テトリスNo.2
テトリスは、キャラクターへ、コンテンツへ。新ブランドTETRIS FAB
2016/10/26
2016年2月に電通はテトリス・カンパニーと「テトリス」の日本国内の商品化と広告利用に関するライセンス契約を締結しました。そして、誕生したのが電通テトリスプロジェクトチームです。美しいデザイン、クールコンテンツで楽しませるテトリス。今回はリローンチの考え方を紹介します。
CD:田中友朋(PD局)、AD:瀧亜沙子(2CRP局)、CW:有元沙矢香(1CRP局)、CP:中島康恵(3CRP局/DCF)
≪ビジュアル制作≫ Photographer:北島明(SPUTNIK)、Hair&MakeUP:池田慎二(mod'shair)、Model:ARI、PhotoRetouch:村山輝代(foton)、Designer:荻野沙理(J.C.SPARK)
日本の多くの人が思い出す「あのゲーム」の印象を更新、より自由に
テトリスは1980年代に生まれ急速に全世界で広まりました。皆さんも、あの七つのテトリミノと呼ばれるパーツを操り、組み合わせ、ゲームした経験を思い出したり、画面や音楽が浮かんだりするのではないでしょうか。
その「ゲーム印象」はすぐ浮かぶのですが、海外では、リアルプロダクトになっていたり、映像化・イベント化や、かなりのハイブランドのプロモーションなどでコンテンツとして使われてます。今回、再ローンチするのはこのコンテンツ化を含めた世界。
これまで達成している「プレーしてもらうためのブランディング」から、さらにコンテンツとして成長する姿をブランディングしていく必要性を感じました。「あのゲーム」印象はベースにしつつも、画面からも抜け出し、自由になったテトリスへ、イメージを更新するために。
「美しいデザイン」「ファビュラスなコンテンツ」を楽しませる
手始めにプロジェクトチームでテトリスの活用法を妄想しました。
チームのアートディレクターらが提出した新ブランドデザイン案の量に、ちょっと驚きました。考えやすいのでしょうか、プロダクトやイベント、バーチャルまでさまざまに想像をかき立てていました。テトリスの「ミニマルなデザイン要素」を「自由に再構成」することで、複雑な形態にも、立体にも、ストーリーにもなる余地があります。
そして、その余地は、ある程度自由に扱っても崩れない「キャラクター性」を秘めていることに気が付きました。通常のブランディングはイメージを絞り脱線せず育てていくことが必要な場合も多いですが、テトリスはもっとキャラクター的で、俳優のようにさまざまな舞台に登場させ、その場ごとの「個性や性格」を発揮させることでブランド化していく方向が適しています。
三つのポイントをつくりテトリスの権利元とシェアしました。
①テトリスのデザインとともに、「キャラクター性」を想起させる。
ミニマルデザインで知的な七つのテトリミノのデザインに加え、浮遊し変化する動き、自由な組み合わせ、一気に消滅する、などキャラクターのコアを再想起させる。
②ゲームの印象は消さない。本質的で鮮度のある「気分」を足す。
ブランド根幹であるゲームの印象はしっかり残しつつも、そこに、このブランドの本質的な「カルチャーの気分」を加え、自由な軸足とする。
③まず大人に向け、今後展開されるプロダクト群を予感させる
ゲームだけではなく、さまざまなコミュニケーションやプロダクトにアダプテーションできるテトリスの予感をつくる。
Fabulous!な印象を、まずはアーリーアダプターから認知獲得を目指す
上の三つのポイントを一つにしたレーベル、コンセプトのタグラインの必要性を感じました。
それが、
TETRIS FAB
テトリスを着る、テトリスを味わう、テトリスを飾る。テトリスを。
最近日本でも耳にするFabulous!という「いいじゃーん!」「すげー!」みたいな口語とfabrication のダブルミーニングの「FAB」を、テトリス自体のロゴと共存させるレーベル名を設定。今後、テトリスのプロダクトやコミュニュケーションが増えていったときの正規品としてのタグでもあります。
前述の新ブランドデザイン会議で、アートディレクターの1枚のラフがありました。その絵はテトリスを身にまとっているビジュアル。それがコンセプトの鍵になりました。そのビジュアルはキービジュアルとしても採用されました。
PlayテトリスからFeelテトリス、Experienceテトリスへ
まずは一部の面白がってくれる人たちや先鋭ブランドなどとコラボレーションできたらTETRIS FABレーベルも広がりそうです。
数年後にはテトリスの映画も全世界で公開されるようで、そのころには新しいテトリスの世界が広がっていることを妄想しています。