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テトリスNo.1

クールなデザインアートとしてのテトリスの可能性

2016/10/19

電通は2016年2月、テトリス・カンパニーと「TETRIS」の日本国内における商品化および広告利用に関するライセンス契約を締結した。そして、誕生したのが電通テトリスプロジェクトチームである。今回は、テトリスのデザインとしての魅力を、事例を交えながら紹介する。

世界で最も売れたゲームの一つ「テトリス」。私たち日本人も、いわゆる落ちゲームの元祖として、一度ははまった方も多いのではないだろうか。1984年にモスクワ出身の科学者アレクセイ・パジトノフ氏によって開発された「テトリス」は、アメリカ人のゲームデザイナー、ヘンク・ロジャース氏が発見、すぐその面白さにはまり米ソ冷戦時代にもかかわらず、ヘンク氏の情熱的な交渉を通じ2人に友情が芽生え、共同で「テトリス」の権利を所有。今でもヘンク氏とアレクセイ氏の友情と共同保有は続いている。

左からヘンク氏、アレクセイ氏
 

89年、ヘンク氏が任天堂ゲームボーイにおける販売権を取得。その後、ヘンク氏と任天堂の交渉の結果、海外のゲームボーイはテトリスとセットで売られることになる。そのゲームボーイテトリスは、日本中を席巻し、販売実績、約3500万個以上とメガヒットを記録した。

日本ではゲームとしてのみ知られているテトリスだが、実は海外では、そのデザイン性からアートとして、ゲーム以外の活用が積極的に行われている。今回、われわれテトリスプロジェクトチームが驚き、またテトリスの可能性を感じたのもそこがポイントで、高い認知度を生かし日本でも新しいデザインアートとして「テトリス」をブランディングしていきたいと思っている。

それでは、海外のデザインアートとしての「テトリス」をいくつかご紹介しよう。

▶︎シボレー CM

 
インテリア雑貨(照明)
 
アイストレー
 
クッション
 

このように、テトリスモチーフのアパレル、インテリア、飲料・食品などが販売され、ライフスタイルとして根付いている。さらにその高いアート性からハイブランドとのプロモーションタイアップの実績も多数ある。

日本人にとってはテトリス=ゲームの印象が強いが、世界では、若者から大人たちまで、テトリスを生活の中にデザインとして取り入れている。テトリスのアート、コンセプトの活用が広がっていくと、きっと、多くの日本人が驚くことになると信じている。

【裏話】

テトリス版権を管理するブループラネット社の現CEOマヤ・ロジャース氏(ヘンク氏の娘)にどうして今まで日本でゲーム以外の展開しなかったのか、尋ねたことがある。彼女の答えは「テトリスと日本は歴史が非常に深いからパートナー探しが非常に重要だと思っていて、電通のテトリスプロジェクトチームのようにテトリスの概念、デザイン性からブランディングしてくれるパートナーと出会うのに時間が掛かった」と言っていた。