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【続】ろーかる・ぐるぐるNo.6

事例:からくり侍セッシャー1

2013/05/16

拙著『<アイデア>の教科書 電通式ぐるぐる思考』の英語版(電子書籍)が公開になりました!

日本語版、韓国語版につづく三言語目です。少しでも多くの方に「アイデア」とか「イノベーション」とかを考えて頂くきっかけになれば、というのがそもそも執筆の動機でしたが、外国の方々にも読んで頂けると思うと喜びもひとしおです。あっ!もちろん日本語でこのコラムを読んで下さる皆様にも心より感謝です。はい。

正直なところ、韓国語のときは翻訳原稿を見せられてもちんぷんかんぷん。なかなか内容のチェックも出来なかったのですが、英語版だと「すっかりお任せ」というわけにもいきません。錆びついた語学力でいくつか事例なんかも差し替えました。そのひとつが「からくり侍 セッシャー1」。静岡県のご当地ヒーローにまつわるお話を新たに引用しました。

-------江戸時代のはじめ、主君を守るために和時計の開祖と呼ばれる津田助左衛門が作った最強の護衛マシーン、それが「からくり侍 セッシャー1」。戦国最強と謳われた「井伊の赤備え」にちなんだ赤い鎧で身を固めている。2011年4月。駅南銀座の、静岡の、地球のピンチに、密かに伝わる古文書によって作り出された。-------

これが公式ホームページに載っている説明です。一昨年静岡でテレビ番組が放送されたのですが、実はこれ、電通クリエーティブ制作のキャラクター(テレビ静岡さんとの共同プロジェクト)。ぼくもプロデューサー兼小間使いをやっています。

 

「からくり侍 セッシャー1 第1話」YouTubeより

 

 

 

コンセプトは「会いに行けるヒーロー」。(あれ?どこかで聞いたことがありますかね?)
ドラマの舞台は静岡駅南口徒歩2分に実在する「駅南銀座商店街」。そしてドラマに登場するのも実際に商店街で働いている方々です。たとえばラーメンが美味しくて有名な「清見そば」では、店の大将も奥様も熱演を披露して下さりました。

実際にその商店街に行ってみると、多くの登場人物(といってもふつうに商店街で働いている皆さんですが)に会えるわけです。さらに駅南銀座にはヒーローの「セッシャー1」や敵役の「スプラッシュ星人」もよくぶらぶらしています。(よい子のみんなも読んでいるので詳細は秘密ですが、いつも八百屋の青木さんが頑張って下さっています)街で見かけたキャラクターに声をかければ一緒に写真を撮ったりサインをもらったりすることもできます。

番組を見た視聴者の方にとって駅南銀座は「セッシャー1遊園地」。番組も商店街イベントも、すべてが「会いに行けるヒーロー」というコンセプト(=視点)に従って構成されました。最初の放送から2年近くが経ちますが、いまでもセッシャー1がよく現れる日曜午後には多くのファンが商店街に集まって下さります。

そして劇中ではスプラッシュ星人の手によって「食べると運命の人と縁結びされてしまう『ラー縁』」として登場した清見そばのラーメンも大人気です。

作家の東海林さだおさんは「もともとラーメンは、期待して目を三角にして食べるものではなかったはずだ」※1と生活に根づいた「普通のラーメン」賛歌のエッセイを書いていらっしゃいますが、清見そばはまさにそんな一杯、450円也。

からくり侍 セッシャー1は今年の4月からBSフジで日曜の朝(9:30〜)全国放送しています。また一部はYouTubeでも公開中。さらに夏にはセカンドシーズンが始まる!という噂も。
是非一度ご覧になって、駅南銀座にのんびりラーメンを食べに行くのは如何でしょう?

どうぞ、召し上がれ!



※1 東海林さだお『ゴハンの丸かじり』文春文庫、2006年より。
 
 
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