアとして、制作された紙面データを受け取り、新聞に仕上げるまでのプロセスを紹介。パネルに加え、巨大な動く壁画、ロール紙の実物大模型、自動搬送機車AGVの模型なども設けている。廊下にはトリックアートが仕込まれ、見学者を驚かせている。コース最後のクロ「印刷工場見学&体験コーナー」では最新鋭の高速輪転機によるリアルな印刷現場を披露。本物ならではの音やにおいを体感できる。ハンズオンコーナーでは実際に印刷体験が楽しみながら学べる。