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電通報ビジネスにもっとアイデアを。

企業の未来のためにできることNo.3

イノベーション・アイデアの創出のために

2013/12/04

STEP1 企業価値を高めるために、ご一緒にわくわくしましょう

第3回 イノベーション・アイデアの創出のために

 

電通流のアイデア発想プロセスそのものをご提供する「パワーセッション」

 

事業経営とマーケティングを“一気通貫”で再構築するには、イノベーション・アイデアの創出が欠かせません。そこで生かされるのが、電通のDNAとも言うべき右脳発想です。

独創的で突破力のあるアイデアは、一握りの天才しか思いつかないもの。そんなふうに捉える方が多いかもしれませんが、すぐれたアイデアは誰からでも生まれます。大切なのは発想の「コツ」と「プロセス」です。

広告を制作するとき、電通のクリエーターは企業の未来、事業の未来、そして人々の未来まで考え、さまざまな視点でアイデアを構築していきます。その過程自体は職人による属人的な技術にとどまり、可視化されないものですが、クリエーティブの現場で培った発想プロセスを「見える化」することで、ビジネスのイノベーションにつながるアイデアを生み出すことができます。

コンサルティング室の小西圭介君が著書で述べているのですが、以前のブランディング手法は、製品にイメージ上の付加価値をつけ、顧客をひきつけるという“形容詞のブランディング”でした。これからは、顧客コミュニティ(人)を中核に、共有された目的実現に向けて共に価値を生み出していく“動詞のブランディング”が欠かせません。顧客が共感できるような価値を提示し、体験され、満足情報がソーシャルメディアを通じて拡散していくことで、ブランド価値が高まっていきます。

顧客のコミュニティが大きくなればなるほど、わくわくさせるためには、左脳でロジカルに組み立てられた仮説と、右脳型の発想の相互作用が必要になります。そこで注目していただきたいのが、電通式の「ぐるぐる思考」です。これは「感じる→散らかす→発見→磨く」という4つのプロセスを、専門のファシリテーターのリードの下に右脳と左脳でぐるぐるさせ、グループワークでアイデアを練り上げる手法です。この手法をコンサルティングに応用することで、さまざまな課題解決の道筋が見えてきます。

4つのプロセスで、もっとも難しいのは「散らかす」です。「感じる」ことはできても、「散らかす」のは難しい。「散らかす」ことができれば、「発見」「磨く」と比較的スムーズに流れていきます。

たとえば、「ある企業の5年後のブランド・ビジョンを描く」というミッションがあったとします。左脳思考でロジカルに考えるだけでは、なかなか先に進めませんが、4つのプロセスを用意することで突破口が見えてきます。問題は、そのときの「散らかす」をどうするかですが、例えばまったく畑違いの人をグループのメンバーに加え、化学反応をおこさせる手法が有効になるケースがあります。

ゲーム会社のクリエーター、高原野菜の栽培農家、宇宙開発の技術者など、ユニークな属性を持つ人がメンバーに入って議論に加わると、従来のビジネスの延長線上にはないものの見方、考え方が加わり、論の衝突が活発になります。こうした場を設けることが、「散らかす」につながっていくわけです。

 

多様性を生かして尖度のあるアイデアを生み出す

 

電通には、世界最大級の独立先端研究機関「SRIインターナショナル」の方法論を加え、進化させた独自のメソッド「パワーセッション」があります(STEP3で詳しく解説します)。これは「マネジメント」「チーム」「プロセス」という3つのステップで構成される、イノベーション・アイデアを導くための手法です。前述した畑違いの人を起爆剤とする化学反応は「チーム」に含まれる取り組みです。日本の企業は、あるプロジェクトを遂行しようとするとき、同質で濃いチームをつくりがちですが、それではなかなか「散らかす」のが難しくなります。あえて異能な人間を集めるところに、大きな意味があります。

「パワーセッション」を行うときは、クライアント企業のなかで組織横断のタスクフォースチームを編成していただき、いろんな部署からメンバーを人選するのがポイントです。経営企画の人、宣伝の人、営業の人、経理の人……。事前に経営トップの思いを聞き、ユーザーの声をヒアリングし、自社ブランドについての幅広い情報をインプットし、全員が同じ基盤の上にのってもらう。そこから「ぐるぐる」を繰り返し、イノベーション・アイデアを導いていくのです。

アイデアの源泉は誰にでもあります。それを掘り当てられる環境をつくれるかどうかが問題なのですが、ほとんどの場合は埋もれたままで、実にもったいないと思います。電通流のメソッドを使えば、鉱脈を掘り当てる確率を高められます。また、この手法は、ブランディングだけでなく、新製品の開発、新しい営業手法の提案など、ビジネスのさまざまな課題解決に有効です。