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電通スマプラNo.14

スマホで最大公約数的な旅をやめてみよう。

(trippiece×電通スマプラ)

2015/04/09

こんにちは、電通スマプラの小林達仁です。
スマートフォンの普及が加速化し、あらゆるものがすさまじいスピードで変化している中、今回、電通スマプラでは「旅行」という分野を取り上げてみたいと思います。
スマートフォンによって旅行はどのように進化を遂げていくのか。電通スマプラの青木宙也と共に、「シェアトリップ=みんなで行くから楽しい」がコンセプトのソーシャル旅行サービス「trippiece(トリッピース)」の石田言行代表と長嶋太陽さんにお話を伺いました。

左から長嶋さん、石田さん、小林、青木
左から長嶋さん、石田さん、小林、青木
★trippieceとは•••
「こういう旅行がしたいけど既存のツアーにはない」「自作の旅行プランを通じて気の合う仲間を見つけたい」という思いを持った人たち同士の “共体験” を生むソーシャルサービス。行ってみたい旅のイメージを共有し、それに興味を持った人たちみんなで旅をつくり、そのみんなで実際に旅に出ることができる。登録者は約18万人(2015年4月現在)。
trippiece_logo

ITを利便性だけで終わらせたくない

 

小林:trippieceのサービスは、どのような思いで作られているのですか?

石田:ITを、利便性の高いサービスで終わらせることだけは嫌だと思っているんです。ITの普及で物事はすごく便利になったんですが、それだけでいいかというと僕は違うと思っていて。
ITによって、日常にどんな変化があって、さらに単純に「楽しい」という感情が社会的にどれだけ高まったか、というところまでが大事で、それを旅行という領域でやりたいと思っています。

青木:今までのパソコンベースの時代では、利便性が中心だったと思いますが、今のスマートフォンベースの世の中では、そこから脱却して違う文脈を持ったサービスが多いですよね。どれだけワクワクさせられるか、そこにより力点が置かれ始めているなと感じます。

石田:インターネットは商品・サービスと人の距離を縮めるし、決済もノンストップです。よりシンプルに、より流通などの中間コストを削っていくべきかということは、一種の真理ですし、ITの特徴として生かせばいいと思っています。

小林:でも、それだけではないということですね。

石田:そうです。それだけではみんなの日常が豊かにならないし、景気も社会も上向かないと考えています。旅行という皆を楽しくする産業とITに両足を突っ込んでいる企業として、そこにチャレンジすべく、取り組んでいます。

石田さん

コモディティー化している日常に、非日常を

 

小林:trippieceのメーンユーザーは、20代後半〜30代前半とお聞きしました。なぜこの人たちがサービスを利用しているのでしょうか?

石田:答えはシンプルに2つです。
1つは社会人になると旅行へ行くコミュニティーが狭まりやすいことです。周りが結婚し始めたりして、一緒に旅行に行く人が少なくなるんですよね。 もう1つは、生活がルーティンなものになりやすくなることです。月曜から金曜まで働いて、花金で飲んで、土曜の昼に起きて、遊びに行って、日曜はゆっくりする、そんな決まりきった生活に陥りやすいなと。

小林:確かに。僕も実感があります。

石田:そこで、何かやりたいけど場がない、コミュニティーがない、そういう人たちのニーズに応え手助けする形で、20代後半から30代前半がメーンユーザになっていると考えられます。中でも面白いなと感じたのは、日曜の利用が比較的多いんです。翌日の仕事からの現実逃避をしているのかもしれませんね。

青木:そんな時にスマートフォンで簡単に楽しい行きたい旅行に出会えたら、それはすごく心動かされますよね。

石田:そうなんです。そもそもの前提としても心を動かすためにtrippieceは写真を比較的大きく扱っていて、まず旅行体験をイメージさせること、旅行に行きたいという思いを喚起させることを大事に考えていますし、スマートフォンページに関しては、特に見て楽しいかどうかを追求しています。
ですので、企画のタイトルは、極力余計な情報は入れていません。価格をいきなり提示すると、旅行体験ではなく、旅行商品になってしまいます。あくまでtrippieceは旅行に出合うプラットフォームであり、旅行との新しい出合い、非日常を届ける場なんです。

小林:スマプラでは、スマートフォンを人のキモチと直結した指の動きを受けるデバイスと捉えて、「キモチ・デバイス」、いわゆる情緒メディアと呼んでいるのですが、trippieceの使われ方は、まさに感情とリンクしているなと感じました。面白いですね。

インタビュー風景

深層心理の旅行のニーズは、スマートフォンがあぶりだす

 

小林:trippieceはユーザーからすると、新しい旅行の発見装置で、旅行代理店からすると、新しいニーズの発見装置であるなと感じます。それについてはどうお考えですか?

