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『SHARED VISION』のおまけNo.1

そもそもどんな思いで本をつくったんだっけ?

2013/07/18

『SHARED VISION』の出版をきっかけに集まった3人が、本を飛び出して語り合う「おまけ」的なコラムです。

『SHARED VISION』

廣田:この本を書く時に一番考えたのは、マーケティング理論ごりごりの「難しそうな本」にしたくないなということ。僕は常々、ソーシャルメディアって、もっと生活に近いところにあるはずで、もっと日常っぽさが必要だと思っていたんです。良い意味で地味に、飾らない僕らしい表現をしてくれるデザインを求めていて、同期である八木さんにお願いしました。

八木:ビジネス書のコーナーを見に行ったら「文字をベースにしたデザインが多いな!」という第一印象。なので、ビジュアルメインの表紙にしたら目立つかな、と。廣田さんからは、「劇薬ではなくて、漢方薬。カモミールティーみたいなやさしい印象の本にしたい」とオーダーされたので、イラストは塩川いづみさんがいいのでは?と思って、そこからアイデアを考えました。

『SHARED VISION』というタイトルが聞き慣れない言葉なので、これ自体をビジュアルにしようと、男女がメガネで繋がっているデザインにしました。それとアイキャッチとしてメガネをトレーシングペーパーに印刷して、メガネを外せる仕掛けになっています。

廣田:そして帯のコピーは藤本さんにお願いしました。藤本さんご自身のツイートが面白くて、元々ファンだったということが大きいのですが(笑)、真面目に言うと、藤本さんのコピーって特にデジタルの仕掛けも何もしていない、とてもシンプルな作品なのに、ものすごい勢いでクチコミを生んでいるんですよね。

藤本:最初は「書籍の帯を」と言われて推薦文を書くのかと勘違いしてて。無名の僕ではせっかくの本が売れないからやめたほうが…と思ったんですけど、よく聞いたら求められてたのはコピーでした(笑)。今回の商品は書籍という「言葉」で、それをコピーという「言葉」で伝えるという作業。そこがけっこう難しくて悩みました。

本の内容を1行で言い切るのは難しいので、コピーは「そもそもソーシャルメディアで何がしたかったんだっけ?」という疑問形にしました。事前に原稿を読ませてもらったら、「テクノロジー」や「仕組み」の話ではなくて本質的な問いを投げかけているような気がしたので、コピーも問いかけになってるといいのかなと。

廣田:ソーシャルメディアの話になると、ついデジタルテクノロジーや仕組みについて考えがちです。でもソーシャルメディアの先には必ず人がいるし、そこで受け入れられるのは発信する人の人柄だったりする。だから「ソーシャルメディアの企画をしよう」と考えるより、まずは相手が喜んでくれるかな?という視点で考えることが重要なんです。