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廣田:人とは違うアイデアを生み出すためにやっていること、気を付けていることはありますか?

八木:私は、大学生のときからずっとブログをつけていて、気になったものや、映画の感想などを記録しています。今は仕事としてデザインに関わっていますが、当時の純粋な気持ちをときどき思い出して、あのときの自分が見ても恥ずかしくないものが作れているかな?ということを意識するようにしています。

最初のころは、ノートにつけていました。
最初のころは、ノートにつけていました。
 

廣田:昔のブログを見返したりしますか?

八木:自分が考えていたことや、好きなものの傾向が集まってくると、自分の作りたいものの方向性が見えてくるので、時々見返すようにしています。いいなと思うものの視点や、世界観、デザインなどは、一見バラバラに見えても、分析すると何かしら共通点があるように思います。
会社に入ったばかりのころ、自分がどういうものが作りたいのか分からなくなって悩んだ時期があったのですが、その時は自分の集めた好きなものが、作りたいものはこっちだよ!と導いてくれた感じがありました。最近は、どんなお仕事でも、自分がいいな、と思う感じを少しでも入れられるように心がけています。

廣田:僕が気を付けているのは、早寝早起きです。電通の人間は個性が大事だという風に習ったので、僕なりに「皆と違うこと」をやってやろうと思っていまして、そこでたどり着いた習慣が、早寝早起きです(笑)。

八木:早寝早起き…! 何時起きですか?

廣田:朝5時くらいに起きて、夜10時には寝てしまうようにしています。

藤本:早っ! 僕もアイデアが浮かぶのはだいたい朝ですが、夜通し書いたあとの明け方です(笑)。

散歩しながらアイデアを考えることも
散歩しながらアイデアを考えることも

廣田:まず第一に体調も良くなりましたし、朝は電話が鳴らないので、ものすごく仕事がはかどるんですよ。開発系のアイデアが浮かぶのもだいたい朝です。通勤途中に朝日がキレイに見える場所があって、ご来光の瞬間に立ち会うと多幸感が訪れます。

藤本:朝型に変えられるなら本当は変えたいですけど…。でも小心者だから「明日起きてから何か思いつくだろう」とは考えられなくて、思いつくまで寝られません。さすがにすごく眠いときは頭が回らないので、「寝る勇気!」という言葉を自分に言い聞かせて寝ます。

廣田:早寝早起きのいいところはほかにもあって、早く帰ると夕方、「奥さんたちがスーパーで何を買っているか」みたいなところをちゃんと観察できたりするんです。いつも夜中に帰宅していると、生活者のことを一番知っていないといけない自分たちが「生活者」としてダメになっていくので、それはとっても重要なことだと思っています。

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著者

廣田 周作

廣田 周作

Henge Inc.

1980年生まれ。放送局でのディレクター職、電通でのマーケティング、新規事業開発・ブランドコンサルティング業務を経て、2018年8月に独立。企業のブランド開発を専門に行うHenge Inc.を設立。英国ロンドンに拠点をもつイノベーション・リサーチ企業「Stylus Media Group」と、米国ニューヨークに拠点をもつ、大企業とスタートアップの協業を加速させるアクセラレーション企業の「TheCurrent」の日本におけるチーフを担当。独自のブランド開発の手法をもち、様々な企業のブランド戦略の立案サポートやイノベーション・プロジェクトに多数参画。また、WIRED日本版の前編集長の若林恵氏と共同で、イノベーション都市・企業を視察するツアープロジェクトのAnother Real Worldのプロデュースも行なっている。自著に『SHARED VISION』(宣伝会議)、『世界のマーケターは、いま何を考えているのか?』(クロスメディア・パブリッシング)など。

八木 彩

八木 彩

電通では企業や商品のブランディングを、コンセプト構築・商品開発からコミュニケーション設計まで、デザインを軸に、トータルで手掛ける。2023年10月末に電通を退社。

藤本 宗将

藤本 宗将

株式会社電通

1972年生まれ。1997年電通入社。コピーライターとして広告のメッセージ開発を手がける。主な受賞に、TCC最高新人賞・TCC賞・ADCグランプリ・ACCグランプリなど。論文に『拡散するクリエイティブの条件』(JAAA入選)。

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