石田:おっしゃる通り、僕らが旅行の需要を喚起して旅行に行くまでの道を作って、旅行代理店さんがそれを旅行パッケージにして提供するという形で協業しているので、まさにそこが僕らの役割だと思っています。

長嶋:本当にどんどんユーザーの皆さんが新しい旅行ニーズを見つけてくれるんですよね。例えば、以前実施したキャンペーンでは、ユーザーに行きたいところを挙げてもらい、その中で票を一番集めた旅行に行けるという企画だったのですが、その場所の何が魅力なのかをユーザーが、trippiece上で自動的に掘り起こしてくれるんです。

青木:それはやっぱりスマートフォンによって、人々がふとしたささいな気持ちを吐き出しやすくなっているからこそ、今までは見えていなかった思いもよらないニーズの発見につながっていると思います。そういう意味で、ある種trippieceさんは自動的なコ・クリエーション システムになっていますよね。

石田:そうですね。新しいニーズを旅行にするということを企業サイドがやると、どうしてもマーケティングという概念になってしまい、母数がどれくらいいるのかという話になりがちで、最大公約数的な旅行にならざるを得なくなってきます。 trippieceは企画者本人が行きたければ企画化できてしまうし、一件一件の規模は大きくない旅行だからこそ、特定の人に刺さる魅力的な旅行がたくさん生まれやすいんです。

 

今後のキーワードは「シェアトリップ」

 

小林:スマートフォンによって、旅行はどのように変化したと思いますか?

石田:旅行の身近化と最適化が、より進んだと思います。いつでもどこでもスマートフォンを手に持つ時代だからこそ、旅行情報との距離が縮まりましたし、今後は旅行中に、天候情報やGPSを加味して「今日のオススメのワンデーアクティビティーはこれ!」「昨日はここに行ったのなら、今日はここのお店はどう?」という最適化された情報がリアルタイムで提示できるようになります。

青木:求めているものと提供したい人をマッチングさせる。スマートフォンによって、そのスピードと精度が上がっていきますよね。パソコンだけの頃に比べて、考えられないレベルです。

小林:ある人が旅の企画を立ち上げて、他の人がそれに相乗りしていくという、trippieceさんの旅行企画段階のやりとりにもそれが特徴的に表れていますよね。「面白そう!」「行きたい!」という旅の欲は、その時のテンションが非常に大事で、タイミングを逃すと一気に熱が冷めてしまうと思うので、スマートフォンと相性がよいサービスだなととても感じます。

長嶋:おっしゃる通りです。また、trippieceでは、すべての旅の企画に対して、どんな人が企画して、今までどんな旅行に行った人が参加しているのか分かるようになっています。つまり、旅の価値を参加者からも感じられるようにしています。そういった情報を共有できるのは、シェアの文脈がスマートフォンによって強化され、それが楽しい体験につながるとユーザーの方々が無意識的に理解してくださっているからだと思っています。
われわれの中ではそういったさまざまなところで体験価値を共有するこの旅を、「シェアトリップ」と呼んでいて、今後のtrippieceのキーワードにしています。

長嶋さん

青木:普通の旅行では見えていないコミュニケーションが、シェアというキーワードが入ることによって発生し、体験価値が豊かになっていくというのはすてきですよね。

小林:最後にメッセージをお願いします。

石田:自分が好きな事、自分の好きなひと、これらがそろうことがより楽しい体験をするための要素だと思っています。trippieceというサービスを通して、人と人をつなぎ、どれだけ楽しい体験を提供できるか。それをこれからも追求し、“好き”にあふれた隔たりのない世界をつくっていきたいと思います。ぜひ、一度trippieceで新しい旅のカタチを体験してみてください。

小林:本日はありがとうございました!

 

電通スマプラロゴマーク
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◎「電通スマプラ」とは?
スマートフォンを中心としたスマートデバイス(パソコン、タブレットなど)上のビジネスの立ち上げ、成長・拡大に貢献するプランニング・ユニットです。
チーム内には、スマートフォンのゲームやアプリなどのマーケティング・コミュニケーションの実績が豊富な戦略プランナー、コミュニケーションプランナー、コンサルタント、コピーライター、プロデューサーなど、多種多様な人材をそろえています。また、一人一人が何かしらのオタクであるため、課題への深堀りはもちろん持ち前の個性と人間力でクライアントに向き合うことをモットーに、マーケティング活動を支援していきます。