火山帯を生かせ!「地熱マルシェ」東京でホットに開催
2016/03/31
地熱資源開発の国民の理解を図ることを目的に、「地熱マルシェ」(主催・同実行委員会)が、3月26・27の2日間、東京・世田谷区の二子玉川ライズで開催された。
同イベントは、地熱資源開発のポテンシャルエリアである九州(小倉)、東北(仙台)、北海道(札幌)の全国3カ所で2月から開催され、東京はその集大成となった。
初日の会場では、地熱を活用してつくられた野菜などが販売され、多くの人が買い求める姿が見られた。ステージでは、地熱をテーマにしたダンスなどが披露され、「地熱芸人」のキクチウソツカナイ。さんや、御茶ノ水男子さんらとともに会場を盛り上げた。
安定的な発電が可能な地熱発電は、「国産のベースロード電源」として期待されているが、わが国は世界有数の火山国であり世界第3位の地熱資源量を有しながら、その存在はあまり知られていない。一方、地熱資源を有するエリアは山間部が多く、少子高齢化や産業の衰退が懸念されている。
同イベントでは過去の開催地で、地熱資源を地域の課題解決につなげるアプローチを学生や地域住民、事業者などを交えて、ワークショップ形式で検討してきた。東京会場のステージでは、その総括としてワークショップの監修者でもあるコミュニティデザイナー山崎亮さんらがパネルディスカッションを行った。
山崎さんは、「新しい時代や未来を予感させる、ワクワクする科学コミュニケーションが地熱には必要」とし、その上で「知った人や地域がつながり、そこから新たなイノベーションが生まれる可能性がある」と示唆した。また、キクチウソツカナイ。さんも「知ることが広がる最初」と述べ、御茶ノ水男子さんも「地熱の情報発信の場ができれば、僕らにも地熱の恵みがあるかも」と会場の笑いを誘った。
最後に、リバースプロジェクト代表の龜石太夏匡さん、電通ソーシャル・デザイン・エンジン代表の並河進さんも議論に参加。龜石さんは「地熱の本質を知った上で、未来目線で物事を考えることが重要」と話し、並河さんは「地熱を見える化すればブランド化できる」と提案。山崎さんは「正しいと思うことを選ぶ消費、エシカルなビジネスを地熱は生み出せる可能性がある」と締めくくった。