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DMCラボ・セレクション ~次を考える一冊~No.54

「JK×鶴の恩返し」の考え方『思考のスイッチ』

2016/05/13

むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがジモメンと割と本気で暮らしていました。
ある日、おじいさんは街でオケった帰り、ヤバタンなぽっちヅルを見つけました。
「ちょ・・ガチ?」
おじいさんはインスタとVineにガンなえした鶴の姿をアップしました。(P.112)

もう既にご存じの方も多いかもしれませんが(逆に、何言ってるのか分からない方もいらっしゃるかもしれませんが。笑)、これは以前ネットでも話題になった“JK用語で「鶴の恩返し」を読んでみた”の冒頭です。

初めてこれを読んだとき、あまりの斬新さと秀逸さに感動して、すぐに友人にシェアしたのですが、この記事は投稿後、1万4000ものシェアをされ、非常に話題になりました。(まだご覧になっていない方は、ぜひ全貌をこちらでご覧いただければと思います)

今回は、この“JK用語で「鶴の恩返し」を読んでみた”の生みの親で、この記事元であるバイラルメディア「街角のクリエイティブ」で編集長を務めるクリエイティブ・ディレクター西島知宏氏の著書『思考のスイッチ~人生を切り替える11の公式~』(フォレスト出版)を紹介します。

誰でも今日から使える思考「11の公式」

私の場合、広告会社という仕事柄、日々業務の中で「アイデア」を生み出すべく、頭を悩ませています。

が、広告会社で働いていなくとも、日頃から皆さんもあらゆる場面で「アイデア」を求められるシーンに直面しているのではないでしょうか。

担当している商品を売るためのアイデアや、営業先へのアプローチ方法、友人の誕生日サプライズや結婚式の余興、恋人とのデートプランなど…。

本書では、ビジネスシーンに限らず、「アイデア」が求められるあらゆるシーンで活用することができる思考術が「11の公式」として紹介されています。

1.常識 →非常識術
2.ライバル接着術
3.付属品接着術
4.限定術
5.順番入れ替え術
6.他者憑依術
7.鉄板モチーフ術
8.ワールドレコード術
9.ニュースコラボ術
10.著名フレーム利用術
11.4大欲求満たし術

フレンチレストラン  × 常識 ⇒ 非常識術

1番目の公式「常識 →非常識術」については、フレンチレストランを例に解説しています。

まず、昔ながらの「フレンチレストラン」の常識を書き出します。
・豪華な椅子とテーブル
・値段が高い
・たくさんのナイフとフォークで食べる
・ドレスコードは正装
そして、これらの常識を非常識に変えます。
・立ち食い
・1品100円
・つまようじで食べる
・ドレスコードは水着(P.54~55)

東京で大人気の、あの立ち食いフレンチレストランも、まさにこの思考術に当てはめて生みだせるアイデアですよね。

鉄板モチーフ術 ×著名フレーム利用術 = JK × 「鶴の恩返し」

次に、冒頭でご紹介した“JK用語で「鶴の恩返し」を読んでみた”を公式に当てはめてみます。まずは、7番目の鉄板モチーフ術。これは、ネットで話題になっている動画や記事の鉄板モチーフ7つを挙げ、それを「お題」に絡めるというものです。鉄板モチーフは以下の7つが挙げられています。

1.動物
2.赤ちゃん
3.女子高生
4.セクシー
5.恐怖
6.プロポーズ
7.結婚式

どうでしょう。最近見た話題の動画や記事もこの7つのどれかに関わっているものじゃないでしょうか。 “JK「鶴の恩返し」”はここでいう「女子高生」のモチーフを使ったものと分かります。

そして、この「女子高生」という鉄板モチーフに10番目の公式 著名フレーム利用術を当てはめます。著名フレーム利用術とは、誰もが知っている著名なフレームに「お題」を当てはめるというもの。ここでいう「鶴の恩返し」がこのフレームに当たります。

著名フレーム利用術の利点は、既にみんなが知っている話に乗っかるので、わざわざアイデアを一から説明しなくても、理解してもらえる、という点です。つまり、“JK用語で「鶴の恩返し」を読んでみた”は、思考の公式をフル活用して生み出されたコンテンツだということが分かります。

このように、本書では各公式に対して「お題」の例を挙げながら説明がされているので、とても理解がしやすく、すぐにでも自分の抱えている「お題」に当てはめて実践してみることもできます。

「11の公式」を習得すれば、人を、世の中を、あっと驚かせるような「新しいアイデア」を生み出せるかもしれませんよ。