インサイトメモNo.24
スマホ普及がもたらす新たなトレンド
2013/01/07
〈 掲載日:2013.01.07 〉
■ 電通総研『話題・注目商品』でスマホが3年連続1位
電通総研が先日発表した『話題・注目商品2012』において、3年連続で「スマートフォン」(以下スマホ)が1位となりました。また3位には「Facebookなどの実名登録制SNS」が入った他、LINEなどの無料通話&メールアプリもランキングしているなど、スマホ関連のサービスが生活者のライフスタイルにまで幅広く浸透し始めている様相が伺えます。
■ 利用層があらゆる世代に拡大
この1年でのスマホの普及状況を数字で確認してみます。
【 スマートフォン利用状況 (性年代別) 】
2012年7月のデータですが、対象者全体でのスマホ利用率は36.8%(前年19.9%)となっており、飛躍的に利用率が拡大したことがよくわかります。なかでも牽引役となっているのが女性層で、特に10代・20代の若年層の伸びが驚異的であることが一目瞭然となっています。
この変化をフィーチャーフォン(従来型の携帯電話)の側からデータを見ると次のようになります。
【 フィーチャーフォン利用状況 (性年代別) 】
スマホの利用率は急上昇ぶりに注目が集まりがちですが、携帯電話市場全体で考えると、まだフィーチャーフォンのユーザー が多数派であることが伺えます。特に現代日本の人口ボリュームゾーンである50代以上の層では男女ともにいまだ7~8割にも上っている点は見逃せないところで、特にこうした層向けのマーケティングプランやコミュニケーションプランを検討する上では留意すべきポイントになると思われます。
そしてスマホ市場の今後を考える上でも、あと数年は30代未満の若年層が牽引役となって市場の急拡大が見込めますが、その後さらなる成長を考える上では、30代以上の層をスマホにスイッチさせることができるかどうかがカギになってくるということが言えそうです。
■ パソコンで利用されてきた各サービスのモバイル利用拡大へ
若年層を中心に普及が拡大しているスマホですが、私たちの生活にどのような影響をもたらしているのかについても確認してみましょう。
[ 問 ]あなたは、スマートフォンを保有することによって意識や行動・モバイルの使い方に変化がありましたか?
スマホ保有によって変化があったと意識されているのは、「検索」「WEBサイト閲覧」をモバイルで行う機会が増えたこと を挙げる人が多いことが伺えます。また「写真」や「地図」、「動画」、「SNS」、「ゲーム」といったサービスやアプリの利用がこれらに次いで多くの回答 を集めています。
これらの各サービスはこれまでパソコンでの利用を中心にユーザーを拡大してきたものが目立ちますが、スマホの普及によって、
(1)今までパソコンの利用には 消極的であった層への浸透
(2)モバイルでの利用による利用機会・頻度の拡大
により、市場全体が大きく拡大しつつあることがあらためて確認できます。
■ タブレット型端末もあわせた2013年以降の動向に注目
2013年以降注目されるのは、上記のスマホの普及に加えて、タブレット型端末と呼ばれるデバイスの普及動向にあると考 えることもできるでしょう。タブレット型端末はスマホ以上にパソコンと距離の近いサービスであると考えられることから、その普及動向によってはスマホを含 めた消費者の情報行動やライフスタイルにまた大きな影響を与えることになるでしょう。