「ケーブルコンベンション2016」開催
2016/08/03
ケーブルテレビ業界のイベント「ケーブルコンベンション2016」(主催=日本ケーブルテレビ連盟、日本CATV技術協会、衛星放送協会 後援=総務省)が、7月28、29の両日、千代田区の東京国際フォーラムで開催された。テーマは「INNOVATION FOR CUSTOMER ~さらなる連携、お客さまと共に~」。
会場では、企業・団体の関係者や専門家による講演やセミナー、企画展示、情報交換会など、多くのプログラムが行われ、両日とも参加者でにぎわった。
28日には、さまざまな地域で展開されているケーブルテレビ事業の認知向上と業界の発展を目的に、各社の優れた活動や先進的な取り組みを表彰するケーブル・アワード2016 第9回「ベストプロモーション大賞」の贈賞式が開かれた。チラシ、CM、ネット、グッドプラクティス部門の入賞15作品の中から各賞が発表、贈賞された。
グランプリには、京丹波町ケーブルテレビの「認知症予防啓発ドラマ制作~だいじょうぶ!上田さん~」に決定した。認知症の予防啓発をテーマに、自主制作のドラマをケーブルテレビで放送したもので、町内事業所の担当者が脚本、監督を担当し、多くの町民が役者で出演。町民による町民のための取り組みとなっている。京丹波町の西村公貴氏は「最初はドキュメンタリーや広報番組も考えたが、地域の皆さんと話し合いを進め、より伝えやすくするためにドラマというスタイルがいいのではないか、ということになった。脚本が一番大変だったが、これも地域の皆さんのご意見をたくさん聞きながら作り上げることができた。今回の受賞は大変光栄」と、あいさつした。準グランプリは、株式会社ケーブルワンの「ケーブルワンカップ2015」(主催する少年野球大会の参加選手顔写真とプロフィールをパンフレットやポスターで町中にアピール)とケーブルテレビ株式会社の「二台目STBは安い」(若手男性社員7人演じるオリジナル3代目ジェイ・ソウル・ブラザーズが話題作りに成功)が受賞した。
介護の現場で活躍している町内の事業所や行政担当者、介護に携わった町民とともに、ドラマ形式で何を伝えたらよいか議論を深めるなど、課題や解決策を盛り込んだ。ゼロから作り出したことで連携が密になり、さらに身近な町民が演技をしていることが話題に。認知症への理解の重要性を広報することができ、講演会などで教材としても活用されていることに対して高く評価され、グランプリが贈られた。
また、今年がオリンピックイヤーに当たることから、アワードのアンバサダーに元プロテニスプレーヤーの杉山愛氏を迎え、“スポーツ・健康”をテーマにした作品の中から特別賞を設けた。同賞には徳島県CATVネットワーク機構の「地域密着!ケーブルテレビ!!徳島県高校総体 全部やる!」(県内のケーブル18局が高校総体の全競技を一斉に放送)が選ばれた。杉山氏は「地元の県の高校総体の活動を全部放送し、さらにお祭りまで放送するということで、地域密着がすごく前面に出ている印象だった。また、協力されている局の一体感に独自性も感じられた」と評価した。
同アワードの贈賞式後には応募・入賞の各ケーブル局と審査員、アンバサダーらの交流懇親会が開かれ、多数の来場者が情報交換や相互交流を深めた。
更に翌29日には「ベストプロモーションフォーラム」が行われ、電通クリエーティブ・ディレクターの並河進氏が「地域のコミュニケーション・デザイン」をテーマにセミナーを実施した。並河氏は企業・メディアと生活者との間で新たな価値を加えるプロジェクトを紹介。「視点を変えることで関係性を新しくする」方法を語り、ケーブルテレビ局と地域がより良いコミュニケ―ションを築く方向性を示した。また、同氏とソニー・デジタルエンタテインメントの福田淳社長で、トークセッションを展開。アワードで表彰された作品に言及しながら、ケーブル局の可能性と未来について来場者と共に考えた。
コンベンションでは、関連イベントとして「ケーブル技術ショー2016」が併催された。“ケーブル技術が拓く!未来のCATVネットワーク社会”をテーマに、関連企業76社がブースを出展。各社は4K・8K放送や防災・減災への取り組み、最新の設備・機器を展示・紹介するなどPRに努めた。
講演やセミナーには約2500人が参加し、技術ショーには2日間で約1万700人が来場した。
公式サイト:http://www.catv-conv.jp/