auの「三太郎」がグランプリ~2016 ACC CM FESTIVAL受賞作決まる
2016/09/30
全日本シーエム放送連盟(ACC)は9月28日、記者会見を開き2016 56th ACC CM FESTIVALの入賞作品を発表した。
今年の応募総数は2685点。フィルム(テレビCMのAカテゴリー、オンラインフィルムのBカテゴリー)、ラジオCM、マーケティング・エフェクティブネス、インタラクティブの4部門に分かれ、この中から5点の「総務大臣賞/ACCグランプリ」と各賞を選出した。
高田坦史理事長は「メディア環境が多様化する中で、広告も表現手法がますます進化している。贈賞を通して、若者たちがこのようなインパクトがある作品を自分でも作りたいと思うきっかけになればうれしい」と総括した。
各部門の総務大臣賞/ACCグランプリ受賞作品と審査委員長による講評は次の通り。
フィルム部門Aカテゴリー
広告主:KDDI
商品名:au
タイトル:au ガラホ 海の声/au 竜宮城ぷるぷる/他
広告会社:電通
制作会社:AOI Pro.
講評:フィルム部門審査委員長 電通・古川裕也氏
まだあまり知られていない傑作を発見するのも賞の仕事であり、世の中が先行して評価したものを、どこかのタイミングでグランプリとして遇するのもまた、賞の仕事である。今年は後者だった。
フィルム部門Bカテゴリー
広告主:END ALS
商品名:END ALS
タイトル:I'M STILL
広告会社:マッキャンエリクソン
制作会社:AOI Pro.
講評:フィルム部門審査委員長 電通・古川裕也氏
フィルムという表現形式の、まだ立ち現れていない多様な可能性を感じさせるものだった。なにより貴重なのは、今までできなかった“Something New”をなんとか創り出そうという健全な野心だと思う。グランプリ受賞作は、フィルム・クリエーションの領域を明らかに拡張した。
ラジオCM部門
広告主:大日本除虫菊
商品名:蚊がいなくなるスプレー、キンチョール、プレシャワー
タイトル:金鳥少年シリーズ その1/その2/その3
広告会社:電通関西支社
制作会社:ヒッツコーポレーション
講評:ラジオCM部門審査委員長 電通・澤本嘉光氏
ラジオをradikoで聞けることが広まり、若い人にもラジオが再び関心を持たれ出して来ている。グランプリが、圧倒的な原稿力や演技力で放送時にネットでも話題になっていた作品が選出されたことに代表されるように、 今やラジオCMはただ流すだけでなくコンテンツとしてネットで拡散する時代になった作品が選べたと思っている。
マーケティング・エフェクティブネス部門
広告主:アキタ
商品名:きよら グルメ仕立て
キャンペーン名:きよらのたまご
広告会社:タレントアンドアセスメント/博報堂/catch
制作会社:ギークピクチュアズ/Cabbage Design
講評:マーケティング・エフェクティブネス部門審査委員長 トヨタマーケティングジャパン・土橋代幸氏
課題に対しての本質的な効果・成果こそを評価することを基本スタンスに審査を行った。最もコモデティー化した商品である「卵」を新たにブランディングし、「定価で指名買いしてもらう!」という難しい課題に対して、瞬間風速でなく継続的な指名買いを実現し、大幅な売り上げ増につなげたことが、高評価となった。
インタラクティブ部門
広告主:宮崎県小林市
商品名:移住促進PR
作品名:ンダモシタン小林
広告会社:電通/電通九州
制作会社:ロボット
講評:インタラクティブ部門審査委員長 博報堂・須田和博氏
「今までの広告の形をしていないモノを探したい」というテーマを掲げて、いままでにない多様性をもった審査委員を招請した。規模ではない知恵のアプローチ、フィルムとしてウェルメードながら、YouTubeという再生環境を仕掛けとして企画の内に取り込んでいる見事さなどが、全審査委員一致の推挙の理由だ。
入賞作品および作品リストは、ACCウェブサイト内で閲覧できる。
また同日、第6回「クリエイターズ殿堂」も発表。川崎徹、大森昭男、五井千鶴子、秋山晶、郡家淳の5氏が選ばれ、杉山恒太郎選考委員長が講評した。