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地元愛のチカラで地域資源を発掘

~岩手県「北三陸じぇし会」が活動報告

2015/04/10

    NHK連続テレビ小説「あまちゃん」のロケ地となった岩手県久慈(北三陸)の地域振興プロジェクトチーム「北三陸じぇし会」は発足から半年の3月7日、久慈地区合同庁舎で活動報告会を行った。

    ブームともいえる「あまちゃん」の盛り上がりをいかに地域の財産として後につなげていくか。そんな課題意識から、地域力の要として「じぇし(女子)力」にフォーカスしたのが「北三陸じぇし会」。岩手県および地域のNPO・団体が中心になり、久慈青年会議所と岩手県県北広域振興局の呼びかけで、久慈地域で活躍している「じぇし」たち12人が集まった。支援の要請を受けた電通側からもコーディネーターとして3人が参加している。
    報告会では、この半年間に地元「じぇし」たちの情報収集力を生かして、次の3つを実行したことが報告された。

    1.現地をロケハンし、北三陸の魅力だと思える地域資源を発掘すること。
    2.地域資源の中から「もう一回体験したい」「もう一回食べてみたい」「違う季節にも来てみたい」「来年もまた来よう」と思えるものを選定すること。
    3.その上で、久慈の魅力として「美しい人が美しく暮らす土地」をコンセプトとし、選定したものを編集すること。

    洋野町のハンドメード作家やセラピストらが集まって女性が楽しめる空間を創るプロジェクト「ひろのcolor」や、洋野町の新鮮な海藻を用いた「海藻しゃぶしゃぶ」、八戸線沿線の住民が列車に乗っている人たちに旗や手をふって歓迎の気持ちを伝える活動「洋野エモーション」への参加等を通じて、改めて久慈地域の数々の「宝物」を発掘したという。

    元電通テックのプランナー・田部井彩子氏は、街の活性化にはマーケティングの手法が有効であると提示。「マーケティングとは、生活者が、『いいなあ』と思うような気分をいかにつくるか、いかに価値をつくるか、それが仕組みとなっていかに続くようにするか、を考えるもの。地域の魅力を引き出す活動に応用できる」と説明した。 続いて電通マーケティングソリューション局のマーケティングプランナー・加形拓也氏は「マーケティングの応用にあたっては『地元の熱』を探すことが大事」だとコメント。「住民の皆さんが、楽しく暮らしていることを実感し、その活気を目当てに人が訪れる、という順番でないと、じぇし会の活動は長続きしないのではないか」と提言した。

    同社クリエーティブディレクターの横尾嘉信氏は、地域振興のためには、自分のまち、家族、自分自身を、心から「いい」と思えるかどうかだという。「そこで大切なことは、自分が『ここで幸せになるんだ』という覚悟。そうすると自分を肯定できて、力が湧いてくる。このまちが一番いいんだと思える人が活性化の担い手となっていく」と結んだ。

    最後に、電通チームから北三陸じぇし会にロゴマークが贈呈された(写真下)。
    じぇし会メンバー
    じぇし会メンバーと、後列向かって右から田部井氏、加形氏、横尾氏

    加形氏は「地元の愛がまずあって、それが外からも魅力的にみえたとき、ものすごい地域振興の力が生まれてくる、ということを目のあたりにした半年だった」と振り返っている。